小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『盗まれて』今邑彩

2002年11月17日 | ミステリ感想
~収録作品~
ひとひらの殺意
盗まれて
情けは人の……
ゴースト・ライター
ポチが鳴く
白いカーネーション
時効


~感想~
一方こちらはどれも切れ味に欠ける作品ばかり。
ある意味前代未聞の『情けは人の……』は佳品。


02.11.17
評価:★☆ 3
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ミステリ感想-『見えない女』島田荘司

2002年11月13日 | ミステリ感想
~収録作品~
インドネシアの恋唄
見えない女
一人で食事をする女


~感想~
『インドネシアの恋唄』
こんな無名の作品でも全力投球、氏の匂いがそこはかとなく漂う。

『見えない女』
異色作ながらもなぜか既視感に見まわれる。つまり元祖か。

『一人で食事をする女』
解決で全ての謎が割れる造りはさすが。(ネタバレ→)ただ今日的に見て、壁は過去の遺物と化し、悲哀は薄い。

~総括~
珍しい趣向の3編が並んだひと味違う短編集。


02.11.13
評価:★★☆ 5
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ミステリ感想-『犯罪は二人で』天藤真

2002年11月12日 | ミステリ感想
~収録作品~
運食い野郎
推理クラブ殺人事件
隠すよりなお顕れる
絶命詞
のりうつる
犯罪は二人で
一人より二人がよい
闇の金が呼ぶ
純情な蠍
採点委員
七人美登利
飼われた殺意


~感想~
『運食い野郎』
本線よりも横道の逸話に妙味か。

『推理クラブ殺人事件』
なんとも珍しい趣向。設定といい細工といい異色。

『隠すよりなお顕れる』
おのれ金田一。またかよ。

『絶命詞』
逆転……もあのセリフはどう考えてもそうとしか取れないような。

『のりうつる』
そういう結末か、といたく納得。

『犯罪は二人で』
以下三作はミステリと呼ぶより「怪盗譚」と言った方がすわりがいい。まずは発端。長編の冒頭といったところ。

『一人より二人がよい』
タイトルに込められた意味に苦笑。

『闇の金が呼ぶ』
意外性に乏しいか。

『純情な蠍』
伏線を張ってない(よね?)のは手落ち。

『採点委員』
いつかどこかで見た話。つまりその元祖か。

『七人美登利』
晩年の作品とは思えない周到な伏線など、まさに老練。傑作。

『飼われた殺意』
没後発見のやや異色作。結末が珍しい。


02.11.12
評価:★★★ 6
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ミステリ感想-『いちばん初めにあった海』加納朋子

2002年11月08日 | ミステリ感想
~あらすじ~
堀井千波は周囲の騒音に嫌気がさし、引っ越しの準備を始めた。
その最中に見つけた一冊の本、『いちばん初めにあった海』。
読んだ覚えのない本のページをめくると、その間から未開封の手紙が。
差出人は“YUKI”。だが、千波にはこの人物に全く心当たりがない。
しかも手紙には「私も人を殺したことがあるから」という謎めいた内容が書かれていた。


~感想~
氏初の長編。
ミステリ――と言い切るには謎も解決もすこしく物足りない。
いかにも味わいは存分に出ているのだが、いまいち。


02.11.8
評価:★★ 4
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ミステリ感想-『ささらさや』加納朋子

2002年11月03日 | ミステリ感想
~収録作品~
トランジット・パッセンジャー
羅針盤のない船
笹の宿
空っぽの箱
ダイヤモンドキッズ
待っている女
ささらさや
トワイライト・メッセンジャー


~感想~
連作短編集。
連作のていをまるでなしていない。輝く一編も見当たらず、食い足りない。
氏の力はこんなものじゃないはずだが。


02.11.3
評価:★☆ 3
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