東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

東条英機がかわいそうだ

2011-06-21 23:55:29 | 社会・経済

最近マスコミで管直人を東条英機なみだとする記事を見る。いくらなんでもこれじゃ東条がかわいそうだ。

東条英機が首相を辞めたのは終戦の一年以上前である。サイパン、グアムを失ったマリアナ沖海戦での敗北を受けたものである。マリアナ群島をアメリカに奪われたために日本全土は全面的な空襲を受けることを避けられなくなった。

今の東日本大震災もひどいが、マリアナ群島喪失はそれにはるかに勝る悲劇を日本にもたらした。東条英機の退陣を求める機運が高まった。東条は総選挙か内閣改造で乗り切ろうとしたが、当時の東条内閣の閣僚一人の抵抗で生き詰まり退陣した。

当時と今では内閣の制度も異なるが、本気で閣僚が抵抗したら政権は行き詰ることには変わりはなかろう。

是によって此れを観るに、今の閣僚すべて、民主党執行部は東条内閣の閣僚にはるかに劣ると言わなければならない。

この非常時に政治の停滞は許されない、とか政治の空白は許されないという詐欺師的逃げ口上を使う破廉恥漢が多いが(同時にこれにコンコロリンと騙されるバカも多いが)、サイパン島陥落後の日本の状況の緊急性、非常事態性は現在の状況を何百倍するものだ。だからこそ、当時の閣僚の抵抗があったわけだ。

これは考えなければいけない段階だよ。東条英機はサイパン陥落後一カ月以内に「みずから」身を引いた。政治家はせめてこの位の出処進退のケジメを示さなければならない。