「パリの事件は窮鼠猫を噛む、という趣がある。追いつめられたネズミが捨て身の反撃をしたともとれる。絶対に認められないことだが、犯行の動機としては説明出来る。だがアメリカのやったことはほとんど楽しみのためのホロコースト、ということになるんじゃありませんか」
「サンダル教授、良いところに気が付いたな。アメリカは日本が原爆投下、ソ連参戦でも降伏しなければ、あと1ダースも原爆を投下した後で関東平野にサリンをまいてから上陸する作戦だったらしい。サリン散布による日本市民の死者を五百万人と計算していた」
「本当ですか」
「本当だとも、コロネット作戦なんてふざけた名前までつけていた。その前に九州上陸作戦を計画していて、これがオリンピック作戦と呼んでいた。
だから天皇陛下は終戦の詔勅で「敵は残虐な兵器で無辜の民を殺戮し日本民族を根絶やしにしようとしている」と述べられたわけだ」
* 終戦の詔勅から抜粋
「敵は新たに残虐なる爆弾を使用し頻りに無辜を殺傷して惨害の及ぶ所真に測るべからざるに至る。なお交戦を継続せんか終に我が民族の滅亡を招来するのみならず、すべての人類の文明をも破却すべし」