東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

もっと丁寧に説明しなければいけない

2015-11-08 08:44:59 | 東アジアの悪友
前日のアップはいきなり横っ面を張り飛ばしたようなものでした。もうすこし丁寧に説明しなければ、と反省しております。

China 2049書評補足編1

この書はシナの情報戦略、機密外交政策の解説本の体裁をとっている。したがって一般書籍としてなにもかもさらけ出す訳にはいかないのは分かる。それを承知の上で最終原稿がまとめられたことは序文にも書いてある。CIAの関係部署複数で網羅的な査読を行ったと。それはいいい。

お化粧をしたりするのはしょうがない。しかし、結果が老女の厚化粧をしたようなみっともないことになってはいけない。この本の出版に関係した連中にはその手のエステティシャンはいなかったらしい。以下順不同で箇条書き的に気が付いたことを記そう。

*著者は読者を説得しようとして(あるいはオバマ大統領を説得しようとして)古代シナの古典、戦略書、歴史書、小説から多数の出典を引いている。著者のお勉強の成果なのだろう。これらの書籍のエッセンスは原文を読んだことのない(あるいは読めない:注)現代中国人の日常語に紛れ込み、使っている本人は出典等意識していないだろう。

それを現代シナの政治家、軍人はそれらの古典に精通している様に書き、彼らがそれに西欧人が聖書に頼る様に依拠してあるというが、チト大げさすぎないか。

そう言う言い回しは日常会話に使われる熟語として、ことわざとして日常生活にとけ込んでいる。日本の場合でも同じだろう。どこの言語、文化でも同様だと思う。いちいち数千年前の古典をひけらかす必要はない。それが滑稽だと言うのだ。
ちなみに著者が引いている古典は以下のようなものであった。
礼記、春秋左氏伝、三国志演義、孫子、資治通鑑など。
ここでのキモは論語なんか読んでも彼らの表通りの思考は読めないということである。

注:現代中国語は猛烈な略字が多い。それになじんで教育を受けて来た現代中国の政治家、軍人がシナの古典を読めると思えない。
日本の鉄道の駅等で駅名を支那語で併記してある所が多いが(これもチョン語も含めて止めて欲しい、街の美観のためにね)、例えば郷の時を辺だけに略してある。全部で数十画もあるような漢字を数画の辺やつくりだけに略す訳で、こんな字で教育された彼らがシナ古典を読める訳がないと思うが。

* 覇道という言葉がある。王道に対比されることばで無理矢理、力で相手を服従させることで、日本では小学生でもその違いは知っている。それを大発見の様に触れているのはおかしい。
アメリカの通訳は毛沢東の「アメリカの覇」という表現をアメリカのリーダーシップと誤訳したらしい。著者は「いや、通訳の間違いでやんした」と数十年後に訂正している。お粗末なはなしだ。しかもノーベル賞物の大発見の様に得意げに。
ところで初めて知ったが中共の憲法かなんかに「覇権主義を禁止」している文言があるというのだな。南沙諸島での行動は憲法違反じゃないか。シールズ君にも批判して欲しいね。

* 囲碁の話がしつこく出てくる。チェスなんかと違い相手の王様を倒すのではなく地面の分取り合戦で地面を沢山取った方が勝で(その通りだが)、これがシナの戦略的思考だと大発見をした様に書いている。よしてくれよ、いまさら、といいたいね。

ま、他にもいろいろ出てくるだろう、まだ80頁しか読んでいない。

* そうそう一番大事なことを忘れていた。著者はこの大戦略、つまり「おとなしいふりをしてアメリカをだまし、2049年までにシナがアメリカの地位を奪い取る」という戦略は1949年当時からの一貫した揺るぎない方針だったというのだね。そんな荒唐無稽なことが信じられるか。それはその時代、時代で弱い時には強い国にへつらって、自分に出来るだけ有利になる様に立ち回ったことはあるだろう。中共じゃなくてもどこの国でそうするんじゃないの。とにかく一貫して2049年を目標に世界の覇権を狙って来たなどという方針があったというのはどうかしている。

それは2000年代に入りトウショウヘイが始めた改革が思わぬ経済発展を齎し、アメリカに近づいた(語弊のある言葉だが)ここ数年、いけいけドンドンで古証文の皺を伸ばしただけではないのか。 >>