強い相手には向わない、弱い相手には屁理屈をこねて脅し付けごり押しする、これがシナ流である。沿海州は19世紀にロシアが清国から奪った土地であるのは周知の歴史的事実であるのに、ロシアには強く出ない。勝てないからである。
南シナ海や東シナ海では歴史的根拠も無いのに関係国が新興の弱小国か「戦争出来ない」という特殊な国内事情の「しばり」がある日本であるから無理無体を押し通す。大体南シナ海を実質清国が占有していた事実は全くない。だいたい、清国は日本と同様鎖国を国是としていた。さらに言えば清国は満州族が漢民族を植民地支配していた国である。したがって清国が勢力を伸ばしたチベットは満州族の植民地ではあったが、漢民族の支配が及んだことはない。
清国の前は自前の漢民族政権の明朝であった。この王朝は海洋進出に積極的ではあったが、海外進出の目的は通商であった。シナ人の通弊として交易相手にも形式的には朝貢という形を取ったことが有るかも知れないが、領土支配の証拠にはならない。当時日本も東南アジア諸国に交易船(ご朱印船)を多数繰り出していたが、文化的に朝貢という形式を取らなかっただけで、シナと同じことをやっていた。これがシナ固有の領土の証拠などというのは強盗の屁理屈である。日本が東南アジアに歴史的主権があるなどという恥ずかしい「寝言」を国際社会で主張したことはない。
さて北方の沿海州であるが、今後の国際情勢の風向きによっては日ロの経済協力によって発展するであろうこの地域に、中国がまたぞろ歴史的にシナの領土であると主張して南シナ海と同様の侵略を試みる可能性は高い。シナ人はヤクザと同じで利益の上がらないシマは無視するが、日ロ経済協力で目覚ましく北方地域が豊かに繁栄する地域になると南シナ海と同じ行動をする可能性は高い。そのためにも日ロの安全保障協力は不可欠である。