東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

法網をすり抜けるトランプ

2017-01-31 07:49:10 | トランプ

トランプの出身である不動産業では法律の編み目をすり抜ける技術(別の味方をすれば法律を悪用するノウハウ)が勝つ要諦である。 

無知な細民に盲判を押させて、あとでそれを盾に細民を攻め立てて無慈悲に身ぐるみ剥ぐのか不動産屋のパターンである。

大統領令の悪用がそれである。本来すべての政策は議会の審議承認を得て成立する。歴代の大統領は(ルーズベルトを除いて)その手順を原則として踏んでいる。オバマも何発か大統領令を発しているが濫用とまでは行かない。まず議会に諮って長時間審議して、合意の見込みなしと見極めてから案件の性質を考えて発している。

トランプの場合は法律があるから、大統領の権限があるからといって議会にもはからず、おそらく与党共和党にもはからずに、いきなり大統領令を発している。法律の編み目をすり抜けている。彼はうまくすり抜けたと思って得意になっている。

ヒトラーを連想させる。彼は合法的な選挙で首相に選ばれ、その後の独裁確立の過程でも表面上はすべて合法的な手順を踏んでいる。トランプも大統領令を発するという「合法的な」権限を巧みに利用している。

かれは相当の時間をかけて、かなり前からこのやり方を研究していた形跡がある。大統領になったからといって、其の前に相当の研究期間がなければああ矢継ぎ早に発令することは不可能である。

安倍さんも世界が見ている中で、あまりべたべたしたところを首脳会談で見せるのは逆効果になろう。