あるフミに曰く、山高きが故に尊からず。政権長きが故に評価すべからず。
安部さんが史上最長の政権であったことを国葬の理由のヒトツにあげていたようだが、間違いである。長期に政権を保ったというのは、いいかえると何もしなかったということになる。
勿論いろいろとしたんだろう。全然記憶にないが。政治なんてものはフワフワと日々湧いてくる問題を処理したり、身をかわしたりすることが仕事のほとんどだから、安部さんは身のこなしがうまかったということは言えよう。
自己の政治生命をかけて積年の課題を解決したという記憶はない。たとえば、自民党の結党以来の宿望である憲法改正はしようともしなかったように見える。勿論その周りをぐるぐると回ってアピール効果のある小細工はいくつかしたようだが、政治生命をかけたという印象は全くない、素人つまり一般国民には。そういう大切な問題から巧妙に身をかわしたから長期政権だったのだろう、と考えるのが妥当だ。