先月「希少種の国際貿易に関する条約」CITES:通称ワシントン条約事務局は、日本に対して象牙の備蓄購入の権利を与えました。かつては世界の象牙商取引の、60%を占めていた日本は恰好の市場なのでしょう。
購買力のある日本にこうした権限を与えることで、許可された数量に倍する象牙が日本の市場に出回ることは 、この国の通例である。
「北海道牛乳」が北海道から、府県に送られる2~3倍の量が流通しているということである。結局は、違法な象牙と法にのっとって輸入されたものの区別などつくはずがない。
アフリカ象は1980年代に100万頭いたとされるが、現在は45万頭ほどまでに減少してしまっている。今や象は、保護しなければならない希少種なのである。
日本には象牙の文化や歴史があるなどとは理由にはならない。印鑑や装飾品には十分な代替品がある。全面輸入禁止にしても良い品目である。
同じようなことを、最近のロシアの漁業関係者が発言していた。日本が、高額でかにを購入するために、千島列島やサハリンではかにの密猟が絶えないということである。日本が買ってくれなければ、資源の保護にもなると嘆いていた。よく似た話である。
何でも欲しがる日本。何でも高く買う日本。世界の環境や希少種の保護をも揺り動かす、日本の我が侭、少し我慢してみませんか。