10月のイラク人の死者が3600名を越えると発表された。これは一日にすると、120名を越えることになる。前回の本ブログ(24日)で述べた事件も結局は、200名を越える死者になった。
アメリカは今までに”2800名も”死んだと国内で大騒ぎしている。人間の命に軽重はある。イラク人は、アメリカにとってはくずのような存在でしかないのだろう。
イラクでは、最悪の事態が継続しているのである。内戦状態で、アメリカがテロと呼んだ武装勢力は、海外ではすでに”軍”と呼んでいる。単なるテ ロが、これほどの事件を起こせるわけがない。彼ら自身の多くは「レジスタンス」と自らの戦いを位置づけている。
バクダッドに軍隊が入ると、 フセインに弾圧されていたシーア派が、星条旗を持って迎えると思い込んでいた、アメリカには民族や宗教に対する視点がなかったのであろう。単に石油権益を求めた戦争といわれても、反論のしようがない。
今回の、ロシアの旧KGBスパイの暗殺にいち早く反応したのが、中東のメディアであることが意味することも同じである。自国が、最も優れていると思い込む自負心は、いとも簡単に世界を戦場にする。
第2次世界大戦後、40ほどの国際紛争の全てにアメリカは関わっている。更にその多くで主役を演じている。アメリカが優れているのは、戦力であり、情報量の 豊富さであり、資金力であり、科学技術力である。それらのトップの座を失う恐怖心と戦っているのであろうか。