複雑な社会の動きでも少し引いて考えると、あるいは大局的視点に立ってみると、見えてくるものがある。現在に至るまでの、社会の動きをエネルギーの転換とその功罪からから考える。
イギリスなど先進国の産業革命を支えたのは、石炭であった。加工の必要性 も少なく、採掘製品をそのまま使えたし、比較的使用国で産出されていた。
それが石油に代わって、産油国が中東などの遠隔地あるいは非先進国など集中していた。石油は採掘にも加工にも運送にも、高度の技術と資本が求められた。
あらゆる分野で、技術革新が行われた。超大国アメリカが石油利権を求めて、あらゆる分野でのグローバル化を、あらゆる国に求めるようになった。今では、石油は投機の対象にもなっている。石油の利用範囲、加工による利用範囲はきわめて広範に及び、エネルギー以外の利用も多岐にわたった。
その石油が、40年足らずで枯渇することが現実的なものになってきた。環境汚染の主役でもある。
現代は、石油文明の終焉を迎えたのである。温暖化やバイオエネルギーや自然エネルギーの開発などは、そのあがきが、世界各国で起きているとみれる。
そのように見ると、あらゆる面での多極化、地域化が起きているのである。世界を席巻する暴力機構ではなく、地域単位の特性をもった同盟関係が主流になり、農業などゼロエミッションの風土に根ざした小農や産業が求められることになる。
大企業が大量の商品を効率的に生産するシステムから、輸送を伴わない少量で廃棄物のない生産方式こそ、21世紀の産業の在り方であっるといえるのではないか。