ユーゴスラビアは、チトーというカリスマ的存在が6カ国を取りまとめて、国家の体裁を繕っていた。チトーの死後、東欧の歴史的変化もあって様相は一変し、内戦状態が続いていた。
中でも独立機運の強いアルバニア系が90%を占めるコソボ自治州は、99年より国連の暫定統治下に置かれて、戦火は収まった状態で今日なっていた。昨年11月の議会選挙で、第一党になった急進派の民主党のサチ党首が首相に就任した。
セルディ大統領率いる野党第一党の民主同盟との連合で、政権を安定させ今年度中に、セルビアから独立すると宣言した。ここまで10年近くなんとか治めてきた、国連も来るものが来たという感じだろうか。
コソボの独立をセルビアは認めていない。EUはコソボの独立を支援しているが、ロシアはセルビアを支援している。
旧ユーゴスラビアから、からは、すでにスロベニアが独立しEUに加盟している。冷戦後の世界は、アメリカの一極化の弊害から、今世紀になり多極化が急速に進行している。
ロシアのチェチェンや中国のウイグルやチベットなどやクルドなど民族色が強く、歴史的背景をもつ民族に権利を与えるべきでないか。
あるいは、国境のような高い壁を低く低くして、EUのような通貨統合に始まる、今までの国家観を捨て去ることが紛争解決にもなるのではないだろうか。大国が、利権とメンツを求めることより、少数民族の権利を認める時代になっているといえる。