新春早々、原油の値上がりが続いている。1バレル=100ドルを超えたそうである。
投機者の8割が国営企業である、WTIなる先物取引をやるところが実質的な原油価格を決めているとのことである。世界を動か原動になっている石油価格を、産油量や需要とは無関係のマネーゲーム屋が決めるのが納得できない。
ところで、石油は本当に高いのだろうか? 確かに高騰してはいるが、有限のこの恵みは後40年ほどで枯渇するとのことである。それに温暖化をはじめとする環境問題の根源的存在でもある。
石油は世界的な経済活動の根源になっているといえる。こんな大切なものが、僅か100ドルであることとの方がおかしくないか。解りやすく、ガソリン価格と比較してみよう。
ガソリンは、リットル当たり155円になった。一年前の50%近くも値上がりして高くはなった。
比較が難しいのであるが、同様の液体でみると牛乳の市販価格が200円程度である。ジュースや炭酸飲料もほぼこれに似た価格である。
牛乳は、完全栄養品といわれながらも、スーパーなどでは目玉商品にされ、おひとり様一本などとして150円ほどで売られたりもする。何処かの湧き水などを詰め込んだものを"名水”などと称して200円程で、平気で販売されている。
中東から大量に運搬されてくるガソリンがキロ150円なら高くはないだろう。何割もの廃棄物になる、食料用の飲み物に比べて、ガソリンはほぼ全量使用される。
誰もが利用する車を動かし、電気を生産し道路の舗装に最後は使われる。工業に限らず、公共の乗り物や家庭で存分に使用されている。
ここで、一般の消費者が怒るのを承知で、敢て声高に言ってみよう。「石油は高くはない」。
今までの価格が、石油の価値に比べて安すぎたのではないか。安すぎたために、大量消費を平気で行なったり、気軽に消費しすぎたことが、温暖化の原因大きな要因にもなっている。
この程度かもう少し高い方が、地球にも優しくなれるし、新たなエネルギーを開発する力にもなる。石油は決して高くはない。価格をとやかく言うよりも、もっと大切に使うことのほうがよっぽど重要なことである。