そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

どう出るか農協

2009-09-23 | 農協 食料自給率

労働組合畑の赤松広隆氏が農水大臣になった。鳩山新内閣で最も弱いところでないかと思われる。記者会見の様子を見ても、かなりちぐはぐな発言が見られる。今回の総選挙で、西川公也などの自民党の農政通の多くが落選した。ほとんどいなくなったと言ってよい。

旧与党の自民党の農政通うとは、農協と仲の良いことであると言える。多くの農業の実態を把握しているし、実態にも明るい。そのために、農協とは政策の実行に当たっては表裏の関係にあった。民主党の候補が今一つ頼りないことが幸いしたのであろう、北海道で唯一勝利した当地でも農協がかなり動いた。しかし、その農協の幹部が戸惑っている。

民主党は農協の支援を得ていない。農協外しの政権獲得である。農協は陳情先がないのである。基本的に民主党は、党として農協の陳情を受けないようである。この際、何かと批判の55あった農協も、これまでの自民党一色の体制を考え直せばいい。何か補助事業があると必ず、農 協が窓口になる。農家の要望も農協が取りまとめて、政権と話し合う構図であった。

JA中央会は困惑の中にある。暗中模索とのことである。例えば、減反政策にしても、農家の取りまとめを地域として行い、その見返りとして様々な転作補助金を引き出していた。そうした関係が、米価を下げ生産意欲を削ぐ結果になっているのである。

日本の農政の特徴は複雑に入り組んだ補助事業である。民主党はこれらを気品的に見直すようである。代わって導入するのが戸別補償制度である。農家生産額と市場価格との差を補償するのである。

民主党は、戸別補償を農協を通さずにやるようである。子育て支援同様、一律にやることを考えているようであるが、農家の場合可処分所得が一戸で5千万円を超す農家も出ているが、彼らにも支払うのであろうか?高額所得者を政策支援するのは、政治ではない。そうした実態把握は農協の得意とするところであるが、民主党は取り込むことができるのであろうか。労組出身の赤松大臣の手腕の見せ所である。

戦後農政の秩序としてないり立っていた、自民党と農協の関係が危うくなっている。自民党がいなくなったも同然である。それでも自民党に頼るのであろうか。いずれにせよ今回の、政権交代で最も困惑しているのは、農協であると言える。

コメント (1)
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