世界の目が国連とG20に向いている間に、アフガニスタンとパキスタンの情勢が悪化している。アフガニスタンは、アメリカが9.11の報復として、タリバンの掃討に出たのである。空爆の爆弾に、9.11の犠牲者の名前を署名して空爆をしたりもした。正当とは思われなくても、アメリカにはそれなりの理由があった。
ブッシュはそそくさとアフガニスタンを、EUに任 せアメリカの主力をイラクに投じた。フセイン憎しの、長年の怨念の戦争であった。侵攻理由は全てが虚偽であったことが今は解っている。こうしたことを受けてオバマは、イラクからの撤退を早くから表明していた。アメリカの主力をアフガニスタンに投入すると、就任前から宣言していた。
ブッシュが掃討したはずの、タリバンが今やアフガニスタン全土を覆う現状にある。イギリスなどのEUの多国籍軍(ISAF)は、いくら戦っても成果がが上がらず、厭世気分にある。アフガニスタンと事実上区別がつかない、パキスタン北西部でも、タリバンの勢力が復活しつつある。今日も警察を狙った、車による爆破があり10名以上が死亡している。昨日は連続爆破で150名もの死者が出ている。
先日ラジオで、中東の民生支援をやっているNGOの責任者の方が、日本に対する現地の人々の評価がとても高く、誇りに思っていると言われていた。が、彼らのほとんどが日本がインド洋上で給油活動をして いることを知らない言うのである。日本は軍隊を持たず、戦争に負けても経済復興した国家として尊敬を集めているが、アメリカを支援していることなどとても言えないというのである。
現在のアフガニスタンやパキスタンの状況を考えると、いかに武力が無力であり、人々の心を屈服することができないかが解る。翻ってNGOによる、民生支援が彼らに地味ではあるが、いかに希望を与えている解るのである。
日本は何をすべきか、国際貢献とはないかを今一度考えたいものである。旗を見せよと言われ、そそくさと自衛隊を派遣した小泉の選択犯罪に近い行為であったかが今になって判るのである。日本には焼け跡から復活した歴史がある。アフガニスタンやパキスタンを支援するための好位置に、軍隊を持たない非キリスト国家でもある技術大国日本はいるのである。