そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

せっかく落選したのに

2009-09-01 | 民主主義

090831 今回の総選挙で、せっかく小選挙区で落選させてもらったのに、比例で当選した人たちがいる。いずれもが自民党の、大物といわれる、自民党が下野する原因となった議員ばかりである。

小泉の偉大なるイエスマン武部勤、自民党最大派閥の領袖元官房長官町村信孝、小泉改革の推進する最大の司令塔元官房長官中川秀直、郵政民営化反対を唱えて当選後翻意して自民党に戻った元郵政大臣野田聖子、現職の閣僚与謝野馨財務・金融担当大臣、女性極右翼の高市早苗、小池百合子ほかに額賀福志郎甘利明伊吹文明鴨下一郎などいずれも自民党の中枢にいた古株である。

彼らの続けてきた手法が誤りだったことに気が付いていない。一年ごとに政権を投げ出し総理を12カ月で入れ替えてみたり、総裁下ろしに明け暮れたり、民意を問うことなく翻意したり、あっさりそれを受け入れたりとやり放題だった。そのための、小選挙区での落選である。

従来の政権運営手法に辟易とした国民の解答といえる。それは、残念ながら当選してしまった、森喜郎の言葉に見ることができる。彼は最終日に声をからしながらほとんど涙声で「私は皆様方に良い政治を長年続けてきた。小娘(とは言っていないが)をぶつけられたこの選挙はおかしい。」と自分を評価しない選挙民への当てつけや小沢への怨みを言っていた。

GDPがプラスになったから、国民は評価してくれるだろうと解散総選挙に打って出たが、その直後に最悪の失業率の発表があった。このギャップこそが、小泉・竹中の構造改革の本質である。良い政治は大企業に行われて、一般国民には無縁のものだったのである。選挙後半は、小泉構造改革の行きすぎもあったと、麻生は修正したが言葉でしかないことは見抜かれていた。

小選挙区比例代表制は、小選挙区落選の受け皿になって、小選挙区でせっかく落選してもらった国民の声を裏切ることになる。何とも理解できないこの矛盾を解決しなければならない。

それにしても、民主党の当選者308名のうち、初当選が実に143名もいるのが気にかかる。ほとんど半数に近い。この人たちが、官僚の巧みな言葉や文章を見抜くことができるであろうか。民主党の大きなエネルギー源でもあり、最大の弱点でもある。

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