アメリカのウオール街で始まった、金融業に対するデモが広がっている。「われわれは99%である」が共通の認識になっている。格差社会への不満の表れである。
ごく一部の特定の人が、儲けている社会に対するデモである。9月の下旬に始まったデモは、日に日に大きくなっている。支援する人たちも目立つようになっている。退社した人たちが加わりやすい時間帯に、デモは連日続いている。
反金融社会への動きは全米に広がり、100箇所ほどで起きている。共和党を支持する不特定の運動、ティーパーティーに対する位置づけ もあった湯小田が、民主党を特段支持しているわけでもない。不特定の人たちの動きである。オバマは取り込みをやっては見たものの、全米に広がりその思惑は外れている。
格差社会への不満は、世界に広がりをはじめている。15日では一斉デモが呼びかけられて、イギリスやオーストラリア、フランス、日本などでもこれ呼応した。
この運動の初期の発想は正しい。何も生産することなく、儲け筋を探す だけで大金が転がり込む資本投資が、巨大な利益を生む。これは、明らかに労働に対する対価としてある、収入とは明らかに異なる。
資本主義社会がこれほど、一瞬にして世界を席巻する時代でなかったころは、彼らは単なる金貸しである。社会のつまはじき的存在でしかなかった。その方が、まっとうな扱いである。
それが今や、平気で通貨危機を起こしたり、リーマンショックなどを起こし、世界を混乱させる存在になっている。その間にも、儲けることだけには、怠りがない。
資本は巨大化することを命題にした存在である。そうした意味でも、格差社会は、人災である。今日も貧者に降り注ぐ。