シリアにアル・カイダが入ったようである。シリアの内戦は、政府側と武器を持っていない反政府側の戦いであった。しかも、一方的な政府・アサドの殺戮的な内戦であった。
国連も、シリアに軍事基地を持つロシアと、何かと欧米に異議を持つ中国の反対で、国連決議もできない状況である。
反政府側は、リビアのように空爆を欧米に懇願を繰り返している。欧米は、リビアのように石油資源がなく、遠隔地であって、しかもイスラエルとの関係を恐れ、軍事的支援を躊躇している。
国連の停止団もわずか数十人を派遣するに過ぎない。アナンの調停も無視されたままである。
それでも、アサドの40年続く世襲政権に不満を持つ、反政府勢力との戦いで、ある意味単純な構図であった。
一昨日ダマスカスで起きた自爆テロは、明らかにこれまでの反政府勢力の戦いと様相が異なっている。反政府勢力も、政府側の自作自演であると、コメントしている。
しかし、一度爆発させ人が集まったところで、さらに大きな自爆が起きている。これらの爆薬は優に1トンを超える。
犯行声明はないが、アルカイダの手口そのものである。首都圏に反政府勢力は、これほどの爆発を行うような実力も拠点も持っていない。
これでによって、中東はさらに混乱に陥ることが懸念される。アサドが追放されても、されなくてもシリアは出口がなくなったのである。