停止中の日本の原発を再稼働させたい。野田政権はついに大飯原発の再稼働を決断した。夏に向けてのタイムリミットまで待っての決断である。
大飯原発が再稼働に向けて、物理的で具体的な対策をしたからではない。福井県知事の、政府が責任を持ってくれという言葉に促されて、踏み込んだ決断である。
政府が責任を持つというのは、補助金をいっぱいもらえるということである。沖縄のようにである。これは、民主党が否定していた自民党の手法である。
細野担当大臣が、検査院の増員や、稼働6週間は副大臣か政務官を常駐させる、テレビ会議を頻繁に行うなどして、連携を緊密に行うなどと対策を発表した。
原発の対策ではなく、管理や周辺の人的な対策でしかない。首相は私の責任で稼働させると、福井県知事に答えたのも同じである。原発は何も変わってはいないのである。
そこで、今回は暫定稼働であると答えている。来週明けにも四大臣会議を開き、何とか免罪符を得ようとしている。
暫定稼働に踏み切ったとしても、民主党は原発に対する長期的な展望を持っていない。エネルギー政策全体をどうするかまったく、民主党は持ち合わせていない。自民党は、自らが推進してきた経緯もあって、急速な転換に踏み切ることができない。
六ヶ所村ともんじゅでの最終処分場と再利用としているが、これに6兆円以上使用されている。しかもこれらは稼働もしていない。いまさら暫定稼働でもあるまい。こうした無駄に何も手を加えず、原発は再稼働する。政府も行政も再稼働する。