プーチンが汚い選挙を勝ち抜き、過去最大のデモを受けながら、大統領に再就任した。プーチンが支持される理由は、彼が行った強権的な政治による、崩壊していたロシア経済を立て直したことである。
多くの国民がそのことに期待を持っている。しかし、その一方で反対勢力や民族を徹底的に弾圧し、殺戮を行ってきたことについて、ロシアの人はあまり違和感を持っていない。
ソビエト時代から彼らは、権力者には平伏する風潮がそのままなのである。
中東の春などは、ロシアにとって大きな教訓である。自由を獲得して混乱に陥り、社会不安と経済の停滞が起きるより、強権の圧政を受けている方が楽なのである。
中国にも同じようなことがいえるが、民主化や表現や言論の自由などは、少々我慢するつもりなのである。長年の社会主義体制は、抑圧されることに慣れてしまっているのである。
ロシアは、Bricsへのウエイトを大きくしながら、アメリカ経済と軍事体制に対抗する国家を目指している。それはかつてのソビエト国家の再来にも思える。
プーチンは就任演説で、内政干渉の横行を強く訴え、国家体制にの維持を打ち出している。シリアの現状と、リビアに強く関わった欧米を非難している。
その一方で、ロシアには口を出すなとも主張しているのである。強権による圧制で作り上げた前政権から、世界は大きく変わっている。
これからも、世代交代したロシア国民は自由や民主化よりも、経済成長や国家の威信を求めるのであろうか。