かつてこの国の思想的政治的に先導的に存在していた、全学連(全日本自治会総連合)がついに消えてしまうようである。
戦後日本共産党の下部機関として、全国の大学の自治会の連合体として存在していた、全学連である。60年安保闘争を目前に、闘争形態を巡って四分五裂した。
その分裂も、共産党の闘争方針を反映したものであった。非
共産党系の全学連は、60年安保闘争の先頭に立ってもいた。国会周辺を取りかこんだ、「ZENGAKUREN」は、そのまま国際語として通用してもいた。
非共産党系は、日本共産党を離れた共産主義者同盟に社会党系左派を加え、暴力集団となってより一層先鋭化していった。全共闘運動から、赤軍派へと社会を大きく驚かせた闘争は、人々から大きく離れた運動であった。
あれから40年、どうやら現在は5つほどの集団の全学連があるとのことであるが、大学の自治会の拠点を持つ集団は、民青系を除いてほとんどない。
革マルや中核はそれに社会党左派系の集団が名乗る、全学連は過去の栄光を自らの政治活動に利用しているのにすぎない。その活動もほとんどなきに等しいものとなっている。
現在共産党系の民青が東大を拠点として、僅かに活動を続けていた。しかし、活動資金などを巡って、共産党に決別を告げたようである。共産党が党内に、全学連の名前だけを残す可能性もあるが、党勢が下降する現在そうした選択もないであろう。
今年中に全学連と称する集団が事実上消えてしまう。事実上はもっと以前に消滅していたともいえるが、60代以上の人は多くの人は、全学連の消滅に何らかの感慨があるはずである。