今日もっとも気になった、北海道新聞の記事である。現役米兵の今年の自殺者が、6月3日現在で154人に達し、アフガニスタンでの同時期の戦死者124人を上回った。
戦闘による死者数よりも、自殺する兵士のほうが多いとは信じられないことであるが、これがこの戦争の本当の意味を語っていると言える。
オバマは、「責任ある終戦」とよく判らない言葉で、アフガンからの撤退をスケジュールにいれている。
アメリカがアフガニスタンに軍事介入して、この国が少しでも良くなったのだろうか? あるいは、アメリカが唱えるテロは減少したのか、その原因は除去されたのだろうか?
答えはすべてノーである。この戦争が意味ないことは、自殺する現役の米兵の数が物語っている。自殺者は、2005年ころから増え始めた。侵攻当初は、戦争の意味を何とか見出そうとしていたのであろうが、その根拠を兵士が見失ったのである。
前線派遣によって生じる、心的外傷ストレス障害(PTSD)が、自殺兵の主な原因と言える。ぱねった国防長官は「緊急の問題である」述べているが、休戦以外に解決策もない。
同じことはイラクにも言える。
アメリカが軍事介入することで、国内は一層不安定になり、宗派間対立や政治対立が一層過激になり、週に一度は数十人単位の死者が発生する事件が起きている。
9.11の同時多発テロを、ブッシュは軍事的に解釈しただけである。アフガニスタンそして念願のイラクに侵攻した。しかも無根拠の理由によってである。
アルカイダのような、暴力団体がどうして発生したのか、アメリカに何をどうして要求するのかを、今こそ真摯に考える時なのではないか。