そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

原発の抑止力を取り入れた

2012-06-22 | マスコミ報道

原子力規制員会設置法の附則で、原子力基本法の基本方針が変更された。原子力憲法と言われる、基本法の変更は34年ぶりである。

ほとんど論議もされない変更で、何の論議もなく民主・自民・公明によってひっそりとおこなわれた。

基本法の変更は、末尾にある付則の一二条に盛り込まれた。原子力の研究や利用を「平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に」とした基本法二条に一項を追加。原子力利用の「安全確保」は「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として」行うとした。※Jiji webより

最も重要な部分は、「安全保障に資する」という件である。自民党の要請によって、修正協議の段階で入れられた。これは何を目指しているかというと、核サイクルの思想を何とか残そうとする目論みである。

原発稼働の過程で、日本はプルトニュウムを取り出してこれを再利用するとしているが、プルトニュウムは何時でも核兵器に転用できるものである。

1970年代には、アメリカは日本の核サイクルに強く反対していた。日本の核兵器の開発を恐れたからである。事実佐藤栄作の内閣で、核兵器への転用が検討されていた。

世界各国も、そして自民党時代にあっても、原発は核抑止力としても機能していると、様々な言い回しをしながらも述べられている。原発を平和利用と装いながら、核兵器の開発を目論んでいたのである。

湯川秀樹らの7人委員会も、核開発の危険性を訴えていた。

まさに、安全保障に資するとは、こうした核開発としての抑止力を認めよと、ひっそりと文言として盛り込んだのである。

今回のもう一つの問題は、設置法の附則という形で、より高度な原子力基本法を変更してしまったことである。

自民党の国会議員に、こんな細かいことができるわけがない。核開発を望む官僚の作文であり、彼らの仕掛けである。

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