そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

何ともやりきれない事件

2012-06-21 | マスコミ報道

札幌で77歳の奥さんが、同年の夫と50歳の娘を殺害して、自らも手首を切って重傷を負っている。数年前にがんの手術を受け、夫は介護が必要になった。

元看護師の妻は寝たきりの夫の介護に疲れ、夫の首をひもで絞めて殺害したという。体調の良くない娘もついでに私も殺してと、乞われて同じくひもで絞めて殺害したというのである。

何ともやりきれない事件である。毎年類似の事件がこの国のどこかで繰り返されている。仲の良い夫婦であったと、近隣の方の証言がある。単なる殺人と扱ってもらいたくない。

新藤兼人の、映画「午後の遺言状」の参考になった、NHKのドキュメンタリー番組があった。認知症になった妻と旅に出た夫は、金をすべて使い果たし日本海の海へと二人で入水して死を選ぶのである。番組は、高齢の夫が周到に準備し、資産を清算した経緯を、残された資料で追っていた。ある意味人間の美学すら感じさせる、夫婦の番組であった。

さらに進行する高齢化社会では、今後こうした事件が増えることになるだろう。加害者を罰した所で何の意味もない。加害者に事情を聞いたところで何が変わるでもない。事件を肯定するつもりはないが、法律が罰せる範囲を超えた事件である。

とてもやりきれない事件である。

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