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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

価格競争に追い込んで、今更安全もないだろ

2016-01-22 | 市場経済
1月15日深夜2時ころ、長野県軽井沢町の国道18号入山峠付近で、スキーツアの客39人を乗せたバスがガードレールを倒して道路下に転落した事故は、運転手2名と13名の乗員が亡くなる悲惨な事故になった。死亡したのはすべて大学生だった。センター試験で大学が休みになっていたことも背景にあるが、残念でならない。
小泉改革に始まる、過当競争を煽る新自由主義社会の規制緩和の結果ともいえる。運転者はほとんど大型車の運転経験のない、高齢の非正規雇用者である。運行会社の「イーエスピー」は、採用面接で「大型バスは苦手、不慣れだ」と訴えていたにもかかわらず、運転技術の確認をせずに採用していた。こうした人件費の抑圧て、車中一泊の格安ツアーが支えられている。通常の半額に近いといわれている。
事故を見ても峠を抜けて下りになって加速したてコントロールできずに路外に突っ込んだものと思われる。未熟運転の跡が見て取れる。40人もの命を預かっているプロの仕事とは思えない。
安倍政権はデフレ脱却を掲げてはいるが、デフレはこうした一方的な規制緩和、競争原理優先が生んだことである。今のところ些細な事故が頻繁に起きているだけであるが、格安航空(LCC)などはその典型である。安いのはそれなりの理由がある。そして私たち僻地の物が決して容認できないのは、そうした格安案件は利用者の多いところだけで行われていることである。やがては航空運賃全般の価格が下がり僻地の空港が閉鎖されるのである。
安価な農産物は大量生産され、大量の化学肥料や農薬が散布される。土壌や生産物の健全性を求める農民が、正当な対価を求めれが市場から外されることになる。安いのも理由があるのと同様に、高いのには理由がある。
あらゆるものを「価格」だけで評価するのが市場主義であり、新自由主義なら新たな問いかけをしなければならない。デフレは新自由主義が生んだものであり、危険な社会を作り出したものである。TPPも同様である。価価格競争社会を政策的に作っておきながら、今更デフレ脱却も安全性もないだろう。
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