そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

不法でないが不当であるタックスヘイブン

2016-05-21 | 市場経済
先日フランスの PREMIERES LIGNES 社製作の、「パナマ文書」というドキュメンタリーを番組見た。副題に”史上最大のリーク追跡の記録”とある通り、この文書の公開にはかなり長い時間と周到な準備がなされていることが判った。ドイツの南ドイツ新聞ややイギリスのガーディアン誌など欧米の記者たちが大勢取り組んで公開に踏み切ったのである。
パナマのモサック・フォンセカという会社であるが、日本で言えば公認会計士のようなもので、会社の登記をやっているところである。社長のラモン・フォンセカ氏はパナマ与党の党首である。番組では彼の政治的立場などは紹介されなかったが、政治的権力を持っていることは容易に推測される。
番組では、モサック・フォンセカ社は守秘義務を盾にほとんど応じてくれず、書面にある登記事務所を訪ねたりするのであるが、殆ど実在しなかったりモンセカ社の地方などの事務所だったりするのである。数百の会社の役人を兼任している女性を探し当てると、何の変哲もないそのあたりのおばさんだったりした。彼女はモンセカ社の社員のようであった。
番組では顧客に成りすまして、ペーパーカンパニーを試しに設立してみたが、いとも簡単に簡便な手続きだけで可能であった。そりゃそうだろう、それが仕事だからとはいえ、支店などはもちろんのこと自由に口座を世界各国に設けることもできる。
これは番組で知ったことであるが、アメリカのデラウエア州では州外で活動する会社の場合には非課税というところもあり、大いに税逃れに利用しているとのことである。
こうした行為は合法であるとはいえ不当である。一般庶民があくせくと納税をする一方で、巨大資本は税逃れのためにこうした制度を利用するのは何らかの規制を加えるべきである。
番組では、1150万件の名簿の公表で、タックスヘイブンの終焉になることを望んでいると結んでいた。弱小国が国家の生き残りと存在感のための制度を簡単に放棄するとは思えないが、何らかの取り組みを期待したいものである。
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