昨年一昨年と私たちの地域の酪農は、まるでバブルが起きたように好景気でした。政府の様々な財政支援もあるりますが、なんといっても世界的な牛肉不足が背景にあります。単純ではないが、大きな要因は中国です。裕になった中国が突如として牛肉を、世界各地で買い漁るようになったのである。世界的な牛肉の不足が起きている。それが牛肉価格を釣りあげる。結果日本の酪農家が潤うというのです。
酪農について少し基本的なことを述べます。酪農家は牛を飼って牛乳を搾りますが、乳牛といえども分娩しなければ泌乳しません。通常はほぼ14カ月ほどで次の子を産みます。酪農家にとって搾乳とほとんど同じように授精は大事なことなのです。
ほぼ半数が雌ですから、跡継ぎの乳牛は母牛の常時30%ほどいることになります。
府県ではこの乳牛に、和牛を授精したり和牛の受精卵を移植したりします。酪農家からでるオス牛はあまり質の良くない肉牛として売却されます。このオスの子がこれまでは2万円ほど、最低の時には5千円ほどでしたが、今は10万にもなって売られてゆきます。
府県などでは、和牛を授精したり受精卵を移植するので後継の乳牛が不足します。そこで、これから初めて子供を産む未経産牛が、これまで40万円ほどせいぜい50万で売却されていました。それが70万円以上もするようになったのです。おなかに和牛の受精卵でも入っていれば100万円もするようになっているのです。こうした若牛の孕みを売れる北海道の農家は、大変収入が増えることになったのです。おまけに本業の牛乳の販売価格も好調です。
それでは酪農家は笑いが止まらないということになっているかというとこれがまた別の問題を抱えているのです。何しろ農民の高齢化と後継者不足は深刻な現実があります。高齢の酪農家にとって、牛の値段がいいということは辞めるのに都合がいいのです。100頭も牛がいれば、平均で20万円ほど値段がいいのですから、今辞めて牛を売れば2000万円も収入が増えるのです。増えた分だけでも、通常のサラリーマンの退職金に相当する金額です。これほど好景気な酪農ですから、離農者が増えているのです。牛の値段がいいということは離農の絶妙のタイミングと言えます。長年苦労してきた酪農民への報酬ともとれます。
北海道では農民の減少が深刻です。限界集落があちこちにあります。私たちの町のように、乳量が増えることばかりを追求してきましたが、本当は人が増えることを求めなければならなかったのではないか。そうしたことが、若い人を都会へと後押しするようになった。酪農が順調であるからこそ離農者が増える現実に複雑な気持ちである。
酪農について少し基本的なことを述べます。酪農家は牛を飼って牛乳を搾りますが、乳牛といえども分娩しなければ泌乳しません。通常はほぼ14カ月ほどで次の子を産みます。酪農家にとって搾乳とほとんど同じように授精は大事なことなのです。
ほぼ半数が雌ですから、跡継ぎの乳牛は母牛の常時30%ほどいることになります。
府県ではこの乳牛に、和牛を授精したり和牛の受精卵を移植したりします。酪農家からでるオス牛はあまり質の良くない肉牛として売却されます。このオスの子がこれまでは2万円ほど、最低の時には5千円ほどでしたが、今は10万にもなって売られてゆきます。
府県などでは、和牛を授精したり受精卵を移植するので後継の乳牛が不足します。そこで、これから初めて子供を産む未経産牛が、これまで40万円ほどせいぜい50万で売却されていました。それが70万円以上もするようになったのです。おなかに和牛の受精卵でも入っていれば100万円もするようになっているのです。こうした若牛の孕みを売れる北海道の農家は、大変収入が増えることになったのです。おまけに本業の牛乳の販売価格も好調です。
それでは酪農家は笑いが止まらないということになっているかというとこれがまた別の問題を抱えているのです。何しろ農民の高齢化と後継者不足は深刻な現実があります。高齢の酪農家にとって、牛の値段がいいということは辞めるのに都合がいいのです。100頭も牛がいれば、平均で20万円ほど値段がいいのですから、今辞めて牛を売れば2000万円も収入が増えるのです。増えた分だけでも、通常のサラリーマンの退職金に相当する金額です。これほど好景気な酪農ですから、離農者が増えているのです。牛の値段がいいということは離農の絶妙のタイミングと言えます。長年苦労してきた酪農民への報酬ともとれます。
北海道では農民の減少が深刻です。限界集落があちこちにあります。私たちの町のように、乳量が増えることばかりを追求してきましたが、本当は人が増えることを求めなければならなかったのではないか。そうしたことが、若い人を都会へと後押しするようになった。酪農が順調であるからこそ離農者が増える現実に複雑な気持ちである。