そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

自民党憲法草案の解説書、大きな人権と小さな人権

2016-05-24 | 平和憲法
自民党憲法草案の解説書が唱える、「大きな人権」と「小さな人権」の言葉遊びに見える憲法草案の、戦前回帰への国粋主義の本質がみてとれる。毎日新聞のnetによれば、(原文はネットで削除されてみられない)人権には財産や国家などを伴う大きな人権と個人のレベルのいわば我が儘ともとられかねない小さな人権が存在するというのである。
人権がこのように分割されたり、異なるレベルで比較されるとは初めて聞いた概念である。解説書は、人権は産まれながら誰もが持っているとする、西欧の天賦人権説に基づく規定は改める必要があるとしている。この自民党の憲法草案は全体に、国民は国家の命ずるところに従い、公共の益に従うような位置付けてになっている。
解説書の大きな人権とは、緊急事態や財産などを伴うなどと解説するが結局は、国家そのものを指すのである。つまり大きな人権とは、些末な個人の人権(小さな人権)の集合体であるかに見せるが、実体として人権と言われるものは存在はしない。
さらには大きな人権の前には小さな人権は侵害されることもあるというのである。大きな人権が虚構であるために人権そのものが侵害されることになる。草案は基本的人権を国家という機構の元では認めないのである。大きな人権と小さな人権というあたかも存在すような虚構は、国家へ服従させるための引用でしかない。
コメント (2)
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