どうも違和感があるのが、戸主制度である。安倍晋三がチンケなコロナ対策として打ち出したのが、マスクの配布である。いまだに来ないしなんのお役に立つのかも理解できない。このマスクは家族に配布されるものではない。世帯主に二枚配布されるのである。
一人に10万円配布する金も動きはないが、これも個人に配給されるものでもない。住民基本台帳に記載されている人全員が対象になり、世帯主の口座に振り込まれるのである。
住民基本台帳(戸籍)には世帯主がいてその他については、世帯主との関係者が記載される。配偶者とか長男とか母とか関係が記載されている。世帯主とは、「世帯の中心となる人、世帯の長、所帯主」とある。男女の規定はないが通常は男子が世帯主となる。これは色濃く農村には残っていて農協組合員は特例を除き、世帯主がなる。
最近の女性進出は著しいものがあり、女性社長や起業家や各地の町村市議会議員も、多くの女性進出がある。しかしながら、世帯主制に準じている農協組合員には、殆どの例外を除いて女性はなれない。農協運営には女性は関わることができない。社長も市長も女性はなることがあっても、農協組合員にはまずなることができない。例外的に監事がある程度かと思われる。
自民党の国会議員に女性が極端に少ないのは、日本会議の存在がある。家長制度を重んじる日本会議会員でなければ、出世ができないからである。こうした考えは、今回の特別定額給付金配布にもその思想が反映されている。
歴史的にも民族的にも最も近縁な韓国では、子供が父親の姓を名乗る「父姓優先主義」を廃止するため、家族関係登録法なその関連法の改定を行うことになった。法務省は、関連法制の改善案を用意し、女性や児童の権利や利益の向上と、平等で包括的な家族文化の攻勢に向けて努力する」している。韓国は2005年に、男性が絶対的に優先されてきた戸主制が民法から削除されている。
今回の新コロナ感染対策でも、2月に安倍晋三は韓国のやり方を見下す発言を繰り返していた。韓国からPCR検査キットや情報などの提供を拒否したり中国からのマスク提供にも消極的な対応しかしていない。韓国は日本の植民地時代の家長制度を時代に合わせて見直している。
日本は前世紀の遺物ともいえる、世帯主制度を残したままで、父系優先社会をいまだに質そうとしない。