そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

専門者会議を権力者内に置くことが間違っている、彼らは何かを待っている

2020-05-05 | 安倍晋三

上の絶望的なグラフをご覧いただきたい。4月28日のOECD内1000名当たりのPCR検査人数である。日本は下から2番目である。抗体獲得を戦略に据えたスウェーデンの5分の一以下である。
昨日の安倍晋三の朗読の時間はともかくとして、専門者会議の記者会見は最悪であった。PCR検査が進まないのは、SARSなどを経験していないからだとか、現場では大変苦労しているとか、出来ないことの説明、言訳に終始している。政府が保健所を削減したとか、検査基準や自宅待機などを巡って逡巡するばかりである。しかもそのことへの反省も対策も出てこない。
緊急事態解除の基準を、累計患者数が一定以下になったらとか、感染経路不明の患者数が一定以下になったらというものであった。数字がなく形容詞「一定の」という、不可解な言語、どうにでも取れる飯間w市で説明をしている。
ある臨床医は、PCR検査が抑えられているのは、「御飯が出ているのにお箸がない状態で食事をしろ」言っているようなものだといいった。肺炎症状の患者が来てもPCR検査ができないので、院内の対応も治療方針も立たないというのである。
日本より遅く初発患者が出ていた韓国は、徹底的なPCR検査を行って、それでも日本の10倍程度であるが(上のグラフでも下から12番目である)、今日から無観客であるがプロ野球が始まっている。韓国が始めたドライブスルー検査を、パフォーマンスだとか日本では医療法に反してできないといっていた評論家もいた。韓国を見下した安倍晋三の意向が反映されている。
最近行われている抗体調査は、不顕性感染者(感染してはいるが症状がないか弱い個体)の存在が明らかになっている。野に放たれた状態の不顕性感染者は自覚がなく、ウイルスをまき散らすことになる。クルーズ船ダイヤモンド号の不顕性感染者の部屋からウイルスが検出されている。
政府のご都合に合わせて提言することになる、政権内の専門会議など意味がない。政治家に都合が悪いことであっても、科学的根拠を盾に提言することができなければ存在意味がない。政権に批判的な提言ができないのは、委員会解散後に甘いポストが保障されているからに他ならない。とりわけ安倍晋三の場合は、忖度してくれた取り囲みは、出世が用意されているから、うかつな態度がとれないのである。
専門者会議は、権力者から独立していなければならない。その結果が貧相なPCR検査の実態である。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港