「コロナのインチキが世界的にバレていく」とネットで叫んでいる、経済学者(政治学者?)がいる。田中宇という人物で、得意の語学力を駆使して世界情勢を分析されている。とても貴重な資料の紹介などに基づく分析などには頭が下がる。しかし何といっても門外漢。的外れなことが多い。しかしながら、多くの疑問を抱く人たちの感情に沿った、田中らしい分析であるといえる。
PCR検査がほとんど無効のような捉え方は大きな間違いである。特定品種のその品種に特徴的なDNA配列さえ的確であれば、陽性反応は間違いなく陽性といえる。ウイルス濃度や生体側の反応などはほとんど関係ない。PCR検査には濃度を判定する側面はない。ウイルスの破片でも反応するという表現は、ウイルスという物質が生命を持つまでの事をあらわすなら間違った表現である。
ただ死者の数を持病を持つ人も入れているとか、高齢者も算入しているとかはほんとかもしれないがその判別は難しく、各国で異なる。そのため死者のデーターの比較は参考程度にしかならない。しかし、コロナで死んだ人物はごくわずかであるとは恣意的な推測でしかなく、ましてやワクチン開発など意味がないというのも言い過ぎである。しかし、これほど急いだワクチン開発は必ず問題を起こすことにはなると思われる。抗体の獲得傾向や変異株や民族間での効力に差が生じることになるだろう。それを巡る評価が政治的に行われる可能性も高い。政治的にワクチンが開発されるからである。
ただこのウイルスは後年度のように分類されるかわからないが、これまでとは大きく異なる側面を持っている。あまりにも変異速度が速く、民族か地域か風土かあるいはウイルスの型か判然としないが、病状の変化や抗体の獲得など、余りにもバリエーションの振幅が大きく、専門家の予測を大きく外れることも珍しくはない。感染のプロフェッショナルでも、我々と同じように初体験をしていることを理解しなければならない。
世界中の国がほとんど国の数だけ対策を組んだといって過言でない。中国やドイツとブラジルやインドは一見大きな対策の違いがあるようには見えるが、数年後の評価はどうなっているかは解らない。特定地域の完全閉鎖をしてウイルス拡散を抑え込むことと、全く制御せず免疫獲得を目指した無策のような対策と、どちらが優れているの官の判断は即座にできない。初期対策に大きな違いは生じてはいるが、結果評価は時を経なけらばならないだろう。
一般の人たちが、インフルエンザと同じだと大騒ぎすることなどないとする感情も理解はできるが、このウイルスについてはあまりのも解らないことが多く、末梢の血管内凝固を急速に起こすことを考えると、正しく恐れるべきである。
このウイルスは、人類に驕りを警告するものと正しく理解すれば、我々は素晴らしい体験をしたともいえるのである。