これまでに見たこともないような小心者が首班指名を受けることになる。菅義偉であるが、不都合なことを聞かれると、眼球が振盪するし視線を落とす。ニタリとはするけど笑うことなどない。なんとも小心者の挙動は上に立つ者、ましてや国家の最高権力者としての存在となると、この男に対する違和感は拭えない。
官房長官としては門前払い論法と言われるが、一方的な切り捨てが際立った人物でもある。
「ご指摘は当たらない」(なぜ当たらないかの説明はない)、「問題ない」(問題があるとして質問しているのに)、「仮定の話はお答えできない」(その先を聞いているのに)、極めつけは「あなたの質問に答える必要はない」、あるいは質問者に質問の機会を与えない、などを繰り返している。
菅は政権運営に当たって、派閥領袖のご意見を伺う立場に立たされることになる。お決まりのように、自民党はポストを求めて口を開けおねだりする人物が、列をなしている。岸田や石破を支持した人物は冷や飯を食うことになる。それがために集まった票である。
菅は森友問題については、麻生太郎の言葉をそのまま受けて、財務省で調査済みだとか検察も入っていると再調査を否定している。処分したといってはいるが、処分された官僚はすべて出世している。7割を超える人が疑義を抱いたままである。加計学園問題や桜を見る会でも、不正は解明しないということある。
顔を売った以外に何の成果もなかった安倍外交を、菅は高く評価している事には驚かされたが、それも安倍晋三にしてみれば保身の担保にはなる。菅短命内閣の船出である。