そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

原発の出す廃棄物を軽々に処分できるなどというべきではない

2020-09-12 | 原発と再生可能エネルギー

これは晩年のキューリー夫人の手である。ノーベル化学賞と物理学賞を受賞した彼女は、まだ放射能の恐ろしさを知らなった。死因も再生不良性貧血で放射被爆の影響が推察される。彼女の残した貴重な研究手帳は、100年以上経過し現在でも、防護服なしでは触れることもできない。当時は最先端の科学者でさえ知識がなかったのである。
100年経過した現在でも、放射性物質に対する情報は溢れてはいるが、巨大な原子力産業に押されて楽観的なものばかりといえる。

福島第一原発の処理水について、東京電力は海に放出する場合、事前に安全性を確認することを検討しているというのである。それはそれでいいが、安全性の確認をどのレベルでやるかということである。
福島第一原発の敷地内に保管されているトリチウムを含む処理水の処分方法ついて、国の小委員会は蒸発させるか薄めて海に流す方法が現実的としている。東京電力では、処理水を環境へ放出する場合、国の基準を満たすよう2次処理を行う方針である。国と東電は結託するというのである。汚染水の中で魚を飼育するなどして、事前に安全性を確認することを検討しているというのである。薄めるということは、総量は変わらないことである。
小泉進次郎環境大臣は大臣室の植木鉢に汚染土壌を使ったり、汚染水で金魚なんかを飼うとのことである。彼の家には今年生まれた赤子がいる。彼が安全性を証明するなら自宅で汚染土で栽培し、汚染水で養魚すべきである。安全を確信できるならやれるはずである。
汚染水で魚を数カ月飼育したところで何の安全性の保障にもならない。魚を飼育して評価するなら最低でも数十世代、本来なら千年単位で安全評価をしなければならない。一世代だけ、数カ月で評価するなどの楽観論はあってはならない。正確に放射性物質を恐れなければならない。
勉強したいと最終処分場の誘致の前向きの、過疎に悩む自治体が手を上げ始めている。彼らは金が目当てである。金も出ないのに彼らが手を上げるだろうか。何のためにどうして金が出るのか考えてみればわかるだろ。
仮に処分場が確保できたなら、国や電力会社は必ずあちこちの原発を再稼働することになる。あるいは新原発に取り組むかもしれない。原発に限って国や電力会社への同情論は禁物である。
コメント (2)
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