国葬に関する法律、国葬令は1947年12月31日に、憲法の発布に伴い失効している。そもそも国葬は皇室行事である。戦前の国葬で首相が４名国葬されているが、それぞれ爵位を拝命しており、皇室行事に変わりない。
戦後吉田茂が国葬されたことになっているが、葬儀そのものは「自民党、国民有志による国民葬」として行われ、経費の一部を国庫から支出する旨閣議決定が行われている。この時代は政治家であっても、順法精神が残っていてたといえる。現在の政治家とりわけ自民党は、安倍晋三の解釈改憲という乱暴な閣議決定を連発し、順法精神すらなくなっている。
安倍派を取り込むために、ほぼ思い付きで岸田総理は”国葬”やると言ってしまった。法的な裏付けを検討した経過はなく、やっと引き出したのが、内閣府設置法の四条二八号、三三号である。
内閣府設置法
（所掌事務）
第四条
二十八号 栄典制度に関する企画及び立案並びに栄典の授与及びはく奪の審査並びに伝達に関すること。
三十三号 国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関すること（他省の所掌に属するものを除く。）
この何処を解釈すれば、国葬は出来ますというのであろうか。唯々あきれるばかりである。明確に国葬を謳うなら、少なくとも国葬の文言はなければならない。国葬と明言されているのは、皇室典範の第二十五条に、「天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。」とあり、上皇と天皇の死は大喪の礼とし国葬になると解釈されている。
日本の法律の何処を叩いても、安倍晋三の死を国葬にするという解釈など出てこない。そもそも、大喪の礼、国葬は皇室行事であって、政府の執り行う行事ではない。
就中、岸田総理の掲げる最大の理由に、８年8か月も政権の座にいたのは、通常の政治家ならとっくに辞任するような不祥事を何度も重ね、かつてなかった公文書の隠ぺい改ざん破棄を繰り返し、虚言を乱発して逃れたからに他ならない。
経済政策では、大資本を擁護し庶民には高税を課し貧困層を増大させる、不都合なデーターは改ざん隠ぺいして、好景気を演出してみたが、気が付いたら日本の賃金は韓国をも大きく下回る、とても経済たいことはいえねいほど疲弊させたのである。
法律的にも、実績評価をした場合でも、とても安倍晋三を国葬に値する政治家とみることはできない。
安倍晋三の国葬に反対する。
