安倍晋三がいなくなって、彼の肉体とともにその中途半端で根のない右翼は、存在感がなくなってしまった。安倍系右翼と呼ぶ方もいるが、私は安倍型右翼と呼びたいが、核となる思想など特になく、無考察の戦前回帰の浅薄な大日本帝国へのロマンに近いものであった。
「思想的」に安倍に寄り添った人物のほとんどが、従順を装うそぶりが安倍を支え、政権を支えた。論功褒賞というには悍ましい、おこぼれを待てつだけの存在である。祖父と父親から受け継いだ地盤と人脈と、安倍晋三の結論しかない単純な思考回路が人を集めた。
小選挙区制で、安倍が公認し当選させた人物は、従順以外にとりえなどない人物ばかりである。政治的意欲や見識に乏しく、出世以外の政治的意欲がない人物ばかりである。程度が低くおよそ品格などなく、国会議員に相応しくない、俗物たちばかりである。
統一教会との接点の党への自己申告も、報告も相当いい加減である。バレると、「統一教会とは知らなかった」と、同じセリフを吐き何事もなかった振る舞いである。
安倍には高邁で気高い理念などなく、戦前回帰の日本への郷愁思想が「美しい日本」というフレイズを口にさせたが、深い意味すら持つことがない。大日本帝国の郷愁の安倍には、ポツダム宣言すら知らず、戦後レジュームの脱却を口にする。それでいながら祖父が日本に導き入れた統一教会が、安倍が嫌う反日集団であることまで知る由もなかった。
ジャーナリストの有田芳生氏が、「安倍晋三を攻撃するようなことを書くとネトウヨに良いだけ叩かれたものであるが、今回は全くなにもない。本当に何もない。」というのである。思想的に純朴な右翼は、安倍が推す統一教会が彼らと全く相いれない思想の団体であったことに気が付いたからに他ならない。それでいて、安倍批判すらいまだにできない。
安倍晋三が自民党内にばら撒き残した、統一教会の腐臭は幅広く漂い、浅くもない。
統一教会の宗教法人資格を剥奪できるまで行くことは決していないだろう。自民党は、山上の予測をはるかに上回る効果を越えて、瓦解すら見えてくる。岸田の支持率がやっと30%台になった。
安倍晋三の国葬に反対する。