香港の拘束した人物を中国の法で裁くという、逃亡者条例を巡ってのデモが留まるところがない。100万人を超えるデモが何度も起きている。香港市民によるデモが拡大するばかりか。益々過激になっている。警察の法も暴力的になっている。
香港市はやっと逃亡者条例については今後も検討しないとしたが、香港市民は政治犯の釈放や警察の民主化や選挙の実施など5項目を掲げている。それらのことは全く回答がなく、デモ隊は一国二制度の骨抜きになることを恐れている。中国は国慶節までに終結を望んでいたが、それもかなわないばかりか、ついに香港警察はデモ隊に発砲した。これでさらにデモは広がりを見せることになるだろう。
多くの香港市民は、中国政権、中国共産党の非民主性や反人権体質を恐れているのである。30年前の天安門事件に重ねる分析もあるが、当時とは断然異なるのが中国の経済力である。香港市民ですら中国に依存する人たちも少なくはない。メディアも格段に当時と異なる。中国は時間をかけても、ゆくゆくは一国一制度にしたいのである。
今日は中華人民共和国建国記念の日、国慶節である。70年の大きな節目を中国は盛大に祝った。そうした中、習近平の前夜祭の発言が注目される。「我が国は偉大な地位を築いた。中国と中華民族の歩みを誰も拒むことができない。」と述べたのである。一つは外に向けて、アメリカに邪魔されないということであり、もう一つは国内に向けて中華民国の主導を宣言した。香港や台湾それにウイグルなどにも邪魔されないということであろうか。
パレードに出された兵器の40%以上が新たな兵器であった。ミサイル東風14はマッハ4以上の機動性の有るものだし、東風41は大陸間段相談で核を4個搭載可能である。明らかにアメリカに対する挑戦である。
中国はいずれアメリカを席巻する日が来る。共産党一党独裁体制は、為政者にとって極めて都合がよい制度である。政治は効率ではなく手順である。金融資本主義といわれる現代、いつまでも中国は共産体制を標榜する欺瞞は容認できない。
いずれの日か、中国は香港問題・一国二制度は暴力的に解決するであろう。現体制が続く限り。