そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

双葉町の悲劇

2012-01-09 | マスコミ報道

野田首相は中間貯蔵施設の設置を、双葉町に要請した。双葉町の井戸川町長は野田首相に対して、「双葉郡民を国民だと思っていますか、法の下の平等が保障されていますか、憲法で守られていますか」と詰め寄った。

現状を見ると、井戸川町長の言うことはその通りである。政府、東電は中間貯蔵施設さえ持っていなかったのである。原発は、小出氏によれば、常時大小の事故は常時発生しているというのである。国家の稼動という至上命題の元で、多くのものは現場処理か無視されてきた、と言うのである。

事故はその都度処理される可能性はあるし、教訓化することもできる。しかしながら、放射性廃棄物はとめどなく排出されるのである。しかもその処理方法は、未だに確立されていない。原発が、「トイレのない高級マンション」といわれる、所以である。

双葉町は長年そうした事実を訴える人たちに耳を貸すことなく、原発推進に協力してきた。その恩恵も十分享受している。原発安全神話の製作者悪人説ばかりでは説明つかない。

放射性廃棄物の処理の予備調査さえ断った、主産業が漁業の過疎の寒村もある。双葉町が、ひたすら被害者の側に立つのは、信条としては理解できるが、原発への知識不足を反省するべきでもある。

放射性廃棄物は拡散させるべきではない。封じ込めるのが、物理学的な対処方法であり、処理法である。双葉町は、そうした意味での最も相応しい、中間廃棄物処理施設の設置場所候補地である。

ひたすら原状回復と帰宅を訴える心情的感覚は理解できるが、それは放射性廃棄物の本質の理解が、原発誘致にみせた姿勢同様に足らないからである。

双葉町の住人には申し訳ないと思うが、安易な妥協や根拠の薄い希望など持つのではなく、放射性廃棄物の封じ込めに協力するべきである。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
抵抗を感じる人がいるでしょうが、これが正論です... (志村建世)
2012-01-09 23:35:09
抵抗を感じる人がいるでしょうが、これが正論ですね。人の暮らしに最も影響の少ない立地を探さなければなりません。これは国の課題ですから、今度こそ神話でない大深度の安全を確立する必要がありますね。
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まあ有体に言えば、双葉郡民のみならず、この国も... (Unknown)
2012-01-11 17:40:10
まあ有体に言えば、双葉郡民のみならず、この国も全国のほとんどの国民を国民と思ってないんでしょうけどね。沖縄県民などを始めとして。。

国民と思ってるのは、自分たち政治家と、一部高級官僚と、自分たちを支持してくれる一部資本家くらいなんでしょう。

残念ながら、私たち国民も、こういう連中をもうこれ以上頼らず、信用せず、真に依り頼める不動の存在にまず第一に目を向ける必要がありますね。以前にも増して。絶対私たちを裏切らない、真に信頼できるお方に。。
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まったくその通りだと思います。 (平成の浦島太郎)
2012-01-13 21:36:17
まったくその通りだと思います。

双葉町は今後数十年、日本の地図から消えたままになるでしょう。汚染物資の保管場所以外に使い道がないことくらい、マスコミの記者連中だって分かっているはず。

タテマエだけが大手を振ってまかり通る、すこしホンネを語れば袋叩きに遭う。

原発は、当たり障りのない言葉の綾で解決しないと思います。
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