そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

テロ大国アメリカの本領発揮、暴力の連鎖に火をつけたトランプ

2020-01-04 | イラン

イラン革命防衛隊の精鋭部隊のカセム・ソレイマニ司令官が3日、イラクのバグダッドで米軍の空爆によって暗殺された。米国防総省は、「大統領の指示」によって司令官を殺害したと認めた。トランプは自慢げにツイッターにアメリカ国旗を掲げ誇っている。
ビンラディンやバグダディーの暗殺を彷彿とさせる、他国に精鋭部隊を送り空爆などで殺害する行為は、テロ行為以外の表現がない。今回もバクダッド空港に到着後にドローンなどを用いて襲撃した。ソレイマニ司令官は、イラン国内できわめて人気の高い英雄的な存在である。
イラクがどのような反応を示すか、十分理解した上でのトランプの行為である。一つは国内向け、大統領選挙に向けて福音派へのよろしくというエールである。弾劾裁判にかけられようとされている、選挙戦への巻き返しである。そのために暴力的に力を誇示するなどとは、所詮アメリカはテロ国家といえよう。
現在の中東の救いがたい混乱を招いたのは、ブッシュのイラク侵攻である。ありもしない大量破壊兵器の存在を口実に、国連決議を無視したフセイン政権の崩壊が目的の武力制圧である。暴力は新たな武力を喚起し、憎悪を連鎖につながる。
早速イランは、「これは開戦と同じだと」報復を宣言している。トランプも3000人も派兵を決めている。ソレイマニを暗殺したことで、より安全になったとトランプは暗殺の正当性を述べている。これはオバマが、ビンラディンを暗殺した時にも使われたフレイズである。ブッシュがバクダッドに侵攻した時にも、ゲームは終わったといている。バグダディを暗殺した時にもトランプは、より安全になったと述べている。
アメリカの為政者が暴力的に制圧して勝利宣言をしても、その後はさらに悲惨な状況になっている。アメリカは最終的に経済であれ軍事力であれ、暴力的に他国を制圧させるしか外交手段を持っていない国家である。時代を経れば賢明になるかと思わせたのが、オバマが国連理事国などを巻き込み締結した、イランの核合意である。少しはノーベル平和賞ももらったオバマによってアメリカは交渉をする国家と思わせたのが、イラン核合意である。トランプはこれを一方的に破棄した。その一方で、イスラエルを喜ばせる首都移転やゴラン高原の領有権を認めるなど、国連決議を否定する決定を繰り返している。
中東はトランプの近視眼的暴挙によって更なる混乱に陥る。今そこへ安倍晋三は自衛隊を派遣しようとしている。暴力の連鎖を断つには、暴力を増強することではない。日本国憲法はそれを教えてくれる。決して古くはない、現代に生かさなければならない憲法である。


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