中国の習近平政権の掲げる、「一帯一路」帝国主義国家日本の掲げた「八紘一宇」の、お金を用いた現代版の様相を呈してきた。この20年の中国の経済成長は凄まじいものがある。金余り現象である。
国家が運営する資本主義の効率的な徹底は、一党独裁体制の強みである。資本主義国家がバブルの後迎える停滞から多くを学んでいる。その大成として打ち出されたのが、一体一路である。AIIB(アジアインフラ投資銀行)を背景に、鉄道や道路や港湾などの巨大なインフラを賛同国に建設させる。
例えば、タイのように半分を中国が投資をし、残り半分を当該国に負担させる。ところが彼らには金がないので、中国が貸し付けることににする。タイの鉄道建設は、8割が中国の金によって建設されるが、貸し付けた金を多分長期にわたってタイが返却することになる。
この仲介をするのが、AIIBである。AIIBは加盟国103カ国であるが、圧倒的に中国が投資による(中国26.6%次がインドの7.6%それ以下は3%以下である)、中国のためのものである。こうしたインフラ作りをやるのが一体一路である。いつの間にかAIIBは中国が私物化することになる。
こうした投資は一見当該国のためになるように見えるが、そのインフラを後進国が使える術もなく、結局は中国が繁栄のために使うことになる。そして当該国には、巨大な負債残るのである。ともに栄えるとした共栄とは裏腹に一方的に中国が富を蓄えることになる。
中国もリスクを抱えることにはなる。プロジェクトが思ったように機能する補償などない。その場合に中国はどのよう動くかである。当該国にとって高額なな要求や保証を突き付けられることが予測されるというものである。
中国は社会主義を標榜するが実態は、国家資本主義体制といえる。国家が、経済(資本)と権力(政権)を支配し、あまつさえ周辺国家をも配下に収めることになる。習近平の言葉とは裏腹に、非民主国家群を作り上げようとするのが一帯一路といえる。