そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

確実に進行するしている地球温暖化

2014-09-02 | 政治と金

北海道沿岸で、マンボウが網にかかったり、釧路ではサバが大量に獲れてサケの漁獲量が減っている。昨日は、友人からブリを貰ったが、サケ主体の漁師町は戸惑うばかりである。北海道で、南洋の魚が獲れるのである。
陸上では、10年前には収穫できなかった、家畜用トウモロコシが獲れるようになった。厳冬の厳しさが弱くなったばかりか、秋が温暖で雨が少なくなっている。確実に温暖化が進んでいることを、肌で感じている。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)が、最初の報告書を提出したのが、1990年のことである。それから何度も報告書が提出され、今年4月Photo に第5次評価報告書が提出された。
35カ国から選出された、259人の執筆者によって書かれた。科学技術は、4年前の4次より確実に進んでいる。海洋深層までの水温データーが充実している。これまで一部の学者の反論もあった温暖化は、人為的のものである可能性が95%とであると断じている。
このままでは2100年には、4度前後の上昇が見込まれるとされている。これを2度程度に抑える必要があるとしている。
そのためには、温室効果ガスの排出を2010年比で41~72%削減する必要があり、それは2030年までに達成しなければならない。
日本で表現されている温暖化という表現も正しくはなく、異常気象とするべきである。今年の大雨は各地で記録的であり、災害も多様になっている。大雨あり、河川決壊や水害あり、大風あり、竜巻あり、猛暑あPhoto_2 り、土砂災害あり、そのほとんどが前例がない規模のものばかりであった。
この異常気象が続けば、人の生活に欠かせない食糧生産が不安定になり、海外頼りの日本は真っ先に社会不安に陥る。

本報告書のもう一つの重要な点は、温暖化に対する「適応」を考えることを提案している点である。我々は適応の一つの形として、経済成長を見直す時期に差し掛かってきているのではないかと思われる。特に先進各国は、良いだけ異常気象に貢献してきたのであるから、途上国の経済発展に対して謙虚になり、アドバイスを示すべきである。
経済成長こそ、異常気象への害悪である。人間社会が無限に成長できるわけではない。アベノミクスやTPPはその典型である。


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4 コメント

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かつては、ユネスコでIBP(International Biologic... (パロ)
2014-09-04 09:10:16
かつては、ユネスコでIBP(International Biological Planning 国際生物学事業計画)を策定していた。日本もJIBP(亡父は植物生態)として参加していた。1970年の広報用パンフレットが手元に残っていてるので、ここに載せさせていただきます。学問が、技術部門での産学協同は評価できるとしても、特に基礎科学分野は、グローバル化した政治背景から独立している必要があると思います。その意味でも、観測の精密化は大きな前進でしょう。

??????????

 現在の環境汚染は、都市の大気汚染や公害病のように局地的現象にとどまらず、仝地球的規模の影響をひきおこしている。自動車排気に由来する鉛や農薬は極地の氷や生物体にさえ急速に蓄積しつつあるし、石油・石炭の大量消費による大気中の炭酸ガスの増加、自動車排気がもたらした大気中の浮遊微粒子の急増、海面の石油汚染などは、それぞれ赤外線の吸収、太陽輻射の遮断、海面蒸発の抑制を通じて、全世界の気候を変えつつある。?
 たとえば、石油消費の加速度的増加は大気中の炭酸ガス濃度をふやし、21世紀はじめには現在の濃度の25%増しとなると推測される。現在の濃度の倍に達したとき、それのみで地球表面の平均気温は2℃くらい高まり、極地の氷床がとけて、海水面を数メートルも上昇させるだろうという。自動車排気や海面汚染の気候への影響も、それにおとらず深刻なものと予測されている。

 近い将来の環墳汚染の程度については、さまぎまの予測がおこなわれ、危機感がさけばれているが、その予測は科学的にはまだきわめて不完全である。いまの時点でもっとも必要なのは、地球物理学・地球化学・生態学などの地球諸科学の協力によって、すみやかに環境変化の理論をうちたてる一方、それをうらづけるべき環境観測データを全地球的な観測網によって充実してゆくことである。
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パロ様 (そりゃないよ獣医さん)
2014-09-04 09:57:47
パロ様
コメントありがとうございます。
44年前の識者の洞察力はさすがだと思います。耳を貸さなかった人間たちは、この環境問題を受け入れるしかないのではないか。
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 遅ればせながら、尽きない悩みの一つです。 (柴錦唐松)
2014-09-04 23:43:42
 遅ればせながら、尽きない悩みの一つです。
 歴史をさかのぼると、五千年前の縄文海進は5m程の海面上昇がありました。10億年前には地球全体が氷に包まれました。ブログの趣旨に反論する根拠もないのですが、太陽系惑星に人類がどれほどの影響を与えるか、率直に言えば疑問です。

 反論する理由に原発推進論者を擁護する可能性があるからです。国内では原発輸出報道はほぼ皆無ですが、電気事情改善を政策目標にしたインド首相の来日目的は原発建設です。
 経済発展のため大気汚染、地球温暖化など無視する国があることは残念です。それでも原発はそれを解決できず、問題を先送りするだけです。核廃棄物処理は金に糸目を付けなければ研究段階で無毒化の可能性がありますが、少なくとも10万年単位の時間は必要です。
 砂漠で太陽エネルギーを使い限定された光合成はできますが、所詮エリートのための施設です。いつの時代になっても人類の欲望は消滅しませんが、ほどほど地球に生きる生命体は都会にはないように思います。
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唐松様 (そりゃないよ獣医さん)
2014-09-05 12:49:24
唐松様
人間は僅かの命しかありません。地質学的にみても、人類の命も同様に短いと思います。
だから人の命や人間社会から見たスパンで評価する必要があると思います。
地質学的にみるとたいしたことがないことですが、我々はちまちまと評価しなければならないと思います。
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