韓国時代劇と民主主義

■광해, 왕이 된 남자　「王になった男」　2012年　〇〇〇〇－
（８４）


　
2012年、1200万を超える観客を動員した大ヒット作（年間2位）。

反対勢力から毒を飲まされ死の縁をさまよう王の影武者として、
王にそっくりの男が宮殿で過ごすことになった15日間を描く
フィクション時代劇だ。

最初は宰相に言われるまま型通りに王を演じていた男だったが、
彼は単に利用され使い捨てられる（任務後に殺される）だけの
影武者ではなかった。

男は、自らの意思に基づく型破りな行動をとり始める。宦官や
などの弱者をいたわり、不正を憎む男の人間性は、徐々に周囲の心を
つかんでいく。

「民を天と仰ぎ民に仕えるのが王の役割ではないのか」

「明（中国）への忠誠より朝鮮の民の命の方が十倍も百倍も大切だ」

道化役者出身の影武者が、ついには現代の政治家たちに聞かせて
あげたいような信念を持つ名君に大化けしてしまうのだ。

そして最後は、宮殿からの脱出劇。そこには、反対派の追っ手から
命をかけて彼を守る、かつての家臣の姿があった。

実に見ごたえのある映画だった。

■암살　「暗殺」　2015年    　  〇〇－－－　（８３）



2015年、韓国で1200万人を超える観客を動員した大ヒット作
（年間2位）。

時代は朝鮮が日本統治下にあった1930年代。韓国独立軍出身の美女
スナイパーら3人が、朝鮮駐屯軍の司令官と親日派の大物を暗殺する
アクション映画。

実は、美女スナイパーには双子の姉がいて、父親は何と、暗殺の
標的である親日派の大物。美女スナイパーは、父親から自分と
間違われて殺された姉になりすまし、最終的に目的を達成する。

物語りの展開があまりに突飛すぎて、全く、感情移入ができな
かった。

■범죄와의 전쟁　「悪いやつら」　2012年　　　〇〇〇－－
（８２）



500万近くの観客を動員した2012年のヒット作。

プサン税関の悪徳職員からスタートし、地元の暴力組織と政界、
官界、財界をつなぐブローカーとしてのし上がり、ついには政治家
として大成功する男の一代記。



（終わり）