■봄 「春」 〇〇---
(999)
2014年に公開されたインディーズ系のメロドラマ。
時代は1960年代末、舞台は慶尚南道の農村。
△主人公は彫刻家(映画より)
難病にかかり故郷で療養していた彫刻家の男が、
自らの死期を悟り、愛する2人の女性の幸せの
ために自らの命を投げ出す。
美しくも悲劇的な三角関係を描いた映画だった。
■마이너클럽 「マイナークラブ」 〇----
(998)
2014年に制作されたインディーズ系の青春ドラマ。
主人公はディスコにハマっている青年で、彼は
未来まで透視できる特殊な能力を持っている。
一方、悪役は、目をつけた女性を薬を混ぜた
飲み物で眠らせては、女性の体をもてあそぶ、
ディスコの変態支配人。
卑劣極まりない女性の敵である。
主人公は、ディスコで知り合った大切な女性を、
変態支配人の手から救い出すため、透視能力を
駆使しながら大奮闘する。
△主人公の男女(映画より)
ところで、この映画では、劇中に登場した
小学校が気になり、ロケ地を確認してみた。
△ロケ地は韓国映画・ドラマ産業の一大拠点、高陽市一山だった
例によって、カカオマップのストリートビューを
使った。
(終わり)
■은하 「銀河」 〇〇〇--
(997)
2017年に公開されたインディーズ系の恋愛ドラマ。
中国で違法脱北者の両親から生まれ、後に韓国に
入国した無国籍の女、ウナ(銀河)が韓国で
殺人罪の容疑で逮捕され、拘置所に収監される。
彼女に交通事故で亡くなった妻の面影を見た
刑務官の男は、彼女に興味を引かれて行く。
そして、彼女の冤罪を確信すると同時に、徐々に
彼女に惹かれて行く。
△刑務所の中の恋(映画より)
一方、韓国での生活に絶望感を深めていた女性は、
男との恋に生きる希望を見出す。そして、自らの
容疑を晴らすため、裁判にも意欲的に臨み始める。
2人は拘置所の中で結ばれる。
△主演女優はイム・スヒャン(映画より)
しかし、証拠がないにもかかわらず、裁判所が
彼女に下した判決は無期懲役。
無国籍の違法滞在者に対する強い偏見にとらわれた
検察の主張を鵜呑みにした判決だった。
彼女を愛した刑務官の男は、自分の職と人生を
かけ、彼女を拘置所から脱出させる決意を固め、
実行に移す。
彼女は脱出に成功するが、手引した男は逮捕され、
刑務所に。
それから数年。
△男の出所を出迎えた女(映画より)
映画は、刑期を終え出所した男を、女と2人の
子と思われる幼女が、どこかの海岸で出迎える
シーンで終わる。
そこが韓国の海岸なのか?外国の海岸なのか?
それはわからない。
現実離れした感はあったが、なかなか見ごたえの
ある純愛ドラマであった。
(終わり)
△ネイバー「今日の中国語会話」2月28日掲載分より
例によって、ネイバー(韓国の代表的ポータルサイト)の
無料中国語講座を経由した韓国語ネタである。
何でも、最近の韓国語では海外旅行時などに使う
Wi-Fiレンタルのことを「와이파이 도시락」(Wi-Fi弁当)と
言うのだそうだ。
おかしな名称だと思い、ちょっと調べて見た。
△「Wi-Fi弁当」サービスのサイトより
なぞはあっけなく解けた。
ある会社のヒット商品(サービス)名が、
一般名詞化した名称だった。
(終わり)
■다시 태어나도 우리 「輪廻の少年」 〇〇〇〇〇
(996)
2017年に公開されたドキュメンタリー映画。
△こちらは日本語版
制作陣は韓国のスタッフだが、記録の対象は、
インド北部のラダック地方に住むチベット人の
少年と彼をリンポチェ(転生した高僧)と信じ
世話する老僧。
彼らの会話には、全てハングルの字幕がついて
いる。(老僧はチベット語のみ話し、少年は
ヒンディー語と英語も話せる。)
△チベットの高僧が転生しリンポチェとなった少年(映画より)
チベット族の多く住むインド北部のラダック地方で、
一旦はチベット・カム地方の高僧のリンポチェとされ、
村のチベット寺院に迎えられた少年がいた。
△寺院を追放されたリンポチェと教育役の老僧(映画より)
しかし、中国の国境封鎖とチベット仏教弾圧により
往来が途絶えたカムの寺院からは迎えが来ず、やがて
少年は村の寺院から追放されてしまう。
△厳しくも美しい山々を見つめるリンポチェと友人(映画より)
それでも、彼の教育役である1人の老僧は、少年を
リンポチェと信じ献身的に世話し続ける。
△老僧から経典を学ぶリンポチェ(映画より)
そして、リンポチェの将来を憂えた老僧は、少年を
彼が前世を過ごしたチベット・カム地方の寺院まで
送り届ける決心をする。
△チベットを目指し旅立った2人(映画より)
2人は、リンポチェの前世の街、チベット・カム
地方を目指し、旅に出る。
△チベットを目指し旅する2人(映画より)
2か月にもおよぶ旅の末、2人はチベット
(中国)との国境の街、シッキム州に到着する。
△チベットに接するシッキム州まで到着した2人(映画より)
しかし、結局、2人はシッキム州からもチベットに
入ることはできなかった。
△カムを目指す2人(映画より)
チベットに行っても中国の官憲に逮捕されると
聞かされ、越境を断念せざるを得なかったのだ。
△カムへの道を断念した2人(映画より)
それでも、国境近くの村で、少年をリンポチェ
として迎え、教育を施してくれるというチベット
寺院にたどり着けたのは幸いだった。
△シッキム州のチベット寺院(映画より)
リンポチェと老僧の長い旅はそこで終わり、2人は
別れることになる。
다시 태어나도 우리.
(生まれ変わっても我ら)
この韓国語の題名は、「生まれ変わっても我らの
魂はともにある」という意味なのだろうか。
血の繋がりもない2人が、信仰により育んだ
強い絆(きずな)には、心が洗われる思いがした。
2人の絆は実に尊く、そして美しいと思った。
△りっぱなリンポチェになって再び会いに行くと約束した少年(映画より)
そして、現生で2度と会えない人と会うためになら、
「ヲタク」自身、人間が生まれ変わることを信じたい、
とさえ思った。
△泣きながら別れを惜しむ師匠とリンポチェ(映画より)
映像を通じてチベット人たちの奥深い信仰生活や
ヒマラヤの険しくも美しい自然を世界に伝えた韓国人
スタッフの労苦には、心からの敬意を表したい。
(終わり)
■히트맨 「ヒットマン」 〇〇---
(995)
2020年1月に公開され、240万を超える観客を動員した
コメディアクション。
△主人公は売れないウェブ漫画家(映画より)
主人公は、「爆笑少林寺」なるウェブ漫画の連載を
打ち切られたばかりの不人気漫画家。
△打ち切られた不人気漫画「爆笑少林寺」(映画より)
しかし、彼には、かつて韓国情報機関の暗殺者
(ヒットマン)だったという秘密の過去がある。
そんな彼が、テロリストに誘拐された妻を救う
ため、隠された本領を発揮する。
ナンセンスながら、そこそこ楽しく見れた。
(終わり)
■개아빠 「父親は悪魔」 〇〇---
(993)
2015年に制作されたインディーズ系のクライム
アクション。
△主人公の男女(映画より)
大学生の青年が、愛する女性(後輩)のため、
彼女に長い間、性的虐待を加えてきた彼女の父親
である暴力組織のボスに、命がけの闘いをいどむ。
△日本式居酒屋で飲む男女。はっぴ姿の男性は店長。(映画より)
そして、最後は、殺されそうになった青年の命と
自分自身を救うため、娘は自らの手で父親に銃弾を
撃ち込む。
何とも壮絶な展開の映画であった。
△悪魔的な父親を演じたユン・ドンファン(映画より)
それにしても、この映画で悪役を演じた男優
(兼監督)は、実に凄(すご)みがあった。
■덫 : 치명적인 유혹 「罠 : 致命的な誘惑」 〇〇〇--
(992)
2015年に公開されたエロチックな犯罪映画。
△山奥の民宿が物語の舞台(映画より)
一言も話さない奴隷のような男(父親かどうかは
不明)と2人で山奥の民泊に暮らす若い女が、
客として宿泊した30代の男を誘惑し、最後に
命を奪う。
△男をワナにはめる美少女(映画より)
まるで、現代版の韓流やまんばである。
△女子高生姿も一つのワナ(映画より)
ただし、女がなぜ、男たちをワナにはめて
殺害し続けているのかは、不明のまま。
△彼女は恐るべき裏の顔を持っている(映画より)
あるいは、醜い肉欲を持った男たちに対する
復讐劇なのか?
△激しい濡れ場も見せたチョン・ミンギョル(映画より)
それにしても、恐ろしい裏の顔を持つ女を体を
張って演じきった女優、チョン・ミンギョルの
熱演は、実に印象的だった。
■녹색의자 2013 「緑の椅子 2013」 〇〇〇--
(991)
2013年に公開されたインディーズ系のちょいエロ
恋愛ドラマ。
10歳の時に初めて美しいと思う女性に出会い、
ずっとその女性のことを想い続けた少年が、19歳の
時に初めてその女性に告白する。
その時、女性は34歳。別居はしていたが既婚の身
だった。
その、年の差15の恋が、紆余曲折を経て成就する
までの物語。
△全てから「解放」され抱き合う2人(映画より)
「ヲタク」の趣向には合わない映画であったが、
物語の展開にはそこそこ引き込まれてしまった。
(終わり)
■열애 「熱愛」 〇〇---
(990)
2014年に公開されたインディーズ系の恋愛ドラマ。
△蔚珍郡の漁港(映画より)
舞台は、東海(日本海)に面した小さな街(慶尚北道
蔚珍郡)。
△蔚珍郡の海岸(映画より)
愛に飢えた、訳あり男女のつかの間の恋を描いている。
△蔚珍郡の海岸(映画より)
この映画では、時折、画面に映し出される海の
美しさが強く印象に残った。
△蔚珍郡の海岸(映画より)
映画の内容はともかく、東海をこんなに美しく描いた
映画は初めて見た気がする。
■우리 연애의 이력 「2人の恋愛履歴」 〇〇---
(989)
2016年に公開されたインディーズ系の恋愛ドラマ。
深刻なスランプに陥っている女優とシナリオ作家兼
監督志望の男が主人公。
2人は恋愛を通じて人間として成長し、女優は
再生を遂げ、男はシナリオ作家として出発する。
△主人公女性の住民登録票(映画より)
この映画では、チラッと画面に映し出された
女優の住民登録票が気になった。
調べて見ると、登録票の形式は本物(ソウル)と
同じだった。
■연애의 기술 「恋愛の技術」 〇〇〇--
(988)
2014年に公開されたインディーズ系のラブコメディ。
韓国のおてんば娘2人組が、フィリピン旅行に出かけ、
それぞれ運命の男と出会う。
△フィリピンを旅する韓国人女性2人(映画より)
1人は、フィリピンでマンゴー農園を経営する
韓国人の青年実業家と恋に落ちる。
△青年実業家と現地のカトリック教会を訪れた女性(映画より)
もう1人は、旅行でフィリピンを訪れていた
顔見知りの韓国人男性と偶然、出くわし、恋に
落ちる。
若い韓国人女性2人による、楽しいフィリピン
珍道中だった。
(終わり)
■갱 「ギャング」 〇〇---
(987)
2020年に公開されたインディーズ系の学園アクション。
△転入生の主人公には、すぐ親友ができた(映画より)
刑務所だった施設を校舎として使っているハチャメチャな
暴力高校が舞台。
△親友はいつもバナナ牛乳を飲んでいる(映画より)
その高校では、学校公認の格闘トーナメント大会を
通じ、番長が決まる。
しかも、その大会では試合ごとに賭けも実施されて
おり、その賭けには生徒たちのみならず教師たちも
参加している。
転入生である主人公は、番長の座をめざし、その
大会に出場する。
そして、ユニークな強敵たちを次々と倒していく。
ナンセンスな内容ながら、そこそこ楽しく見れた。
■옥자 「オクチャ」 〇〇〇--
(986)
2017年にネットフリックスで公開された韓米合作映画。
監督は、今をときめく(「パラサイト」で2020年
アカデミー賞四冠)ポン・ジュノ。
△けっこうかわいい遺伝子操作豚(映画より)
アメリカ巨大企業の壮大なプランの下、江原道の
山間地で育てられた巨大な遺伝子操作豚、オクチャと
飼い主家族の少女が主人公。
△主人公を助けた動物愛護団体メンバーの1人は日本人女性(映画より)
新種の家畜、スーパーピッグのサンプルとして
ニューヨークに連れて行かれ、と殺されようと
したオクチャを、少女が救い出し、韓国の江原道に
連れ戻す物語。
けっこう楽しく見れた。
■쌍칼 「二刀流」 -----
(985)
2019年に制作された創作アクション時代劇。
1930年代の日本統治時代を背景に、朝鮮の1人の
武術家が、朝鮮の文化財(仏像や古文書など)を
略奪しようとする日本の武術家を退治する。
(終わり)
■성혜의 나라 「ソンヘの国」 〇〇〇--
(984)
2020年1月に公開されたインディーズ系の社会派
ドラマ。現代の映画としては、久しぶりに見た
白黒映画だ。
主人公は、ソウルで1人暮らしをしている
アラサー女性のソンヘ。
彼女は大学卒業後、就職した会社でセクハラを
受け、それを告発したことで会社に居づらく
なって退職した。
△新聞を配達する主人公(映画より)
その後4年間、新聞配達とコンビニ店員をかけもちし、
さらには公務員試験予備校で勉強しながら、再就職を
めざし努力してきたが、いまだに定職につけない。
△コンビニで働く主人公(映画より)
1次試験には合格するものの、2次試験の面接で
ことごとく失敗してしまう。どうやら、前の会社の
退職理由を率直に語っていることが不利に働いて
いるようだ。
そんな彼女に対し、借家の大家からは保証金を
上げる、との連絡が入る。それは、値上がり分の
保証金を追加で支払うか、入居時に支払った保証金を
受け取り退室するかの二者択一を迫る通告を意味
していた。
最近、故郷の両親に金銭を援助したばかりの彼女に
経済的な余裕はなく、結局、彼女は引っ越し先を
探し始める。
ところが、そんなどん詰まりの彼女の生活を
一変させる悲劇が起きる。
故郷の両親が交通事故で亡くなってしまうのだ。
彼女は、執行猶予を得たいばかりに和解を望む
裕福な加害者側から、示談金として約5千万円
(5億ウォン)を受け取る。
結局、彼女はそのお金を元に、決して高価では
ないが気に入った新しい借家で、「40年間
毎月約15万受け取り」(金融機関との契約)の
「引退生活」に入ることをきめた。
彼女は、皮肉にも、両親の事故死という悲劇的な
代償を支払うことで、やっと人間らしい平穏な
生活を手に入れることができたのだ。
△彼女の新しい借家は坂の街にある(映画より)
将来も見通せないまま、アルバイトに追われ、
住宅費に苦しむ生活から解放された彼女からは、
悪化しつつあった神経症(パニック障害)の病状も
きれいに消え去った。
△彼女が暮らすことになったソウルの坂の街(映画より)
今後は、新しく入った借家で新しく購入した
ペット犬といっしょに、心穏やかに暮らしていく
ことになる。
何とも複雑な余韻を残して終わる映画であった。
(終わり)
■혼 : 공포의 시작 「魂:恐怖の始まり」 〇〇---
(983)
2020年2月に公開されたインディーズ系のホラー
サスペンス。
30年前、ある海辺の町の再開発にかかわり、連続して
6人が失踪する事件が起きた。
1人の不動産業者による殺人が疑われたが、死体が
見つからず事件は迷宮入りした。
△刑事に相談を持ち込んだ女性の邸宅(映画より)
この映画では、昇天できないままでいる、事件の
犠牲者らの怨念が霊や悪夢と化し、1人の犠牲者の
息子である刑事を導き、長い間、闇に眠っていた
失踪事件の真相を明らかにしていく様が描かれている。
△この家の女性も犠牲者だった(映画より)
刑事に夫の失踪を相談した主役の女性が、実は霊
(事件の犠牲者)だったことなど、終盤のどんでん
返しには少し混乱させられたが、全体的にはそこそこ
見ごたえのある映画だった。
△元は畳部屋だったのだろうか?(映画より)
ところで、この映画では、例によって物語の
本筋とは無関係ながら、映画に登場した古い
日本式家屋に注目せざるを得なかった。
△書院造りの床の間もある(映画より)
撮影地にまつわる情報が入手できないのは残念
だが、もしプサン市内なら、是非、見学して
みたい家である。
(終わり)
■남산의 부장들 「南山の部長たち」 〇〇〇--
(982)
2020年1月に公開され、470万を超える観客を動員した
ヒット作。硬派の政治ドラマだ。
1979年10月、朴正熙大統領暗殺事件を引き起こした
中央情報部部長(第8代)を主人公に、事件発生までの
約40日間の日々を描いている。
歴史的事実に基づいたフィクション劇で、題名にある
「南山」とは、本部の所在地に由来する中央情報部の
俗称。
この作品で「ヲタク」の印象に残ったのは、何と
言っても、事件の直前に遂行されていた第4代
中央情報部部長の暗殺だ。
暗殺の細部は映画の創作によるものだとしても、
事実として、一時は政権ナンバー2の座にあった者が、
大統領に反旗をひるがえした結果、パリで暗殺された
ことに、ほぼ間違いはない(過去事件真実委)。
また、もし、朴大統領の暗殺がなく、当時激化
していた釜山・馬山の反政府デモの鎮圧に韓国軍が
投入されていたとしたら、後に光州で発生した
悲劇が、1年前の釜山・馬山で発生していた可能性に
ついても考えさせられた。
△扁額の「大義滅親」は映画の創作か?(映画より)
もちろん、そのことを持って、暗殺者の行動を正当化
することはできないにしろ、彼を極端な行動に走らせた
背景について、現代的な視点から、しっかりと分析し
考察することの意味は十分にある。
いずれにしろ、韓国の現代史を知り、暴走する
独裁権力の恐ろしさについて考える題材としては、
実によくできた映画であった。
(終わり)
■성난 화가 「怒れる画家」 〇〇〇〇-
(981)
2015年に公開された異色のエロチックバイオレンス。
成人指定。
主人公は、画家と職人の二足のわらじを履く
男だが、さらに裏の顔を持っている。
△ハーレーで臓器を運ぶ主人公(映画より)
愛車のオートバイはハーレー。
△親友の男<写真右>はタクシー運転手(映画より)
物語の舞台は、韓国語に加え、英語やロシア語、
中国語、その他正体不明の外国語が飛び交う街。
△高麗人らしき男<左>や外国人など悪役も個性的(映画より)
ソウルの裏通りに存在する無国籍タウンだ。
主人公の男はその無国籍タウンを舞台に、外国人を
無慈悲に虐待する韓国人も含め、悪辣な犯罪者たちの
命を奪い、彼らから取り出した新鮮な臓器を闇の
ルートを通じ、手術を待つ子どもたちに届けている。
△人並み外れた武術とナイフの腕を持つ主人公(映画より)
いわば正義のダークヒーローだ。
この映画で、強く「ヲタク」の印象に残ったのは、
主人公の親友の恋人でエストニア出身のヌードダンサーを
演じていたベラルーシ人の女優。
△主人公の親友と恋人(映画より)
劇中では流ちょうな英語で会話をしていた。
名前はブリニア・ナターリア。韓国の大学に留学し、
卒業後、韓国で映画界入りした女優だ。
△大胆なヌードも披露したベラルーシ出身女優(映画より)
韓国の映画界も、確実にグローバル化している。
(終わり)
■작은 빛 「小さな光」 2020年 〇〇---
(980)
2020年1月に公開されたインディーズ系の家族
ドラマ。
30代の独身男である主人公が脳の手術を受ける
ことになる。そして同じ時期に、家族は、父親の
墓地を移転する必要に迫られる。
主人公と家族にとっての2つの大事件を、
ドキュメンタリー風に描いた静かなドラマ。
舞台は、京畿道の小都市。
△行きつけの銭湯を訪れた母と姉(映画より)
この映画では、主人公の母と姉が、銭湯で背中を
流し合うシーンが印象に残った。
△母の背中を垢すりタオルで擦る姉(映画より)
これまで多くの韓国映画を見てきたが、いわゆる
「垢すり」のシーンを見たのは、今回が初めて
かもしれない。
決して、「スクリーン映え」するようなシーンでは
ないが、心温まる韓国的なシーンであることは
間違いない。
(終わり)
■미스터 주 : 사라진 VIP 「Mr.ズー : 消えたVIP」 〇〇〇--
(979)
2020年1月に公開されたコメディアクション。
中国から動物特使として韓国に派遣されたパンダが、
悪徳バイオ企業に誘拐される。パンダの遺伝子から、
超小型のトイパンダを作り出し、クローンを大量
生産し一儲けしようとたくらんでのことだ。
△韓国語(男と観客以外には理解不能)を話す犬<映画より>
誘拐されたパンダを探す主人公は、情報機関を
首になった中年男と、元軍用犬のシェパード。
△動物園の雌ゴリラは、なぜか濃い釜山方言を話していた<映画より>
中年男は、ある事故をきっかけに動物と話せる
ようになり(観客以外には理解不能)、犬だけ
ではなく、多くの動物や鳥の協力を得ながら、
パンダの居場所を見つけ出し、救出する。
漫画チックな内容ではあったが、動物好きの
「ヲタク」としては、そこそこ楽しく見れた。
■러시안 소설 「ロシアの小説」 2013年 -----
(978)
2013年に公開されたインディーズ系のミステリー。
小説家志望の無名の青年が、ムダン(霊能者)が
作ったとされる謎の薬を飲み、植物人間になった。
27年後、彼(50代の中高年男)に意識が戻った時、
なぜか、世間は彼を奇跡の人気作家として
持てはやす。
しかも、彼の代表作が「ロシアの小説」だと言う。
彼が若い頃、ある女性から付けられたあだ名と
同じだった。
彼は、昔の知人らを訪ね歩きながら、自分が寝て
いる間に何が起きたのかを解き明かしていく。
その後の展開については、解説を省く。
「ヲタク」の趣向には全く合わず、見続けるのに
苦痛を感じた映画であった。
(終わり)