人間、いくつになっても、わからなかったことがわかるのは、
うれしいものだ。
特に諦めかけていた謎が、ふとしたひらめきで解けた時の喜びは、
一種の快感でさえある。
△ソウル市加里峰洞の一角(Daumストリートビューより)
例によってDaum地図のストリートビューでソウルの中国人集住地域である
加里峰洞を見ていたら、どうしても理解できない漢字1文字に出くわした。
上記画像にある通り、にんべんの横に害に似た字がくっついた漢字だ。
中国語検定3級止まりの貧弱な中国語力をフル回転させ、何度となく
考えを巡らせてみたり、ネットで検索してみたりしたが、何らの
糸口も見つけられず、ほぼ諦めかけていた。
しかし、急がば回れということか。
△琿春市「麗水家邑」3棟の1戸が名義変更代を含め売りに出されていた一例
「麗水家邑」が、中国の朝鮮族自治州内に位置する琿春市のマンション
団地の名称であることがわかってから、ほどなく、件(くだん)の
漢字1文字の謎が解けた。
謎の漢字は、一般的な表記法で書けば
售
という漢字だったのだ。(goo中日辞書より)
だから、「售楼処」とは、つまり「マンション販売(仲介)店」を
意味している。
おそらく、「故郷でマンションを購入するッ」という目標を持って、
ソウルでの辛い仕事に励んでいる中国朝鮮族も大勢いるのだろう。
上記画像にある通り、琿春では中古マンションが15万元(約225
万円)前後で買えるのなら、ソウルで何年かがんばれば、購入は
十分可能だろう。
そう思うと、なんだか応援したい気持ちにもなるし、謎の漢字
1文字の正体をつきとめることができた喜びを、あらためて
噛みしめた「ヲタク」であった。
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
なお、後日、同じくDaum地図のストリートビューを通じ、
加里峰洞のお隣、大林洞で延吉市(延辺朝鮮族自治州の州都)の
マンション団地の物件をあつかう不動産屋を見つけたので、
画像を記録しておく。
△マンション団地「恒延嘉苑」の物件を売る不動産屋
需要も多いのか、こちらの店舗はけっこう大きい。
ちなみに、看板にはハングルで「延吉市 恒延嘉苑 韓国分譲事務室」と
書かれている。
(終わり)
△Daum地図ストリートビューより
プサンの中華街には、外国人客の中でも特にロシア人客目当ての
店が多いので、街の至る所でロシア文字を目にする。
ロシア文字も、基本は「алфави́т(アルファビートゥ)」なので、
その気になれば、文字自体は、そう苦労せず覚えることができる。
ちなみに、ロシア文字の「алфави́т」も、ローマ字(ラテン
文字)系のアルファベットと同じく、ギリシャ文字の最初の2文字、
ΑΒ(アルファ・ベータ)に由来する名称だ。
さて、そういう「ヲタク」は、今後ともプサン中華街に出入りする
者のたしなみとして、ロシア語の初級程度はものにしたいと
考えている。
Daum地図のストリートビューで、プサン中華街のロシア語を
解読するのも、ロシア語学習の一環だ。
そうした学習の過程で、「ヲタク」は一つの謎にぶつかった。
プサン中華街のロシア語の中に、ロシア文字にはない「Λ」という
文字が使われているケースが、ちょくちょく目につくのだ。
当初は、この「Λ」を知らなかったので戸惑った。
知っている人は知っているのだろうが、これは「ラムダ(람다)」と
読むギリシャ文字で、正式ではないまでも、ロシアの巷(ちまた)では
「Л(エル)」の代わりにちょくちょく使われているとのこと。
以上、韓国語の学習には、ほぼ全く役に立たない「ヲタク」の
雑学メモであった。
(終わり)
韓国にも美しい棚田がある。
NEWSISのフォトニュースを通じ初めて知ったことである。
報じられていたのは、慶尚南道南海郡の棚田の景観。
△コネスト韓国地図より
後学のため、関連記事を翻訳練習させてもらった。
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
■누렇게 물든 다랭이논
黄金色に染まった棚田
(NEWSIS 9月25日)
완연한 가을날씨를 보이고 있는 25일 오후 경남 남해군 서면
인근에 위치한 다랭이논에는 황금빛으로 물든 벼가 가을의
정취를 더하고 있다.
爽やかな秋日和に包まれた25日午後、慶尚南道南海郡西面近郊の
棚田では、黄金色に染まった稲穂が秋の風情を深めている。
(終わり)
ソウルにおける中国人(朝鮮族含む)の2大集住地域が、お互いに
隣接する加里峰洞(九老区)と大林洞(永登浦区)だ。
△「ヲタク」が収集した画像より
今回、「ヲタク」はDaum地図のストリートビューを使い、その2洞で
営業している中国系とわかる各種店舗の中から、特に中国の地名
(河川や山を含み、国名は除いた)を店舗名に使用している店舗のみを
画像として収集してみた。
△「海蘭江」とは延辺朝鮮族自治州を流れる豆満江の支流。「狗肉」は犬の肉。
数日間をかけ、合計で212店舗の画像を収集したところで一応の
区切りをつけた。
△串焼きが1本500ウォン(約50円)とは激安だ
この212店舗は、あくまで「ヲタク」が2洞の界隈で目につき次第、
収集した店舗(画像)であり、漏れは相当にあると考える。
しかし、この212店舗を整理し分析することで、全体の傾向を知る
一つの目安くらいにはなると考え、記録に残すことにした。
△この「延辺冷麺」はウェディングホールもやっている
まず、使用頻度の高い地名の順に整理してみた。
・・ ・・ ・・
1位 29店舗 延吉(吉林省延辺朝鮮族自治州の州都)
2位 26店舗 延辺(朝鮮族自治州の名称)
3位 24店舗 東北(中国東北部から)
4位 16店舗 北京
5位 12店舗 瀋陽(遼寧省の省都、「西塔」朝鮮族街含む)
6位 9店舗 安図(吉林省延辺朝鮮族自治州内の県)
7位 8店舗 琿春(吉林省延辺朝鮮族自治州内の都市)
8位 7店舗 龍井(吉林省延辺朝鮮族自治州内の都市)
9位 6店舗 牡丹江(松花江最大の支流)
同 重慶(※「重慶火鍋」料理)
同 天池(白頭山の火口湖)
12位 5店舗 上海
同 長白山(白頭山含む)
14位 4店舗 四川(※主に「四川火鍋」料理)
同 香港
16位 3店舗 図們(吉林省延辺朝鮮族自治州内の都市)
同 海蘭江(豆満江の支流)
同 吉林
同 ハルピン
同 青島(※ビアホールなど)
同 松花江(黒竜江最大の支流)
同 蒙古
同 蘭州(※拉麺)
24位 2店舗 和龍(吉林省延辺朝鮮族自治州内の都市)
同 長江
同 崑崙
同 新疆
同 九龍
※以下全て各1店舗
豆満江 温州 撫順 鴨緑江 大連 西湖 南京 広州
黒竜江密山 陝西 汪清(自治州内の県名)
・・ ・・ ・・ ・・
上記の通り、全体の212店舗中、「延吉」「延辺」「東北」の上位
3地名だけで79店舗を数え、地名を冠した店舗全体の4割近くを
占めている。
また、延辺朝鮮族自治州に因む地名が99店舗と全体の半数近くを
占め、そこに東北3省(黒竜江、吉林、遼寧)に因む地名55店舗を
加えると154店舗となり、全体の7割を超える。
次に業種別に多い順に整理してみた。
・・ ・・ ・・ ・・
1位 36店舗 食堂(東北の炒菜<チャオツャイ>、鍋料理など)
2位 31店舗 羊肉料理(串焼き、モモ肉、カルビなど)
3位 28店舗 麺料理(冷麺、牛肉麺など)
4位 19店舗 カラオケ(中国歌謡)
5位 18店舗 犬肉料理(鍋料理など)
6位 16店舗 ビアホール
7位 8店舗 旅行代理店
8位 7店舗 豆腐料理・販売(臭豆腐など)
9位 6店舗 スンデ・餅など
10位 5店舗 外貨両替
同 鳥肉(鴨、海燕、カモメ、ガチョウなど)料理
12位 4店舗 スケトウダラ料理など海鮮料理
同 牛焼肉
14位 3店舗 携帯・スマホ関係
同 中国食品
16位 2店舗 中国式インターネットカフェ
同 不動産関連
同 麻将店(中国麻雀)
同 行政書士事務所
同 理髪店
※以下全て各1店舗・施設
衣類販売 結婚式場 職業紹介所 餃子店 服修繕 ホルモン焼き
貿易(化粧品等) キリスト教会 ゲームセンター 新聞社支局
・・ ・・ ・・ ・・
朝鮮族の人々に人気の料理は、韓国人とはかなり異なっていることが
わかる。特に臭豆腐料理については、韓国ではほとんど食されていない。
△東北カラオケ中国歌謡B1
ソウルに在住する中国人の大半が朝鮮族である関係上、店舗の地名に
ついては予想通りの結果となったが、外食や娯楽の傾向がここまで
中国化している現実は「ヲタク」の想像を超えていた。
△安図羊肉串焼き店(安図は吉林省延辺朝鮮族自治州内の県)
中国朝鮮族が中国人であることを、あらためて再認識させられた。
△「手机」とはスマホのこと
なお、地名を離れ、変わったところでは「人民公社」を店名に冠した
小さな食堂が印象に残った。
△毛沢東のイラストも見える
はたして、異国の地に持ち込まれた過去の中国へのノスタルジーが、
朝鮮族や韓国人住民に受け入れられるのだろうか?
「ヲタク」は、ちょっとのぞいてみたくなった。
(終わり)
「ヲタク」は、妻の実家のあるプサン市草梁洞を基点にした韓国体験に
十分、満足しているので、これまで韓国に行っても、特にソウルに
行きたいなどと考えたことはなかった。
そういう「ヲタク」が、今は、機会があれば、いや、いつか機会を
作って、是非、ソウルに行ってみたいと思うようになった。
端的に言ってしまうなら、いつか、「ソウルの中の中国」を歩いて
みたいのだ。
△加里峰洞の朝鮮族街(2016年、Daum地図ストリートビューより)
きっかけは、例よってDaum地図のストリートビューを使った
バーチャルドライブだった。
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
1970年代から80年代にかけ、韓国の工業化をけん引したのが
ソウルの九老工業団地(現・加山デジタル団地)だった。
年若い女工を中心に、最盛期には10万人を超える職工たちが、裁縫工場を
中心とする団地内の工場で働いた。
一方、団地周辺の加里峰洞(九老区)や大林洞(永登浦区)には、
職工向けの1室5畳前後のワンルームアパートが立ち並んだ。
△加里峰洞のアパート(2016年、Daum地図ストリートビューより)
押しなべて貧しかった当時の韓国にあって、特に農村部の若者にとっては、
ここでの暮らしは憧れの対象であったに違いない。
△加里峰洞のアパート(2016年、Daum地図ストリートビューより)
韓国全土から、多くの若者たちが、大きな夢と希望を抱いて、この地に
職と住まいを求めた。
△加里峰洞のアパート(2016年、Daum地図ストリートビューより)
家屋の壁面にまとめて設置された多数のガス計量器の数と同じか、
あるいはそれ以上の職工の生活が、それぞれのアパートの内部で営まれた。
△加里峰洞のアパート(2016年、Daum地図ストリートビューより)
その過密な暮らしぶりは、揶揄を含め「벌집촌(蜂の巣村)」なる別名も
生んだ。
△加里峰洞のアパート(2016年、Daum地図ストリートビューより)
しかし、韓国の発展と財閥主導の重工業化の進展の中で、「蜂の巣村」の
魅力も色あせて行かざるを得なかった。
今や、多くの若者たちの哀歓が染み込んだこの街で、韓国の若者の
姿を見つけることは難しい。
代わって、この「蜂の巣村」に新しいチャンスを求め集まって来たのが、
中国の朝鮮族だった。
1990年代に入ると、韓中の国交正常化を受け、産業研修生の受け入れ
制度(現・雇用許可制)もスタートし、工場地帯や都心部に近く、
保証金や月家賃も格段に安いこの街は、中国朝鮮族にとっての
「希望の街」に変わった。
△加里峰洞の住宅(2016年、Daum地図ストリートビューより)
2012年現在、加里峰洞と大林洞だけで、実に約6万人もの中国人(大半は
朝鮮族)住民が暮らしている(韓国法務省)。
そうして、加里峰洞と大林洞の商店街の周辺に、中国朝鮮族の生活の
場としての中国人街が形成された。
△加里峰洞(2016年、Daum地図ストリートビューより)
そこは、観光地化した、世に言う「チャイナタウン」とは全く趣
(おもむき)を異にした街である。
△「ゴミの無断投棄は犯罪!その罪は子の代まで災いをもたらす」との警告
中国の日常を切り取って、街と人間をそっくりそのままソウルの中に移植した
ような、一種不思議な異空間だ。
△「ゴミを片付けるのは善行です。善行を積めば子の代に大臣が出ます。」
街の横断幕も、韓国とはずい分メンタリティーが異なっているように
感じる。
△加里峰洞「憂馬通り朝鮮族商友会発足」を祝う横断幕
そして、街では、ハングルより漢字が目立つ。
△加里峰洞の朝鮮族街(2016年、Daum地図ストリートビューより)
ストリートビューの特定のカットだけを選んで見せれば、そこが中国の街だと
言っても、誰も疑わないだろう。
△大林洞の朝鮮族街(2016年、Daum地図ストリートビューより)
街で飛び交う言葉も中国語、流れる歌も中国の流行歌や懐メロなのだという。
△大林洞の朝鮮族街(2016年、Daum地図ストリートビューより)
夢や希望があれば、焦りや挫折もある。
△加里峰洞の警官詰所(2016年、Daum地図ストリートビューより)
酒を飲んで騒ぐ事もあれば暴力沙汰も起きる。
△大林洞の横断幕(2016年、Daum地図ストリートビューより)
しかし、罰金300万ウォン以上の犯罪を犯せば強制退去の対象となる。
△大林洞の横断幕(2016年、Daum地図ストリートビューより)
ストリートビューは、文字通り、その街の表面しか映さない。それでも、
一定程度、その街で暮らす人々の生活をうかがい知ることができる。
それにしても、これらの街の風情に、中国朝鮮族住民の強烈な自己主張を
感じるのは、「ヲタク」だけだろうか?
朝鮮語を母語として育つ人も多いと聞く朝鮮族だが、やはり、韓国人とも
朝鮮(北朝鮮)人とも明確に異なる、中国朝鮮族としての確固たる
アイデンティティが存在している。
「ヲタク」には、そう感じられてしかたないのである。
(終わり)
参加カテゴリ:地域情報(アジア)
韓国語の学習には全く役に立たない話題だが、NAVERの露韓辞書は
実に便利である。
△NAVER露韓辞書より
もし、韓国語を学びながら、ちょっとばかりロシア語もかじって
みようと思う人がいたら、知っておいた方がいい。
NAVERの露韓辞書には、マウスのクリックでロシア文字が入力できる
機能が備わっているのだ。
実は、当ブログでのロシア文字入力でも使わせてもらった機能だ。
△Daum露韓辞書より
なお、Daumの露韓辞書もかなりよい。特に、NAVER辞書にはない、
大文字と小文字の打ち分けが簡単にできる機能はありがたい。
(終わり)
唐突ながら、日本で売春防止法が施行され、いわゆる「赤線」が
廃止されたのが1958(昭和33)年。
その日本に遅れること3年、韓国でも1961年に韓国版売春防止法、
「淪落行為等防止法」が施行され、以後、罰則強化などの改正を
重ねて来た経過があった。
ところが、ノ・ムヒョン政権下の2004年、新しいパラダイムで
性売買の完全禁止をめざす売春防止新法(「性売買特別法」)が
制定されたことを受け、従来の「淪落行為等防止法」は廃止された。
さて、新法の制定から10年以上が経過した今、新法の最大の
ターゲットとされた風俗街、つまり韓国の性売買の最前線は、
どういう状況になっているのか。
NAVER地図やDaum地図のストリートビューでは、その種の
街の現状の一端が垣間見れる。
ここでは、ソウルとプサンから2地区ずつ確認してみた。
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
■ソウルA地区
△Daum地図ストリートビューより(2016年撮影)
左手の小屋は青少年通行禁止区域監視所。
△Daum地図ストリートビューより(2016年撮影)
監視所には、「ここは青少年通行禁止区域です。満19歳未満は通行する
ことができません。」とある。韓国では高校生までは青少年(未成年)。
満19歳以上が成人なのだ。
△Daum地図ストリートビューより(2016年撮影)
監視所の向かって左に立っている看板では、地元警察署が市民に
対して、青少年保護を目的に褒賞金付きの申告を呼びかけている。
申告対象と褒賞金の額は、「青少年を雇用している業者を申告すれば
20万ウォン(約2万円)」、「青少年の立ち入りを黙認している業者を
申告すれば10万ウォン(約1万円)」とある。
△Daum地図ストリートビューより(2016年撮影)
問題の街への入り口には、まるで入場ゲートのような看板がある。
内容は、「청소년 통행금지 구역(青少年通行禁止区域)」。
ゲート奥の通りにはボカシが入っている。
地図でボカシを入れなければならないことが、現在も行われている、
と見るしかないだろう。
■ソウルB地区
△Daum地図ストリートビュー(2015年撮影)より
すだれの奥がその種の街。
△Daum地図ストリートビュー(上記画像を拡大)より
「미성년자 출입금지(未成年者 立入禁止)」の警告の下には、黄色の
横断幕がかかっている。横断幕には、
<축>6.29일 성노동자의 날 11주년 기념<축>
<祝>6月29日 性労働者の日 11周年記念<祝>
の文字が見える。
この街には、現在も売春防止新法に抗(あらが)う経営者や
「性労働者」たちが少なからず存在している、と見てよいだろう。
ちなみに、「6月29日」という日は、大統領直接選挙制などを勝ち取った
「6・29民主化宣言」(1987年)の精神にちなみ、犯罪者ではなく
「性労働者」としての地位を獲得したいとの意味を込め選ばれた日だ
とのこと(全北道民日報15年7月2日付記事)。
△Daum地図ストリートビューより(2015年撮影)
ストリートビューで確認する限り、この地区では、一般道から街へ入る
入り口すべてに、すだれがかけられている。
△Daum地図ストリートビューより(上記画像拡大)
また、「青少年通行禁止監視所」(写真左のボックス)の置かれた
入り口も確認できる。
△Daum地図ストリートビューより(2015年撮影)
ソウルでも1、2を争う規模を持つ風俗街として名をはせたこの街では、
現在もなお、「未成年者立入禁止」の状況が続いている、と見てよさそうだ。
■釜山A地区
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
右手の坂道が「青少年通行禁止区域」への入り口の一つ。区域を示す
立て看板は小さく、目立たない。
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
こちらも、街への入り口。
△Daum地図ストリートビューより(上記画像の拡大)
「xx 새천년 청소년의 바른 성장!(xx 新千年 青少年の正しい成長!)」
と書かれたボックスは監視所なのだろうか。
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
見るからに堂々としたこの街は、日本統治時代の遊郭(公娼街)の
街割りをそのまま引き継いでおり、規模はかなり大きい。
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
往時に比べ、営業範囲は狭(せば)まったようだが、依然、韓国
最大級の風俗街であることに変わりはない。
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
2014年現在、この街では、店名の表示が全て消され、画像からも
不気味な雰囲気が漂ってくる。
これが、新法成立後、当局との衝突を繰り返しながら到達した、
何らかの妥協点だったのだろうか?
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
それにしても、飾り窓の向こうの黄色い椅子や赤い床の間に座って
客を待つのは、一体、どういう人たちなのか?
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
それについては、想像に止(とど)めて置くくらいでちょうどいい。
△NAVER地図ストレートビューより(2014年撮影)
ちなみにNAVER地図では、この街の通りは全体がボカシだらけに
なっており、ここが依然、通常の街ではないことを教えてくれている。
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
また、この地区の一角にはキリスト教の大きな教会があり、玄関には
聖書の一説が書かれている。
「重荷を背負って苦労している者たちよ。すべて私のところに来なさい。
私があなたがたを休ませてあげよう。マタイ11:28」
△Daum地図ストリートビューより(2014年撮影)
さらに、この地区周辺で、少なくとも2店の「トランスジェンダー・
クラブ(ニューハーフ・クラブ?)」が看板を掲げていることを
地図で確認した。
「ヲタク」は、この街が、現在もなお、韓国最大級の風俗街である、
と見ている。
■釜山B地区
△NAVER地図ストリートビューより(2016年撮影)
すだれの奥の通り(上記画像の左が歩道、右が車道)がその種の街。
車道上にペイントされていたはずの「青少年通行制限区域」の文字は、
かすれて見えない。
△NAVER地図ストリートビューより(2016年撮影)
右側のすだれをくぐった車道沿いの店は、Daum地図では全ての
飾り窓にボカシが入っているが、NAVER地図では上記の通り、
ボカシは入っていない。
△NAVER地図ストリートビューより(2016年撮影)
はたして、成人しか通ってはいけないこの街の店で、一体、何が
行われているのだろうか?
△Daum地図ストリートビューより(2016年撮影)
なお、この街の大通りに面した店は、植木で隠してある。
△Daum地図ストリートビューより(上記画像とは反対方向から)
理解に苦しむが、上下4車線の道路上には「청소년통행제한구역
(青少年通行制限区域)」の文字が、デカデカとペイントされている。
△Daum地図ストリートビューより(2016年撮影)
一方、同じ文字だが、歩道上の表示(上の画像で青で囲んだ部分)は
控えめだ。赤いボックスは、例によって監視所なのだろうか?
いずれにしろ、青少年の通行を制限しなければならない何かが、この
界隈で現在も行われているのは間違いない。
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
最後に話題を日本に戻そう。
日本の「赤線」区域は、周知の通り、売春防止法制定後、その多くが
廃業に追い込まれた一方、都市部や温泉観光地を中心に、相当数の区域の
店が風俗店や特殊料亭(?)への鞍替えに成功し、半ば公然と性売買が
続いている。
「ヲタク」は、そうした日本の実態を積極的に擁護する気は全く
ないが、かと言って非難する気もない。
多少の陰影の存在さえ許されないような国では、人間の精神が
窒息させられてしまいそうな気がするからだ。
(終わり)
■강남구 개포동 구룡마을 개발 계획, 이달 중 확정
ソウル市、江南区開浦洞九龍マウル開発計画、今月中に確定
(EBN 9月6日)
・아파트 2692세대 건립, 분양 60% 임대 40%
マンション2692戸建設、分譲60%賃貸40%
・소셜믹스 통해 아파트 내 차별 문제 해소, 산 인근은 저층 개발
「ソーシャルミックス」通じマンション内の差別問題解消、
山手には低層マンション
ー本文省略ー
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
発展したソウルの象徴とも言える豊かでオシャレな江南区。しかし、
皮肉にも、その江南区の外れには、韓国最大とも言えるスラム街が
存在している。
△超高層マンション群はサムスン財閥系業者建設(画像は16年5月6日付ヘラルド経済新聞より)
ソウルオリンピックを控えた1980年代に進んだ都心部の大規模開発の影で、
開発から弾き飛ばされ、行き場を失った貧困層の住民が、肩を寄せ合う
ように集まり作った無許可住宅の密集地だ。
その名を九龍マウルという。
江南区の場合、豪勢な高層マンション群の放つ「光」とスラム街を
包み込む「闇」は、実は表裏一体の関係にあったのだ。
△スラム街の家屋の天井は2mにも満たない(画像は16年5月6日付ヘラルド経済新聞より)
その九龍マウルで、この9月、ようやくソウル市による公社主体の
開発計画が具体的に動き始めようとしている。
開発方法をめぐる市(民間主体)と区(公社主体、住民の居住継続
重視)の対立に加え、開発利益を狙う地主や住民の思惑、ここ以外
どこにも行き場のない貧しい高齢者の存在など、様々に複雑な阻害要因が
あったことは理解できるにしろ、この間の行政当局の動きの鈍さは、
怠慢の誹(そし)りをまぬかれない。
とは言え、今回、江南区の主張を受け入れ、公社主体の開発事業へと
方針を転換したソウル市の決断は、画期的な英断だった。
△マウルの教会(2016年撮影Daum地図ストリートビューより)
今、このマウルに必要なのは、神の愛ではなく、行政の決意と実行力だ。
△マウルの教会(2016年撮影Daum地図ストリートビューより)
今度こそ、再度、弱者を弾き飛ばす開発ではなく、弱者を包み込み弱者が
安心して暮らせる街作りを、この九龍マウルで実現してほしいものだ。
余計なお世話なのだろうが、「ヲタク」自身、その実現を心から祈っている。
(終わり)
当ブログでも既に紹介済みだが、NAVER地図やDaum地図にも、
Googleマップで言う、ストリートビュー機能がある。
△NAVER地図のストリートビュー
両サービスとも、撮影車1台が通れる公道さえあれば、どんな街にでも
果敢に入り込み、韓国全土のほぼ全ての街並みを画像に収めている。
△Daum地図のストリートビュー
通行人の顔や機密を要する施設、あるいは「青少年通行禁止区域」
(日本の旧赤線地帯のような通り)など、配慮が必要な部分には
ボカシが入ってはいるが、ソウルの一部に残る大規模なスラム街の
陰惨な情景なども例外なく撮影されており、ユーザーは、その
ありのままをモニター画面上で見ることができる。
そういうストリートビュー機能を使い、韓国のいろいろな街を
バーチャルドライブするのも、「ヲタク」の一つの趣味だ。
かなり陰気な趣味だが、性分(しょうぶん)なのでしかたない。
そして、ここ1、2週間、「ヲタク」が、毎日のように「ドライブ」
した街が、プサンの中華街と甘川港周辺だった。
目的は、ロシア人相手の商売をしている各種店舗の観察だった。
ここでは、あやしげな店の紹介は割愛しながら、観察の成果の一部を
記録しておく。
参考までに、画像は全てNAVER地図のストリートビューをキャプチャー
したものである。
■プサン中華街より
2016年夏のプサン訪問時、「ヲタク」は、中華街周辺の一般的な
食堂で、二度ほどロシア人とおぼしき人々と出くわした。
一度は、まるで女優のようなスラブ風金髪美女を目にする幸運に
恵まれた。
考えてみれば、中国やロシアは、朝鮮半島とは地続きの国だ。
分断国家の韓国であるとは言え、グローバル化は着実に進展している。
中国やロシアとの人的・物的交流が活発化するのは、むしろ当然の
流れなのかもしれない。
上の画像は、中国旅行とロシア旅行を同時に扱う旅行代理店。
西向きには中国語、南向きにはロシア語という看板の配置が
何とも面白い。
上の画像は、中華街中央の四つ角に面した店。
ロシア語で「サンクト=ピッチルブルク(ペテルブルグ)」と書いて
ある。靴屋さんだ。
おそらく、アメリカ兵が多かった時代には「ENGLAND SHOES」の
店名で靴を売っていたものと思われる。
釜山中華街を訪れる外国人の客層の変化が読み取れる看板である。
上の画像の店は、デボン・ゴールド店。韓国でも人気の、金の指輪や
腕輪、ネックレスなどを販売している店のようだ。
■甘川港周辺より
上の画像の店は、ビリヤード店(左)とスーパー(右)。
ロシア語では商店のことを「магази́н(マガジン)」と言うのが
面白い。
調べてみると、マガジンの語源はアラビア語で、元々の意味は「倉庫」。
英語では、「情報の倉庫」という比喩的な表現から、マガジンが
「雑誌」の意味を持つようになったのだという。
上の画像は、ロシア料理店「グローリア」。
近い将来、プサンの地でボールシ(ボルシチ)でも賞味して
みたいものだ。
上の画像の店は、ロシア語を直訳すれば「スウェーデン料理」。
日本でいう「バイキング料理」、あるいは「ビュッフェ」くらいを
意味するロシア語だ。
なお、この店ではウォッカ(во́дка)やビール(пи́во)、ソジュ=
韓国焼酎(соджу)も提供している。
(終わり)
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同じプサンの港でも、釜山港大橋や国際旅客ターミナルなどがある
釜山港と違い、甘川(カムチョン)港は一般の観光客にとっては非常に
なじみの薄い港である。
△コネスト韓国地図より
しかし、この甘川港は、韓国政府の国家戦略を背景に、近年、
東アジアにおける水産物の国際的な物流・貿易拠点として著しい
発展を遂げている。
湾内には遠洋漁船の漁獲物を受け入れる大型の加工工場や冷蔵倉庫が
立ち並び、船舶の修理工場団地や外国人船員向けの大型保養施設まで
完備されている。(※シーメンズセンターの様子など)
目下、甘川港を利用する外国の遠洋漁船は、そのほとんどがロシア船で、
例えば、辛子明太子の原料となるタラコの場合、ロシア産の
輸出(日本)向けタラコは、20年くらい前から全てがこの甘川港に
水揚げされている。
これくらいの予備知識を持って読みたいのが、以下の記事である。
何と、甘川港の一部地区で、ロシア船で飼われていたロシア犬の
一部が、下船後、船に戻らず(戻れず)野犬化し、問題になって
いるとのこと。
愛犬家の「ヲタク」としては、外国の港で野良犬と化した不憫な
ロシア犬たちが、何とか無事保護され、ロシア(または韓国)で
幸せな生活を送れるよう、祈らずにはいられない。
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■검역 안 된 러시아 개들 활보… 공포의 감천항
未検疫のロシア犬が闊歩...恐怖の甘川港
(釜山日報 8月17日)
러시아 선원 방치한 덩치 큰 개들 통제 안 돼
ロシア人船員が放置した複数の大型犬が野犬化
지난 10일과 12일 부산 감천항 일대를 돌아다니는 러시아 개들.
덩치가 크고 사나운 개들은 경비 업무를 맡고 있는 부산항보안공사
직원들도 무서워할 만큼 일대에서는 공포의 대상이다.
8月10日と12日、プサンの甘川港をロシア犬2匹が徘徊していた。
大型で獰猛なロシア犬は、港内の警備を担当する釜山港保安公社の
職員らも恐怖を感じるほど、一帯で恐怖の対象となっている。
ー以下省略ー
(終わり)
先日、仕事のからみで北九州市のシネコンに行く機会があったので、
この際と思い、新海誠の「君の名は。」を見てきた。
このアニメ映画を観る観客の年齢層は容易に想像できたので、
中高年男性としてはかなり勇気のいる行為だった。
それでも、前々から新海誠作品の映像に関心があったので、一度は
映画館で見てみたいと思っていたのだ。
ところで、彼の作品を特徴づける細緻で美しい風景描写には、
故郷である長野での彼自身の原体験が投影されていることを、
「ヲタク」は、つい最近知った。
彼は、あるインタビューの中で、「思春期の困難な時期に、風景の
美しさに自分自身が救われ、励まされてきたので、そういう感覚を
映画に込められたら、という気持ちはずっと一貫して持っている」と
いった主旨の発言をしている。
ここでは、そのことを紹介した韓国メディアの記事を一部、
翻訳練習させてもらった。
「ヲタク」自身の思春期はすでに化石と化したが、「まだ会った
ことのない何かを、探している」ような人生は、思春期以降も
ずっと続いているような気がする。
機会があれば、また、勇気を出して新海誠の作品を見に行きたい
ものだ。
なお、「君の名は。」が終了した後、銀幕のエンドクレジットに、
日本人に混じって多くの韓国人や中国人らしき人名が流れる
のを見た。
日本のアニメ産業に関わる多くの韓国人や中国人の前途に
幸多からんことを祈ったことも、あわせて書き添えておきたい。
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■'너의 이름은' 만든 신카이 감독, 아름다운 영상미 강조하는 이유
「君の名は。」制作の新海監督、美しい映像を強調する理由
(IT朝鮮 5月24日)
-略-
신카이 감독 작품은 배경이 아름답다는 공통점이 있다. 이에 대해 신카이
감독은 "사춘기 어려웠던 시기에 풍경의 아름다움이 내 자신을 구했고
힘을 줬기에 그런 감각을 영상에 담았으면 하는 마음을 작품에 담고
있다"고 '구름 저편 약속의 장소' 영상 제작기 인터뷰를 통해
밝힌 바 있다.
新海監督の作品は背景の美しさに共通点がある。これについて新海
監督は、「雲のむこう、約束の場所」の制作記録インタビューの中で
「思春期の困難な時期に、風景の美しさに自分自身を救われ、励まされて
きたので、そういう感覚を映像に込められたら、という気持ちで作品
作りに取り組んでいる」と語っている。
-略-
(終わり)
2、3年前からネットを中心に広がったという新造語の「국뽕」。
2016年9月1日現在、ネイバーニュースの検索結果からも、かなりの
使用頻度がうかがえる。(過去1か月で119本の記事に登場)
△ネイバーニュースより
「국뽕」(クッポン)とは、「국가(クッカ=国家)」と 「히로뽕
(ヒロポン=覚せい剤)」の合成語で「愛国中毒症」程度を意味する。
韓国内に存在する度が過ぎるナショナリズムを批判的な視点から
皮肉った言葉だ。
かつて「宗教は民衆のアヘン」と説いたマルクスの言に倣うなら、
「ナショナリズムは民衆の覚せい剤」とでも言ったところか。
確かに、根拠のあるなしに関わらず、誇らしい自国(自民族)の歴史や
文化に心酔し、その素晴らしい国家(民族)に所属する自分に自己陶酔
する時、人の脳内にはドーパミンが分泌され、精神的な快感に満たされる
こともあるだろう。
しかし、その種の陶酔や快感は、同時に人の理性を麻痺させ、場合に
よっては狂気を生み出す。
「ヲタク」としては、韓国はもちろん、日本や世界においても、
「국뽕」の暴走に歯止めをかける理性や良識の力が、大きくなって
行くことを願わずにはいられない。
(終わり)
参加カテゴリ:地域情報(アジア)