■독전 「毒戦」 2018年5月22日公開 〇〇〇〇-
(318)
香港ノワール「ドラッグ・ウォー 毒戦」の韓国リメイク版。
現在も上映中(5月22日公開)の大ヒット作で、観客動員は500万を
超えた。
最近になって、ようやく、「ヲタク」がひいきにしている中国系の
動画共有サイトで見れるようになった。
正体不明の麻薬王を追う刑事の物語だが、この映画の最大の特徴は、
何と言っても、謎を残したままに終わるラストシーン。
雪原にある麻薬王の隠れ家で、テーブルを挟んで向かい合う刑事と
麻薬王。
麻薬王はコーヒーを入れている。
ほどなく、雪原には家の中で発射された一発の銃声が響き渡るが、
誰が誰を撃ったのかはわからないまま映画は終わってしまう。
結末を教えない、ある意味、非常に意地悪な映画である。
(終わり)
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■그날,바다 「その日、海」 2018年 〇〇〇〇〇
(317)
世界に大きな衝撃を与えたセウォル号沈没事件(2014年4月)から
丸4年が経過した今年4月、セウォル号の沈没原因を科学的に解明
しようとするドキュメンタリー映画が公開された。
犠牲者の追悼には、何よりも事故原因の真相解明が欠かせないとする
強い思いから、制作された作品だ。
この映画では、これまで、政府の公式見解などから沈没原因とされて
きた操舵ミスや積み荷の過積載、船体の改造などとは全く別次元の
原因があったことを、多くの生存者の証言や写真、映像、科学的な
データ分析などを元に訴えている。
△錨を引きずりながら走る船のCG映像(映画より)
その真の原因とは、セウォル号が、何らかの理由により船首左側の錨
(いかり)を引きずって走っていたことにある、とする一見、突飛な
主張だ。
△左側の錨は降りているか、巻き上げている途中(映画より)
しかし、公式見解で事故があったとされる2時間ほど前から、
セウォル号が4度ほど船首左側に大きな衝撃を受け、船にブレーキが
かかったようになり、左に急旋回するとともに、遠心力の向きとは
逆の左側に傾いたことなどが、生存者の証言や各種の画像、科学的な
データ解析などで確認されている。
△沈む直前の左側錨は、巻き上げられてはいるが黒の塗装が完全にはげた状態
このドキュメンタリー映画が提示する客観的な事実や証言に接する限り、
「ヲタク」も、セウォル号沈没の真の原因が、船首左側の錨にあったと
考えざるを得ない。
△海底地形とL(左への急旋回)の相関関係(映画より)
今からでも遅くはない。
韓国の関係当局には、犠牲者の魂を慰霊し、事故の再発を防止する
ためにも、1日も早く、真摯な姿勢で事故の真の原因を解明して
いただきたいものである。
年に1、2度とは言え、日韓旅客船を利用している立場の「ヲタク」と
しても、強く願っている。
(終わり)
■그날의 분위기 「その日の雰囲気」 2016年 〇〇〇--
(316)
2016年公開のラブコメディ。
釜山フィルムコミッションの資料で、プサンでの撮影シーンが多い
映画と知り、見てみた。
△海雲台の高層ビル街(映画より)
内容的には思っていた以上にヒューマンな作品だった。
△プサン駅(映画より)
プサン出身のプレイボーイの男性が、ソウル発プサン行のKTX
(高速鉄道)で隣の席に乗り合わせた女性に一目ぼれし、真実の
愛に目覚めて行く、という展開だ。
△プサン駅前の歩道で主人公の先輩は工事中のマンホールに落ちる(映画より)
事前に仕入れていた情報通り、プサンの風景がたくさん出てくる
映画だった。
△映画に登場したプサン駅前の歩道(Daum地図/2017年1月撮影より)
特に、「ヲタク」もよく知るプサン駅前の歩道(草梁洞)が登場する
シーンには、興奮させられた。
(終わり)
■로봇,소리 「ロボット、ソリ」 2016年 〇〇〇〇-
(315)
2016年に公開された映画。一部の場面がプサンで撮影された映画
なので見た。
2003年に発生した大邱地下鉄放火事件で娘を失った父親が主人公。
彼は、娘の死を受け入れられないまま、10年以上、「失踪」した娘を
さがし続けている。
その彼が、偶然、出会った高度の通信傍受機能を持つアメリカ製のAI
(人口知能)ロボットの協力を得ながら、娘の生きた軌跡を追い、娘が
この世に残した真実の思いと再会を果たす。
意思と感情を持つに至ったロボット(主人公は「ソリ<音>」と
名付けた)と主人公の心の交流には、素直に胸を打たれた。
非常に見ごたえのある映画だった。
なお、偶然にも、この映画の主人公の娘の名前が、「ヲタク」が昨日、
当ブログで紹介した妻の姪の子どもの名前と同じだったことには、
ゾクッとするほど驚かされた。
決してありふれた名前ではない。むしろ、珍しい部類に入る名前だ。
偶然の意味を考えることほど無意味なことはない。
しかし、必然と偶然が絡まり合いながら日常が作られ、その日常の
積み重ねが人生であることを思えば、この偶然の一致は、実に
感慨深い。
(終わり)
この夏のプサン訪問では、「ヲタク」単独で初めて妻の姪家族と
会食することにした。
「ヲタク」は、元来、人間好きな方ではあるが、正直、人付き合いは
苦手なので、これまで、妻の親戚とも限られた場面を除き、単独での
付き合いはしてこなかった。
しかし、今回は、妻も強力にプッシュしてきたので、プサンで妻の
姪家族と会うことにした。
妻の姪は、海雲台から引っ越し、現在、西面の高層アパートに
暮らしている。
彼女は、妻の姉の娘で、年の頃は30代の前半。
その昔、「ヲタク」の妻の初産(ういざん)前後の養生のため、妻の
姉が「ヲタク」の家に3か月ほど滞在し、妻の世話をしてくれたことが
あった。
その時、小学校入学前の姪もいっしょに「ヲタク」の家で過ごした。
電話に興味を持った彼女に、「もしもし、ちょっとまってください」の
日本語を教え込み、毎回、彼女が受話器をとっていたことが、懐かしく
思い出される。
また、彼女が子どもの頃、大分や山口のキャンプ場に、4、5回は
連れて行ったはずだ。山口の海水浴場では、「ヲタク」の子ども
たちといっしょに浮き輪で遊んでいて、危うく離岸流にさらわれ
そうになるなど、肝を冷やした出来事もあった。
△妻の姪っ子の夫と子ども(カカオトークより)
彼女の夫は30代後半で、プサンの大手造船会社に務めている。
プサンでの会食は、韓牛の焼き肉を予定しているが、お金は
姪家族が出してくれるのだそうだ。
△カカオトークのやりとりより
中高年男の体面もあり、少し迷ったが、今回については姪家族に
甘えるつもりでいる。
なお、「ヲタク」は、姪っ子から「イモブ(母親の姉妹の夫)」と
呼ばれている。
(終わり)
■남과 여 「男と女」 2016年 〇〇---
(314)
2015年に制作されたラブロマンス。
プサン駅が登場する映画ということで見てみた。
内容は、単なるラブロマンスというより、お互いに家庭を持つ男女の
恋、つまり不倫である。
建築家の男性とファッション業界に身を置く女性が、フィンランドで
出会い、ソウルで逢瀬(おうせ)を重ね、フィンランドで別れるまでの
苦しくも情熱的な恋の軌跡を描いた。
いわゆる修羅場や破滅はない。
△プサン駅東口の展望デッキを訪れた2人(映画より)
途中、2人の逢引(あいびき)シーンとして、一瞬ではあるが、プサン駅
東口の展望デッキが登場。
△プサン駅東口展望デッキを歩く2人(映画より)
いくら外国(フィンランド)とは言え、「(たばこの)火、貸して
もらえます?」(女性)の一言から、その日の内にお互いの名前も
知らないまま体の関係を持った2人に、始終、感情移入できなかった
「ヲタク」が、唯一、興奮したシーンだった。
△プサン駅東口展望デッキ(2016年7月「ヲタク」撮影/関連ブログ記事)
このデッキは、「ヲタク」が、写真の撮影スポットとして目をつけて
いる場所だ。
この夏のプサン訪問でも、「ヲタク」はプサン到着後ほどなくして、
このデッキを歩くはずだ。
もちろん、1人で。
■당신,거기 있어줄레요 「あなた、そこにいてくれますか?」
2016年 〇〇〇--(※禁煙啓発◇◇◇◇◇)
(313)
2016年、フランスのベストセラー「時空を超えて」を映画化した
韓国映画。110万を超える観客を動員した。
と言って特に原作に興味があったわけではなく、映画撮影の舞台が
プサンだったので、見ることにした。
●[당신, 거기 있어줄래요] '당신의 모습' 뮤직비디오
30年の時空を超え、2人の自分と2人の親友が、恋人と自分の命を
救う。そして、30年の時空を超え、ついに成就する若き日の恋。
中高年向きのメルヘンチックなラブストーリーと言ったところか。
それにしても、この映画を見て、つくづく禁煙したいと思った。
(※禁煙啓発映画としてなら、個人的に最高の評価を与えたい作品で
ある)。
主人公は、30年の時空を超え、愛する女性と結ばれるために、
禁煙した。もし、禁煙していなければ、女性と再会する前に
肺がんで死ぬ運命だったのだ。
(終わり)
韓国において犬肉食需要が最も高まる夏場を前に、犬肉食をめぐり、
大きな動きが起きている。
YTNの報道によれば、最近、韓国でも最大と言われる犬肉市場を抱える
城南市(ソウルの衛星都市)が、市内の食用犬施設を強制的に
撤去した。
裁判所はすでに、「食用犬のは違法」との判断を示している。
犬肉食は韓国のみならずアジアの伝統文化とも言えるので、判断が
難しいところではあるが、個人的には、韓国も犬肉食の面で1日も
早く「脱亜」して欲しいと願っている。
(終わり)
■챔피언 「チャンピオン(直訳)」 2018年5月公開 〇〇---
(312)
2018年、110万を超える観客を動員した映画。
ある誤解からアメリカの腕相撲会を除名された韓国系アメリカ人の
男が、生まれ故郷の韓国で腕相撲選手として再起を果たす物語。
この映画で主演を務めた男優、マ・ドンソク自身が韓国系アメリカ人。
アメリカでのミュージカル俳優としての経歴に加え、大学で学んだ
トレーニング技術を生かしアメリカでトレーナーとして働いていた
経験も持つ、韓国映画界でも異色の俳優だ。
映画の中では、思う存分(?)アメリカ人の英語を披露していた。
■살인재능 「殺しの才能」 2015年 〇----
(311)
2015年に公開されたスリラー風のノワール映画。
保険会社を首になり再就職もままならない男が、恋人の弟に頼まれ、
いやいや手伝った車泥棒をきっかけに、恐るべき犯罪に手を染めて
いくことになる。
夜のネオン街で代理運転の運転手を待つ酔客ばかりをねらい、業者に
なりすまし、依頼者を送ると見せかけ、人目のない場所で依頼者を
殺害、死体を山中に埋めた後、自動車を闇のブローカーに売り渡す
のだ。
最後は、男の犯罪を知ってしまった恋人の弟の口を封じた後、男は
弟の殺害を恋人に打ち明け自首する。
そして、男が犯罪の過程で偶然、手に入れた大金の入った通帳が、
恋人の元に宅配で届けられるシーンで映画は終わる。
物語の展開に吸い込まれはしたが、内容的には理解に苦しむ、非常に
薄気味の悪い映画であった。
(終わり)
家で中高生新聞(週刊)をとっている「ヲタク」の知人が、6月15日付の
新聞をくれた。
理由は、表紙を飾った米朝首脳会談(6月12日)の写真。
「ヲタク」が韓国オタクであることを知っている知人が、記念に、と
わざわざ持ってきてくれたのだ。
発行元が自民党応援団のような新聞社であることに加え、会談に水を
差すような内容の記事を読み、しばらく当ブログへの掲載を迷って
いたが、結局、公開することにした。
この週末、米朝首脳会談の報道写真を見ながら、あらためて朝鮮半島の
緊張緩和や米朝国交正常化を強く祈念した「ヲタク」であった。
いつの日にか、釜山発の国際列車に乗って、平壌はもちろん、中国の
大連やロシアのウラジオストクまで自由に旅行できるようになることを、
「ヲタク」は本気で夢見ている。
(終わり)
■날,보러와요 「消された女」 2016年 〇〇〇--
(311)
2016年、100万を超える観客を動員し、興行的には一定の成功を
収めたスリラー映画。
△清楚なイメージのカン・イェウォン
主人公を演じたカン・イェウォン目当てで見た。
この映画ほど、彼女の迫力ある演技や様々な表情を見れる映画は
ないかもしれない。
△呆然とするカン・イェウォン
主人公の義父は、幼い義理の娘に性的な虐待を加えた悪徳警察署長。
その上、義父は、母親を癒着関係にある悪徳精神病院に強制入院させ、
死亡させた上、母親の財産の横取りをたくらんでいた。
主人公は、命がけで母親を病院から救い出そうとするが、病院が火事に
なり、結局、母親は院長らの道ずれにされ、死んでしまう。
△激しく自己主張するカン・イェウォン
主人公は復讐のため義理の父親を射殺し、殺人容疑で逮捕される。
しかし、調査報道で名高いTVプロデューサーの男を騙(だま)し、
義父の死亡の真相が自殺であることを示唆するような番組を作らせ、
世論を味方につけた。
△何かをたくらむカン・イェウォン
殺人容疑が問われた彼女の裁判の判決は無罪。
この映画でカン・イェウォンが演じた女性は、同情できる部分は
大いにあるとは言え、非常にしたたかでずる賢い女だった。
△冷たい表情のカン・イェウォン
細かく見れば、物語の展開につじつまが合わない部分が散見され、
決して完成度の高い作品とは言えないが、総じてなかなか見ごたえの
ある映画だった。
(終わり)
■친구 「友へ チング」 2001年 〇〇〇〇〇
(309)
2001年、韓国で初めて800万を超える観客を動員した大ヒット作。
プサン出身の映画監督が、自らの経験を元に創作した抒情的なノワール
映画だ。
●유한별, 김진석 - 친구 (MV)
幼なじみ4人のうち2人が、高校を中退し、それぞれプサンの裏社会で
対立する別組織に身を置くことになり、起きる悲劇を描いた。(監督が
モデルとなった物語の回想者は大学に進学し、アメリカに留学する)
△相対立する組織に身を置くことになったチュンソク(右)とトンス(左)
この映画については、VHSとDVD、日本のテレビ放送、そして
インターネットの動画共有サイトと、時の流れの中でメディアは
移り変わりつつも、何度も何度も繰り返し見て来た。
「ヲタク」は、この夏、この映画のロケ地を、初めて意識的に観光する
予定にしている。
△トンスとの会談が決裂し会場を出たチュンソク
場所は、プサン市東区凡一洞の国際ホテル前。
△「ヲタク」が触る予定の電信柱
裏社会に身を置く幼なじみの一人がメッタ刺しに会い、命を落とした
電信柱を、この手で触って来ようと思っている。
△電信柱にもたれ刺されるトンス
ネイバー地図のストリートビューで確認する限り、ロケ地の周辺は、現在も
ロケ当時とほとんど変わっていない。
△ネイバー地図より
街路樹はなくなっているが、スーパーも電信柱もちゃんとある。
△抗争での殺人教唆を認め服役することになるチュンソク
この夏のプサン訪問が楽しみである。
(終わり)
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■비정규직 특수요원 「非正規職 特殊要員」 2017年 〇〇---
(308)
全くのB級映画だが、「ヲタク」の好きな女優2人が主役を演じた
アクションコメディ。
2017年公開の、わりと新しい映画だ。
△カン・イェウォン(左)とハン・チェア(右)
情報機関で臨時職として働くさえない女性(カン・イェウォン)と
敏腕女性刑事(ハン・チェア)の2人が、ニセ電話詐欺グループの
会社に潜入し、組織のボスをつきとめ、逮捕するまでの活躍を
コミカルに描いている。
△格闘術に長けた気の強い刑事役を演じたハン・チェア
それにしても、女優とは大したものだ。
この映画で、ドジな主人公を演じた女優が、「ヲタク」のハートを
奪った、あのカン・イェウォンだとは、にわかには信じられなかった。
△ドジな三枚目を演じたカン・イェウォン
髪型を変え、トンボ眼鏡をかけただけで、こうも人間の印象が
変わるとは。
こうした3枚目キャラでは、せっかくの彼女の美貌が台無しである。
この映画は、どう見ても、カン・イェウォンの魅力を引き出すことに
失敗している。
△カン・イェウォンの魅力が垣間見えたワンシーン
それでも、いくら三枚目の役作りをしようが隠しきれない彼女本来の
魅力を、ラストシーンでほんの一瞬とは言え、垣間見れたことは、
ファンとしての喜びであった。
(終わり)