韓国映画「脱走」(鑑賞番号2105)には、非常に面白いキャラクターの
男が登場する。
北朝鮮軍幹部の息子で、保衛部(北朝鮮版KGB)少佐の男が、その男だ。
主人公の父親が男の父親の専属運転手をしていた関係で、男は幼いころから
主人公を弟のようにかわいがっている。主人公も、男からもらった探検家
アムンゼンの伝記を大事にし、兵舎にまで持ち込んでいるほどだった。
男は、また、若い頃、ピアニストを目指し、ロシアに留学した経験もある。
△主人公と境界線に背を向け、北朝鮮に戻っていく男
当然のように北朝鮮の国家体制に対する忠誠心が非常に高い男は、主人公の
脱北を阻止しようと最後の最後、境界線まで主人公を追い続け、ついには
主人公を射殺する機会を手に入れる。しかし、結局、主人公にとどめを
刺すことなく、実質、主人公の韓国入国を助け、1人、境界線に背を向け、
北朝鮮に戻って行った。
その男が北朝鮮で隠し続けている秘密があった。
△ロシア留学時代の恋人(知人男性)からかかってきた電話
それは、彼がゲイ、あるいは両性愛者であることだ(男は結婚したばかり
で妻は妊娠中)。
△自分には秘密にできなかった秘密
男は、ロシア留学時代に愛し合った同じ国の恋人(美青年)を携帯電話に
сукин сын, которого я любила
の名で登録していた。名詞のみならず動詞や形容詞、関係代名詞にも男性・
女性・中性の区別があるのがロシア語だ。昔の恋人の登録名をなるべく
正確に日本語に訳すならば
私(女性)が愛したクソ野郎(男性)
になる。
つまり、男は女性の心で男性の恋人を愛していた、ということだ。
ちなみに、このロシア語が登場したシーンに、韓国語の字幕は付いて
いなかった。ロシア語が分からない人の目には、ただ、謎めいたロシア語
としてのみ映ったことだろう。
・・以上、ロシア語が少しできるおかげで(※ブログ主はロシア語検定
3級保持者)、ロシア語を知らない韓国人よりも、ちょっとだけ深く韓国
映画を理解できることもある、という話であった。
(終わり)
男が登場する。
北朝鮮軍幹部の息子で、保衛部(北朝鮮版KGB)少佐の男が、その男だ。
主人公の父親が男の父親の専属運転手をしていた関係で、男は幼いころから
主人公を弟のようにかわいがっている。主人公も、男からもらった探検家
アムンゼンの伝記を大事にし、兵舎にまで持ち込んでいるほどだった。
男は、また、若い頃、ピアニストを目指し、ロシアに留学した経験もある。
△主人公と境界線に背を向け、北朝鮮に戻っていく男
当然のように北朝鮮の国家体制に対する忠誠心が非常に高い男は、主人公の
脱北を阻止しようと最後の最後、境界線まで主人公を追い続け、ついには
主人公を射殺する機会を手に入れる。しかし、結局、主人公にとどめを
刺すことなく、実質、主人公の韓国入国を助け、1人、境界線に背を向け、
北朝鮮に戻って行った。
その男が北朝鮮で隠し続けている秘密があった。
△ロシア留学時代の恋人(知人男性)からかかってきた電話
それは、彼がゲイ、あるいは両性愛者であることだ(男は結婚したばかり
で妻は妊娠中)。
△自分には秘密にできなかった秘密
男は、ロシア留学時代に愛し合った同じ国の恋人(美青年)を携帯電話に
сукин сын, которого я любила
の名で登録していた。名詞のみならず動詞や形容詞、関係代名詞にも男性・
女性・中性の区別があるのがロシア語だ。昔の恋人の登録名をなるべく
正確に日本語に訳すならば
私(女性)が愛したクソ野郎(男性)
になる。
つまり、男は女性の心で男性の恋人を愛していた、ということだ。
ちなみに、このロシア語が登場したシーンに、韓国語の字幕は付いて
いなかった。ロシア語が分からない人の目には、ただ、謎めいたロシア語
としてのみ映ったことだろう。
・・以上、ロシア語が少しできるおかげで(※ブログ主はロシア語検定
3級保持者)、ロシア語を知らない韓国人よりも、ちょっとだけ深く韓国
映画を理解できることもある、という話であった。
(終わり)