福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

映画と北朝鮮対岸の島

2020年03月31日 |  ┗注目女優

위드  「ウィズ」 2017年 〇〇---
(1033)



2017年に公開されたインディーズ系の恋愛ドラマ。


△コネスト地図より

物語の舞台は、北朝鮮の対岸に位置する島、キョドン(喬桐)島。

余命幾ばくもない若い作家が、生涯最後の作品を執筆するため
喬桐島に渡り、終(つい)の棲家となるペンションを借りる。


▲村の장승/将軍標と主人公(映画より)▼カカオマップより


そして、作家はその島で、交通事故で亡くなった婚約者に瓜二つの
女性に出会う。


△1人2役を演じた主演女優はハ・ソミ(映画より)

前借金をかたに島の売春喫茶で働かされている薄幸の女性だが、
小説好きで作家の大ファンでもあった。


▲インチョン市江華郡喬桐面(映画より)▼カカオマップより


作家は人生最後の時間をその女性と過ごすことになり、女性は作家の
死後、作家の未完成の遺作を共同執筆者として完成させる。

その作品が、女性に新しい生活をもたらしたかどうかについては、
映画は教えてくれないまま終わる。


△1か月余りの短くも濃密な日々を男と過ごした女(映画より)

作家の最期を看取った女性に幸多からんことを願いつつ、映画を
見終えた「ヲタク」であった。


(終わり)


韓映画と脱北者の別れ

2020年03月30日 |  ┗注目女優

국경의 남쪽   「国境の南側」 〇〇〇--
(1032)



2006年に公開された異色の恋愛ドラマ。

主人公は、北朝鮮出身の男女。

2人は、ピョンヤンに暮らしていた頃、韓国で結婚する
ことを誓い合い、まず最初に男が脱北し、韓国への
入国に成功する。

男は、定着資金などまとまったお金をブローカーに
渡し、女の韓国入国を待ったが、ブローカーは詐欺師
だった。

男は気持ちを切り替え、再度、女の脱北資金を準備
するため、ソウルで懸命に働く。

そんな男の元に、女が北で結婚したとの情報が伝わる。

絶望した男は、ソウルで知り合い、情を交わした
女性と結婚し、家庭を持った。


△男と結婚する韓国人女性を演じたのはシム・ヘジン(映画より)

しかし、実際は、女は結婚していなかった。


△脱北女性を演じたのはチョ・イジン(映画より)

そればかりか、男と会うために命がけで豆満江を渡り、
韓国への入国を果たした。

2人はソウルで数年ぶりの再会を果たすが、それは
2人の新たな苦悩の始まりを意味した。


△男が韓国で結婚していたことを知った女(映画より)

男は苦しんだ末、韓国で作った家庭を捨て、女と
生活することを決断するが、女は男から身を引く
ことを決断し、男の前から姿を消す。


△ソウルで抱擁する脱北者の男女(映画より)

後に、男は、同じ脱北者を通じ、女が脱北者
支援員のまじめな韓国人(警察官)に見染められ、
結婚したことを知らされ、映画は終わる。

なかなか見ごたえのある映画だった。


(終わり)


佐賀のトイレとハングル

2020年03月30日 |  〇4言語表示等

週末、佐賀市内の大型ショッピングモールを訪れた際、
トイレを利用した。



そこで目にした4か国語表示。

この種の表示は、かなり以前から一般化している
ものだが、とりあえず今回は、スマホの無音カメラで
撮影してみた。



(終わり)


串揚げ放題とハングル

2020年03月29日 |  〇4言語表示等

この春から、福岡県内の実家を離れ、佐賀市で大学生活を
始める「ヲタク」の末っ子。

週末、末っ子の引っ越しのため、親子3人で佐賀市を訪れた。

そこに福岡市に住む社会人の長女が合流。



佐賀市内の大型ショッピングモールで夕食を取ることにした。



入った店は、「ヲタク」には未知で、その上、理解不能の
串揚げビュッフェ店。



末っ子のリクエストだ。



システムがわかると、なかなか面白い趣向の店で、
中高年の「ヲタク」でも、そこそこセルフ串揚げを
楽しめた。



ところで、このチェーン店では、外国人観光客の
来店も歓迎しているらしく、気が付くと店内外の表示物の
多くが4か国語表記だった。



日本語の他は定番の英語、中国語、韓国語の3か国語。



ハングルを目にした「ヲタク」の脳内には、例によって
アドレナリンが大量噴出。



さっそく手持ちのスマホで写真撮影。



はたして、外国人も日本の串揚げビュッフェを楽しむのであろうか?



90分、揚げ放題・食べ放題で通常2399円(税抜き)。


(終わり)


韓映画と「元寶」の意味

2020年03月29日 |  〇映画・映画音楽

방안의 코끼리 「部屋の中のゾウ<見て見ぬふり>」 〇〇---
(1031)



2016年に公開されたインディーズ系のオムニバス。
全く性格の異なる3本の短編が1つになった作品だ。

ここでは、3作についての解説は省くが、例によって
気になったシーンを一つだけ記録しておく。

それは、2作目の「세컨 어카운트」(セカンドアカウント)に
登場した仁川中華街のワンシーン。


△インチョン中華街のメインストリート(映画より)

スクリーン(画面)左手に写りこんだ1軒の中華料理店の
店名が気になった。



「元寶」なる店名である。

釜山中華街にも「金元寶」なる店があることを思い出した。

調べて見ると、「元寶(元宝)」とは、元朝時代の貨幣に
由来する中華圏の縁起物で、財を招く力があると広く
信じられているものだった。

小さな発見ではあるが、意外と大きな自己満足を感じた
「ヲタク」であった。



(終わり)


韓映画とW不倫と元鞘

2020年03月28日 |  〇映画・映画音楽

우묵배미의 사랑  「くぼ地の愛」 1990年 〇〇---
(1030)



1990年に制作されたコメディタッチの不倫劇。

ソウル近郊の小さな縫製工場で働く男女が、お互い
家庭のある身でありながら、恋に落ちる。


△不倫の恋に落ちた縫製工の男女(映画より)

いわゆるW不倫だ。

そして、一旦はお互いに家庭を捨ていっしょに
暮らし始めるが、結局は家庭に戻る。

中途半端なつかの間の恋ではあったが、物語の
展開にはそこそこ引き込まれた。


(終わり)


韓映画と国会議員選挙

2020年03月27日 |  〇映画・映画音楽

정직한 후보 「正直な候補」 2020年 〇〇〇--
(1029)



2020年2月に公開され152万を超える観客を動員した
社会派のブラックコメディ。

2014年にブラジルで大ヒットした同名映画の韓国版
リメイク作品だ。


△「国民サイダー」とは「国民の清涼剤」くらいの意味(映画より)

他の国会議員と同じく、日ごろからメディアや有権者の
前ではウソしか口にしていなかった1人の議員が、4期目の
選挙戦の最中に霊的な衝撃を受け、ホントのことしか
言えなくなってしまい、起きる悲喜劇。


△日本式居酒屋で候補者が食べていたおいしそうな刺身(映画より)

政治家たちの偽善を上手に風刺した、けっこう笑える
映画だった。


(終わり)


韓国映画と草梁駅の謎

2020年03月26日 |  〇映画・映画音楽

개그맨   「コメディアン」 1989年 〇----
(1028)



1989年に公開されたコメディ映画。

ソウルのキャバレーでコメディアンをしているドジな
男が、脱走兵からもらった機関銃と弾薬を道具に、2人の
仲間とともに銀行を襲い、最後に破滅してしまうドタバタ
犯罪コメディ。

ただし、ラストシーンで、この映画の全ての物語が、
主人公の男が散髪中に見た白昼夢であったことが
わかる。

拍子抜けである。

「ヲタク」の趣向には合わない映画だった。


△画面には釜山鎮駅の表示(映画より)

なお、この映画の終盤部で主人公らの逃走の地であり、
破滅の場所としてプサンが登場したが、鉄道駅の表示が
どうにも腑に落ちなかった。


△1980年代においても国鉄草梁駅はないはず(映画より)

と言うより、不正確であった。

この映画が撮影された1980年代にも国鉄草梁駅は
存在しないし、地下鉄駅では北から佐川、釜山鎮、
草梁、釜山の順番である。



(終わり)


韓国映画と少年売春

2020年03月25日 |  〇映画・映画音楽

시호 「シホ」 2020年 〇〇---
(1027)



2020年2月に公開された社会派の青春ドラマ。

主人公は、1人親の父親を病気で亡くした高校生。
高校では舞踊科で学んでいるイケメンの少年だ。

その彼が、父親の看病人だった30代の女性に淡い
恋心を抱き、彼女を助けるために、ホストクラブで
アルバイトを始める。


△少年は30万ウォン(約3万円)でヌナ<年上女性>たちに買われた(映画より)

そのクラブでは、女性客が若いホストをお金で買う
ことが当たり前に行われており、少年もお金欲しさから
売春に手を染めていく。

一方、少年が守ろうとした女性は、彼女のことを
真剣に愛する中年男性と出会い、やがて結ばれていく。

少年は、女性に母の愛を求めていた自分に気づき、
静かに彼女から身を引き、そしてホストもやめる。

ちょっと中途半端な気がしないでもない展開だったが、
物語には引き込まれた。



(終わり)


韓映画と日本のネトウヨ

2020年03月24日 |  〇映画・映画音楽

일진 나쁜 녀석들 「不良 悪い奴ら」 -----
(1026)



2020年に公開されたインディーズ系の学園アクション。

この映画の特徴は、何と言っても、悪役が日本人高校生の
不良グループである点。

しかも、彼らが、ソウルで悪さを働いているという設定だ。


△日の丸を背にした悪役の日本人番長(映画より)

韓国人高校生を面と向かって「チョーセンジン」と罵る
場面も含め、全くリアリティのない漫画チックな
展開だった。


△ネトウヨ的な日本人高校生の不良グループ(映画より)

とは言え、一部、少なからざる日本人が実際に韓国
(北朝鮮)に対して抱いている蔑視感や拒否感を
赤裸々に代弁するようなシーンもあるにはあった。

いわば、ネットを飛び出し、ソウルに姿を現した
ネトウヨ不良高校生たちだ。


△日本人不良の旭日旗スマホ(映画より)

はたして、普通の韓国人高校生らは、こうした映画を
どういう目で見るのだろう?(普通の高校生なら、見ない
確率の方が高いが・・・)


△「上から目線」で竹島問題をネタに韓国人をおちょくる日本人不良(映画より)

気になるところではある。



(終わり)


韓国映画と銀河鉄道999

2020年03月23日 |  ┗注目女優

기쁜 우리 젊은 날  すばらしき我が青春の日々」 1987年
(1025) 〇〇〇〇〇



1987年に公開された恋愛ドラマ。


△主演女優はファン・シネ(映画より)

あるドジな大学生の男が、1人の美しい女子学生に
一目ぼれする。


△男は女性にゆで卵とジュースをすすめるが拒否される(映画より)

そして、大学を卒業した後も、何年間も一途に1人の
女性だけを思い続けた男が、ついに彼女と結ばれ、
バラ色の幸せをつかんだかに見えた。


△男の思いが女性に伝わる(映画より)

しかし、人生とは、全く持ってママならぬもの。

彼女は、文字通り命をかけて一人娘を出産し、産後
すぐに天に召されてしまう。

可笑しくて悲しくて、それでいて心の温まる、実に
いい映画だった。

ところで、この映画では、ラストシーンに登場した
小物に、強く関心を引かれた。


△男は娘からもゆで卵とジュースを拒否される(映画より)

主人公が昔、女性といっしょに座った同じベンチに
娘と座って語り合う、悲しくも心温まるシーンに、
「ヲタク」もよく知る日本のアニメ作品(銀河鉄道999)が
登場していたのだ。

娘のスケッチブックを入れたカバンのカバーだ。

これには、時代と国境と民族と文化を超えた、不思議な
共感を覚えずにはおれなかった。

この際、著作権問題の可能性をあげつらったりするのは、
野暮というもの。



(終わり)


韓国映画とキリスト教

2020年03月23日 |  〇映画・映画音楽

바리새인 「パリサイ人」 〇----
(1024)



2015年に公開されたインディーズ系の青春ドラマ。

主人公は、大学の哲学科に入学したばかりの内省的で
きまじめな青年。

倫理的に厳格なキリスト教信者の家庭に育ち、彼自身、
強い信仰を持っていたが、性的な欲望を抑えることが
できなくなり、苦悩する。


△食事前のお祈りをする主人公家族(映画より)

一旦は、自分や家族をイエスを迫害したパリサイ人
(形式ばかりを重んじる偽善者)と重ね、自暴自棄に
陥るが、やがて、性欲のみならず様々な弱さを持つ
自分を受け入れ、穏やかな信仰と生活を手にしていく。

キリスト教徒の多い韓国ならではの映画なのだろうが、
「ヲタク」の趣向には合わない作品だった。


(終わり)


韓国映画と可愛い子役

2020年03月22日 |  〇映画・映画音楽

악몽   「悪夢」 -----
(1023)



2020年に公開されたインディーズ系のミステリー。

主人公は映画監督の男。


△主人公と娘(映画より)

幼稚園に通う娘の死亡事故。娘の死亡事故と自分の
浮気との関係。そして、妻の浮気。自分の浮気相手に
よる妻の殺害。彼による浮気相手の殺害。

現実と夢に映画(劇中劇)まで加わり、何が真実で
何が虚構なのか、全くわからない物語が展開される。

病的な精神世界を映像化したような映画である。

「ヲタク」の趣向には全く合わなかった。


△子役の名前はシン・リナ(映画より)

唯一印象に残ったのは、子役の幼女が非常に
愛らしかったことくらいか。


(終わり)


佐賀のビビンバ

2020年03月22日 | 【日常の韓国】


△末っ子も今年の春からついに女子大生

ありがたいことに、「ヲタク」の末っ子が佐賀県の国立大学
合格させてもらった。


△最近、「佐賀のおいちゃん」(亡祖母の一番下の弟)が亡くなったばかり

2020(令和2)年度の前期試験に失敗(同大同学部)
した後に臨んだ後期試験での合格だったので、感激も
ひとしおである。


△大学構内にある美術館

専門は、芸術地域デザイン学部の芸術表現コース。


△生協会館に向かう母娘

特別成績がいいわけでもなければ、天才的に絵がうまい
わけでもなかった末っ子。


旧制佐賀高校時代の外国人講師寄宿舎

それでも、高校3年間、美術部でがんばり、センター
試験では、得意科目(国語)での健闘に救われ、国英社
3教科の合計得点率を何とか65%近くにまで持って行けた。
(河合塾の予想ボーダーは前期61%、後期64%)


△地元の絵画塾で鉛筆デッサンを練習していた末っ子

2次の実技試験(鉛筆デッサンを選択)に向けては、
短期間ではあったが地元の美術塾のお世話にもなった。


△絵画塾での末っ子の練習作品

「絵が好き」という末っ子の気持ちを信じて応援するしか
なかった「ヲタク」も、これで一安心である。

ところで、先日、末っ子のアパートを決めるため佐賀市に
行った折、大型のショッピングモールに寄った。


△ビビンバと冷麺の専門店

フードコートで食事を取ったのだが、その際、韓国料理の
店を目にした。

この種のフードコートで韓国料理を目にするのは珍しい。


△ショッピングモール2階のフードコート

記念に撮影しておいた。


△長崎皿うどんは「ヲタク」の大好物

ただし、その日、「ヲタク」が食べたのは、韓国料理
ではなく、中華の長崎皿うどん(固めん焼きそば)。


(終わり)


全羅南道の伝統的葬儀

2020年03月21日 |  〇映画・映画音楽

축제  「フェスティバル」 1996年 〇〇〇〇〇
(1022)



1990年代の韓国映画を代表する名作の一つ。


△亡き兄に代わり喪主を務めた主人公(映画より)

主人公は、ソウルで作家として成功した40代の男。


△故人の手も綺麗に包む(映画より)

彼が、兄嫁家族と同居していた母親の訃報を受け、故郷の
全羅南道の漁村に戻り、土地の慣習に則り、3日間に
わたる葬儀を執り行う。


△葬儀3日目、土葬のため、棺を山に運ぶ(映画より)

その間に起きるドタバタ劇を、ヒューマンな視点で描いた
ドラマだ。


△祭りの神輿のような棺(映画より)

おかしくも悲しく、そして心温まる、実に見ごたえの
ある映画だった。


△葬儀終了後の記念撮影(映画より)

韓国語字幕の付いた作品(韓国映像資料院)を見れば、
全羅道方言の学習にもなる作品だ。

(終わり)