■위드 「ウィズ」 2017年 〇〇---
(1033)
2017年に公開されたインディーズ系の恋愛ドラマ。
△コネスト地図より
物語の舞台は、北朝鮮の対岸に位置する島、キョドン(喬桐)島。
余命幾ばくもない若い作家が、生涯最後の作品を執筆するため
喬桐島に渡り、終(つい)の棲家となるペンションを借りる。
▲村の장승/将軍標と主人公(映画より)▼カカオマップより
そして、作家はその島で、交通事故で亡くなった婚約者に瓜二つの
女性に出会う。
△1人2役を演じた主演女優はハ・ソミ(映画より)
前借金をかたに島の売春喫茶で働かされている薄幸の女性だが、
小説好きで作家の大ファンでもあった。
▲インチョン市江華郡喬桐面(映画より)▼カカオマップより
作家は人生最後の時間をその女性と過ごすことになり、女性は作家の
死後、作家の未完成の遺作を共同執筆者として完成させる。
その作品が、女性に新しい生活をもたらしたかどうかについては、
映画は教えてくれないまま終わる。
△1か月余りの短くも濃密な日々を男と過ごした女(映画より)
作家の最期を看取った女性に幸多からんことを願いつつ、映画を
見終えた「ヲタク」であった。
(終わり)
■국경의 남쪽 「国境の南側」 〇〇〇--
(1032)
2006年に公開された異色の恋愛ドラマ。
主人公は、北朝鮮出身の男女。
2人は、ピョンヤンに暮らしていた頃、韓国で結婚する
ことを誓い合い、まず最初に男が脱北し、韓国への
入国に成功する。
男は、定着資金などまとまったお金をブローカーに
渡し、女の韓国入国を待ったが、ブローカーは詐欺師
だった。
男は気持ちを切り替え、再度、女の脱北資金を準備
するため、ソウルで懸命に働く。
そんな男の元に、女が北で結婚したとの情報が伝わる。
絶望した男は、ソウルで知り合い、情を交わした
女性と結婚し、家庭を持った。
△男と結婚する韓国人女性を演じたのはシム・ヘジン(映画より)
しかし、実際は、女は結婚していなかった。
△脱北女性を演じたのはチョ・イジン(映画より)
そればかりか、男と会うために命がけで豆満江を渡り、
韓国への入国を果たした。
2人はソウルで数年ぶりの再会を果たすが、それは
2人の新たな苦悩の始まりを意味した。
△男が韓国で結婚していたことを知った女(映画より)
男は苦しんだ末、韓国で作った家庭を捨て、女と
生活することを決断するが、女は男から身を引く
ことを決断し、男の前から姿を消す。
△ソウルで抱擁する脱北者の男女(映画より)
後に、男は、同じ脱北者を通じ、女が脱北者
支援員のまじめな韓国人(警察官)に見染められ、
結婚したことを知らされ、映画は終わる。
なかなか見ごたえのある映画だった。
(終わり)
週末、佐賀市内の大型ショッピングモールを訪れた際、
トイレを利用した。
そこで目にした4か国語表示。
この種の表示は、かなり以前から一般化している
ものだが、とりあえず今回は、スマホの無音カメラで
撮影してみた。
(終わり)
この春から、福岡県内の実家を離れ、佐賀市で大学生活を
始める「ヲタク」の末っ子。
週末、末っ子の引っ越しのため、親子3人で佐賀市を訪れた。
そこに福岡市に住む社会人の長女が合流。
佐賀市内の大型ショッピングモールで夕食を取ることにした。
入った店は、「ヲタク」には未知で、その上、理解不能の
串揚げビュッフェ店。
末っ子のリクエストだ。
システムがわかると、なかなか面白い趣向の店で、
中高年の「ヲタク」でも、そこそこセルフ串揚げを
楽しめた。
ところで、このチェーン店では、外国人観光客の
来店も歓迎しているらしく、気が付くと店内外の表示物の
多くが4か国語表記だった。
日本語の他は定番の英語、中国語、韓国語の3か国語。
ハングルを目にした「ヲタク」の脳内には、例によって
アドレナリンが大量噴出。
さっそく手持ちのスマホで写真撮影。
はたして、外国人も日本の串揚げビュッフェを楽しむのであろうか?
90分、揚げ放題・食べ放題で通常2399円(税抜き)。
(終わり)
■방안의 코끼리 「部屋の中のゾウ<見て見ぬふり>」 〇〇---
(1031)
2016年に公開されたインディーズ系のオムニバス。
全く性格の異なる3本の短編が1つになった作品だ。
ここでは、3作についての解説は省くが、例によって
気になったシーンを一つだけ記録しておく。
それは、2作目の「세컨 어카운트」(セカンドアカウント)に
登場した仁川中華街のワンシーン。
△インチョン中華街のメインストリート(映画より)
スクリーン(画面)左手に写りこんだ1軒の中華料理店の
店名が気になった。
「元寶」なる店名である。
釜山中華街にも「金元寶」なる店があることを思い出した。
調べて見ると、「元寶(元宝)」とは、元朝時代の貨幣に
由来する中華圏の縁起物で、財を招く力があると広く
信じられているものだった。
小さな発見ではあるが、意外と大きな自己満足を感じた
「ヲタク」であった。
(終わり)
■우묵배미의 사랑 「くぼ地の愛」 1990年 〇〇---
(1030)
1990年に制作されたコメディタッチの不倫劇。
ソウル近郊の小さな縫製工場で働く男女が、お互い
家庭のある身でありながら、恋に落ちる。
△不倫の恋に落ちた縫製工の男女(映画より)
いわゆるW不倫だ。
そして、一旦はお互いに家庭を捨ていっしょに
暮らし始めるが、結局は家庭に戻る。
中途半端なつかの間の恋ではあったが、物語の
展開にはそこそこ引き込まれた。
(終わり)
■개그맨 「コメディアン」 1989年 〇----
(1028)
1989年に公開されたコメディ映画。
ソウルのキャバレーでコメディアンをしているドジな
男が、脱走兵からもらった機関銃と弾薬を道具に、2人の
仲間とともに銀行を襲い、最後に破滅してしまうドタバタ
犯罪コメディ。
ただし、ラストシーンで、この映画の全ての物語が、
主人公の男が散髪中に見た白昼夢であったことが
わかる。
拍子抜けである。
「ヲタク」の趣向には合わない映画だった。
△画面には釜山鎮駅の表示(映画より)
なお、この映画の終盤部で主人公らの逃走の地であり、
破滅の場所としてプサンが登場したが、鉄道駅の表示が
どうにも腑に落ちなかった。
△1980年代においても国鉄草梁駅はないはず(映画より)
と言うより、不正確であった。
この映画が撮影された1980年代にも国鉄草梁駅は
存在しないし、地下鉄駅では北から佐川、釜山鎮、
草梁、釜山の順番である。
(終わり)
■시호 「シホ」 2020年 〇〇---
(1027)
2020年2月に公開された社会派の青春ドラマ。
主人公は、1人親の父親を病気で亡くした高校生。
高校では舞踊科で学んでいるイケメンの少年だ。
その彼が、父親の看病人だった30代の女性に淡い
恋心を抱き、彼女を助けるために、ホストクラブで
アルバイトを始める。
△少年は30万ウォン(約3万円)でヌナ<年上女性>たちに買われた(映画より)
そのクラブでは、女性客が若いホストをお金で買う
ことが当たり前に行われており、少年もお金欲しさから
売春に手を染めていく。
一方、少年が守ろうとした女性は、彼女のことを
真剣に愛する中年男性と出会い、やがて結ばれていく。
少年は、女性に母の愛を求めていた自分に気づき、
静かに彼女から身を引き、そしてホストもやめる。
ちょっと中途半端な気がしないでもない展開だったが、
物語には引き込まれた。
(終わり)
■일진 나쁜 녀석들 「不良 悪い奴ら」 -----
(1026)
2020年に公開されたインディーズ系の学園アクション。
この映画の特徴は、何と言っても、悪役が日本人高校生の
不良グループである点。
しかも、彼らが、ソウルで悪さを働いているという設定だ。
△日の丸を背にした悪役の日本人番長(映画より)
韓国人高校生を面と向かって「チョーセンジン」と罵る
場面も含め、全くリアリティのない漫画チックな
展開だった。
△ネトウヨ的な日本人高校生の不良グループ(映画より)
とは言え、一部、少なからざる日本人が実際に韓国
(北朝鮮)に対して抱いている蔑視感や拒否感を
赤裸々に代弁するようなシーンもあるにはあった。
いわば、ネットを飛び出し、ソウルに姿を現した
ネトウヨ不良高校生たちだ。
△日本人不良の旭日旗スマホ(映画より)
はたして、普通の韓国人高校生らは、こうした映画を
どういう目で見るのだろう?(普通の高校生なら、見ない
確率の方が高いが・・・)
△「上から目線」で竹島問題をネタに韓国人をおちょくる日本人不良(映画より)
気になるところではある。
(終わり)
■기쁜 우리 젊은 날 「すばらしき我が青春の日々」 1987年
(1025) 〇〇〇〇〇
1987年に公開された恋愛ドラマ。
△主演女優はファン・シネ(映画より)
あるドジな大学生の男が、1人の美しい女子学生に
一目ぼれする。
△男は女性にゆで卵とジュースをすすめるが拒否される(映画より)
そして、大学を卒業した後も、何年間も一途に1人の
女性だけを思い続けた男が、ついに彼女と結ばれ、
バラ色の幸せをつかんだかに見えた。
△男の思いが女性に伝わる(映画より)
しかし、人生とは、全く持ってママならぬもの。
彼女は、文字通り命をかけて一人娘を出産し、産後
すぐに天に召されてしまう。
可笑しくて悲しくて、それでいて心の温まる、実に
いい映画だった。
ところで、この映画では、ラストシーンに登場した
小物に、強く関心を引かれた。
△男は娘からもゆで卵とジュースを拒否される(映画より)
主人公が昔、女性といっしょに座った同じベンチに
娘と座って語り合う、悲しくも心温まるシーンに、
「ヲタク」もよく知る日本のアニメ作品(銀河鉄道999)が
登場していたのだ。
娘のスケッチブックを入れたカバンのカバーだ。
これには、時代と国境と民族と文化を超えた、不思議な
共感を覚えずにはおれなかった。
この際、著作権問題の可能性をあげつらったりするのは、
野暮というもの。
(終わり)
■바리새인 「パリサイ人」 〇----
(1024)
2015年に公開されたインディーズ系の青春ドラマ。
主人公は、大学の哲学科に入学したばかりの内省的で
きまじめな青年。
倫理的に厳格なキリスト教信者の家庭に育ち、彼自身、
強い信仰を持っていたが、性的な欲望を抑えることが
できなくなり、苦悩する。
△食事前のお祈りをする主人公家族(映画より)
一旦は、自分や家族をイエスを迫害したパリサイ人
(形式ばかりを重んじる偽善者)と重ね、自暴自棄に
陥るが、やがて、性欲のみならず様々な弱さを持つ
自分を受け入れ、穏やかな信仰と生活を手にしていく。
キリスト教徒の多い韓国ならではの映画なのだろうが、
「ヲタク」の趣向には合わない作品だった。
(終わり)
△末っ子も今年の春からついに女子大生
ありがたいことに、「ヲタク」の末っ子が佐賀県の国立大学に
合格させてもらった。
△最近、「佐賀のおいちゃん」(亡祖母の一番下の弟)が亡くなったばかり
2020(令和2)年度の前期試験に失敗(同大同学部)
した後に臨んだ後期試験での合格だったので、感激も
ひとしおである。
△大学構内にある美術館
専門は、芸術地域デザイン学部の芸術表現コース。
△生協会館に向かう母娘
特別成績がいいわけでもなければ、天才的に絵がうまい
わけでもなかった末っ子。
△旧制佐賀高校時代の外国人講師寄宿舎
それでも、高校3年間、美術部でがんばり、センター
試験では、得意科目(国語)での健闘に救われ、国英社
3教科の合計得点率を何とか65%近くにまで持って行けた。
(河合塾の予想ボーダーは前期61%、後期64%)
△地元の絵画塾で鉛筆デッサンを練習していた末っ子
2次の実技試験(鉛筆デッサンを選択)に向けては、
短期間ではあったが地元の美術塾のお世話にもなった。
△絵画塾での末っ子の練習作品
「絵が好き」という末っ子の気持ちを信じて応援するしか
なかった「ヲタク」も、これで一安心である。
ところで、先日、末っ子のアパートを決めるため佐賀市に
行った折、大型のショッピングモールに寄った。
△ビビンバと冷麺の専門店
フードコートで食事を取ったのだが、その際、韓国料理の
店を目にした。
この種のフードコートで韓国料理を目にするのは珍しい。
△ショッピングモール2階のフードコート
記念に撮影しておいた。
△長崎皿うどんは「ヲタク」の大好物
ただし、その日、「ヲタク」が食べたのは、韓国料理
ではなく、中華の長崎皿うどん(固めん焼きそば)。
(終わり)
■축제 「フェスティバル」 1996年 〇〇〇〇〇
(1022)
1990年代の韓国映画を代表する名作の一つ。
△亡き兄に代わり喪主を務めた主人公(映画より)
主人公は、ソウルで作家として成功した40代の男。
△故人の手も綺麗に包む(映画より)
彼が、兄嫁家族と同居していた母親の訃報を受け、故郷の
全羅南道の漁村に戻り、土地の慣習に則り、3日間に
わたる葬儀を執り行う。
△葬儀3日目、土葬のため、棺を山に運ぶ(映画より)
その間に起きるドタバタ劇を、ヒューマンな視点で描いた
ドラマだ。
△祭りの神輿のような棺(映画より)
おかしくも悲しく、そして心温まる、実に見ごたえの
ある映画だった。
△葬儀終了後の記念撮影(映画より)
韓国語字幕の付いた作品(韓国映像資料院)を見れば、
全羅道方言の学習にもなる作品だ。
(終わり)