何の自慢にもならない話だが、日本語ではともに「シャー」と表記する
しかないロシア文字の「Ш」と「Щ」について
、ブログ主が両者の
違いを明確に理解するまでに約5年を要した。(
カギは反り舌音か否か、
にあった。)
独学者が、時に非常に非効率的な学習を強いられる、一つの例だろう。
実は、この夏から独学を始めたベトナム語でも、早くも独学者の壁に
ぶつかってしまった。今のブログ主には全く理解ができない、実に
不可解な難問だ。
それは、例えば「学」という漢字に由来するベトナム語の発音。この
言葉自体は、「勉強する」という意味を持つ、基本中の基本となる語彙だ。
この「学」という言葉を、ベトナム語の文字表記に則り、原則通りに
発音すれば、「hok」(※便宜的なアルファベット表記。以下同様。)
となる。
△「ゼロから1人でベトナム語」(あさ出版)より
現在、ブログ主が使っているテキストでも、カタカナで「ホック」と
ルビが振ってある。
ところが、である。
ブログ主が、テキスト付属の音声データ(ネイティブの発音)を何度、
再生し聞き返してみても、全く「hok」には聞こえないのだ。
ブログ主の耳に聞こえてくる音は、どう聞いても「hop」。(少しわかり
にくいが、参考までに
Google 翻訳の音声をリンクしておく。)
ところで、先日、この問題と関連して、ブログ主はおもしろい発見をした。
△便宜的な表記ではあるものの、はっきりと
「홉/hop」の文字が見える
韓国のネイバーが提供しているベトナム語辞典では、「学」の発音を、
ハングルではっきりと「홉」(hop)と表記しているではないか。
一般に、韓国語は語末の子音(韓国語では「パッチム」)の発音を厳格に
区別している。
その韓国のベトナム語辞書が(今のところ1冊だけとは言え)、ブログ主の
耳の正しさを証明してくれたことは、実に心強いことである。
ただし、それでも、「学」を始め、いくつかの単語の語末子音の発音が
原則からずれている理由まではわからない。
ネットで関連サイトをいろいろと検索してはいるが、いまだに、その疑問を
解消してくれる明快な説明には出会えていない。
と言うより、文字(特に語末の子音)と実際の発音の間にズレが存在する
ことについて触れたサイトさえ見つけ切れていないのが実情だ。この夏、
ベトナム語の学習を始めて間もないブログ主でさえ、すでにいくつかの
単語で文字と発音がずれている事例にぶつかっているというのに・・。
何とも、もどかしい限りである。
あるいは、この問題には、それぞれにかなり異なる北部(一般的に
ベトナム語と呼ばれている方言)、中部、南部の3方言が公的に並存して
いる、ベトナム語に特有の事情が関わっているのかもしれない。
いずれにしろ、かつてロシア語学習で経験した例のように、いつの日にか、
この不可解な疑問をきれいに解消できる日が来ることを信じて、粘り強く、
かつ陰気にベトナム語の学習を続けて行くしかなさそうだ。
(終わり)