■김종욱 찾기 「あなたの初恋探します」 2010年 -----
(577)
2010年、110万を超える観客を動員した恋愛ドラマ。
初恋相手を探す興信所の社長と依頼人の女性が恋に落ち、結ばれる
物語。
退屈すぎて、見続けることに苦痛を感じた映画だった。
唯一印象に残ったのは、男性主人公が興信所を起こす前、添乗員を
務めていた旅行会社で、ヨン様の真似をして中高年の日本人女性客を
喜ばせていたシーンだった。
△ヨン様のコスプレで日本人観光客と記念撮影する主人公(映画より)
冬ソナのロケ地らしき観光地での記念撮影の最中、彼は、日本人の
おばちゃんから激しい(?)セクハラを受け、憤慨のあまり、仕事を
途中で放棄する。
△偽ヨン様のヒップを鷲づかみにする日本のおばちゃん(映画より)
おばちゃんともなると行動様式が男性化していくのだろうか?
苦笑を誘われるシーンだった。
それにしても、2004年に突如、巻き起こった、あのヨン様(冬ソナ)
ブームとは、一体、何だったのだろう?
正直、あのブームの正体について、いまだに「ヲタク」は、確固たる
見解を持つことができないままでいる。
多くの日本人が隣国の大衆文化に目を向ける、いいきっかけには
なったのだろうが、「嫌韓」一色に染まったかに見える、昨今の
日本社会の風潮を見るにつけ、複雑な気持ちになる。
日本社会は、韓国を始めとする近隣諸国に対し、もっと多面的、
多角的な視点から関心を向けていく必要があるのではないだろうか?
(終わり)
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■고령화 가족 「ブーメランファミリー」 2013年 〇〇〇--
(576)
2013年、110万を超える観客を動員した家族ドラマ。
母親と2人で実家に暮らす刑務所帰りの長男。そこに生活苦から実家に
戻った三流映画監督の次男が加わり、さらに妹まで高校生の娘を連れ
実家に戻って来た。
この5人の家族が織りなすドタバタ劇を通じて、強い家族愛を描いた
コメディータッチのヒューマンドラマだ。
△この動画は「바지사장」を英語で「straw owner」(見せかけのオーナー)と訳していた
ところで、この映画では、韓国語の「바지사장」(直訳=ズボン社長)の
持つ、深い意味を知ることができた。
長男が、拉致された姪っ子を闇の風俗店から救い出すため、旧知の
暴力組織が経営する闇カジノの「名義上の社長」を引き受ける。
その時、彼が語ったセリフを通じて、学ぶことができたのだ。
△長男が刑務所行きを覚悟の上、「名義人社長」を引き受けた闇カジノ(映画より)
つまり、闇カジノが警察に摘発された場合、本当の経営者の代わりに
逮捕され、法的な責任をかぶり刑を務める「トカゲのしっぽ」のような
名義人社長のことを俗に「바지사장」というのだ。
韓国語の原語には、いつでも脱ぎ捨てることのできるズボンのような
立場の社長という意味が込められているのだろうか?
いずれにしろ、この「바지사장」。
長い間、そういう言葉があるのは知っていたが、よく意味がわからない
まま、放っておいた言葉だった。
(終わり)
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1月29日(火)、複数の韓国メディアで紹介されたアムールトラの
子どもの動画を深追いしてみた。
ロシア語学習者(初級)として、韓国の報道の元ネタであるロシアの
情報に直接、触れてみたいと考えたのだ。
プサンのロシア人街(中華街)で何度もボルシチを食べた人間としての
意地もあった。
Сразу четыре тигренка попали на видео
в нацпарке «Земля леопарда»
△2018年12月「ヒョウの国」国立公園で撮影されたアムールトラの子ども(公式ビデオ)
関連の公式ビデオ(YouTube)は、意外と簡単に見つかった。
野生のトラの子どもたちの仕草が、何とも愛らしい。動物好きの
中高年「ヲタク」にとっては、まさに癒しの動画である。
ところで、Googleマップでは、ロシア語の«Земля леопарда»を
日本語で「ヒョウの国」(Land of the Leopard National Park)と
訳してあった。
ウラジオストクの近郊ではあるが、ロ中朝の3か国が国境を接する
密林地帯に位置するヒョウやトラなど野生動物の保護区だ。
■안녕, 형아 「奇跡の夏」 2005年 〇〇〇--
(575)
2005年、110万(公式統計)を超える観客を動員した家族ドラマ。
実話を元に創作された映画である。
主人公は小学生の男の子。兄が脳腫瘍にかかり入院し、数度の
手術の末、視力は失うが何とか命は助かる。
しかし、兄と同じ病室で闘病していた関係で仲良くなった男の子は、
兄が最後の手術を受けた同じ日、亡くなってしまう。
子どもの目を通して描かれた、実に切ない出会いと別れの物語だった。
△主人公の男の子は遊戯王が大好き(映画より)
ところで、この映画で「ヲタク」の印象に強く残ったのは、韓国の
子どもたちを取り巻く日本文化の存在感の大きさだった。
△亡くなった友人の足元に遊戯王カードを置く主人公(映画より)
例えば、主人公の男の子は遊戯王が大好き。
彼は、友人が亡くなった時、足元に宝物の遊戯王カードと花を置き、
彼なりの精一杯の真心で友人の冥福を祈った。
また、男の子のアパートの居間のテレビからは、当たり前のように
日本アニメが流れていた。
テレビ画面に映る日本風の家や日本料理(すき焼き?)。
△この料理はすき焼きか?
意識するしないは別として、現代の韓国人の子どもたちほど、
日本文化にどっぷり浸かって生活している外国の子どもも珍しい
のではないだろうか。
(終わり)
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■연애술사 「恋愛術士」 2005年 〇〇---
(574)
2005年に公開され、110万(公式統計)を超える観客を動員した
社会派のラブコメディ。
プロのマジシャンでプレイボーイの男が、ラブホテルでの女性との
情事を盗撮され、ネット上のエロサイトにさらされる。
△2人の情事をさらしたエロサイト(映画より)
彼は、いっしょに被害にあった美術教師の元カノ(後に盗撮動画が
うわさになり学校を首になる)と協力して盗撮犯を探す。
結局、犯人を見つけ出すことはできなかったが、調査の過程で真実の
愛に目覚めた2人は、結ばれる。
なお、ホテルや便所、更衣室などにおける盗撮犯罪は、現在なお、
韓国社会の深刻な社会問題であり続けている。
たとえ「男のたしなみ」程度とは言え、長年にわたり、ネット上の
関連サイト(主に極めてノーマルな巨耳系塾女作品)のお世話に
なっている「ヲタク」に、えらそうなことを書く資格はないのかも
しれない。
しかし、そんな「ヲタク」も、「天」(パソコンのハードディスク)に
誓って、盗撮犯罪や変質的趣味だけは、絶対に許容できないッ。
この映画を見て、あらためて韓国でも日本でも、盗撮犯罪を防ぐ
対策が進むことを強く望んだ「ヲタク」であった。
(終わり)
対馬海峡を往来する日韓フェリー、ニューかめりあ号が、就航15周年を
記念し、破格のキャンペーンを実施する。
△ニューかめりあホームページより
うまくいけば、博多-プサン間を、たったの3000円で往復できる。
にわかには信じられない話である。
△キャンペーンの内容(予定)より
それでなくても今年は、訪韓時のプサンの宿泊で、妻の実家の
空き部屋を使わせてもらうことになっている。
この格安フェリーまで利用できれば、今年は3回ほどプサンに行ける
かもしれない。
楽しみである。
(終わり)
■장수상회 「チャンス商会 ~初恋を探して~ 」 2015年
(573) 〇〇〇--
2015年に公開され、110万を超える観客を動員した家族ドラマ。
△現在、再開発話が持ち上がっている商店街と主人公のスーパー(映画より)
主人公の老人は、学生の頃、一目ぼれした初恋の女性と結婚して
スーパーを成功させ、1男1女をもうけ、幸せな家庭を築いた。
△若き日の主人公家族(映画より)
しかし、老後、アルツハイマー病にかかり、自分がスーパーの古参
店員であるという自覚以外の全ての記憶をなくしていく。
医者が言うには、家族に迷惑をかけたくない、という強い思いが
病気に加わり、そういう自覚が形成されたのではないか、という
ことだった。
△家族の歴史を記録したカメラはNikon(映画より)
医者の勧めもあり、老人の自覚(認識世界)を混乱させないよう、
家族は老人を近くで見守りながら、一人暮らしをさせる。
そんな老人が、近所に越してきた老女に人生で最後の恋をする。
その恋の相手は、実は妻。
記憶を失っても、新しく恋した相手が妻であり、初恋の女性だった
とは、何ともメルヘンチックなラブコメディーである。
(終わり)
■스윙키즈 「スウィング・キッズ」 2018年 〇〇〇〇〇
(572)
2018年12月に公開され140万を超える観客を動員した映画。
朝鮮戦争の時代、慶尚南道の巨済島にあった捕虜収容所を舞台に、
アメリカ軍軍曹を中心とするタップダンスチーム「スウィングキッズ」の
活動と悲劇を描いたフィクションドラマ。
△巨済島の捕虜収容所(映画より)
所長の命令で捕虜のダンスチームを作った軍曹は、ブロードウェイの
元プロダンサーだが、舞台でも戦場でも差別される立場にある黒人。
その彼の元に集まったのは、朝鮮人民軍の捕虜、中国人民義勇軍の
捕虜に加え、人民軍兵士に間違えられ捕虜になった避難民、そして
米兵相手の酒場で働く韓国人女性。
差別と貧困の中から生まれたアメリカ黒人のタップダンスが、戦争の
不条理の中を生きるアジアの若者たちの胸に希望と熱情を呼び起こして
いく様は、実に感動的だった。
△国際赤十字の視察の際に行われたチームによる公演(映画より)
考えてみれば、「ヲタク」がタップダンスなるものに心を打たれ、
カタルシスまで感じさせられたのは、この映画が初めてだ。
ダンスチームの最後は、あまりにも残酷なものだったが、彼らの
スィング(ジャズ特有のリズム感)の輝きは、誰にも消せやしない。
久しぶりにいい映画を見させてもらった。
(終わり)
■PMC 더 벙커 「PMC ザ・バンカー」 2018年 〇----
(571)
2018年12月に公開され、160万を超える観客を動員したアクション
映画(現在も上映中)。
今やアメリカの軍事行動に欠かせない存在となっているのが、
「PMC(民間軍事会社)」。作戦にかかわって「職員」が何人死傷
しようが、正規軍の死傷者数にはカウントされないなど、非常に
「使い勝手の良い」戦闘部隊である。
この映画の舞台は近未来の朝鮮半島。主人公は、韓国軍の特殊部隊
出身で、現在はアメリカ系の民間軍事会社で部隊長をしている。
△元韓国軍特殊部隊員が率いるPMC部隊(映画より)
彼の部隊が、アメリカのCIAから極秘依頼を受け、亡命を希望している
北朝鮮の将軍を38度線近くの地下バンカー(軍事施設)で保護し、
北朝鮮国外に連れ出す作戦に従事することになった。
ところが、いざ作戦が始まるや、いきなり地下バンカーに北の最高
指導者が現れたり、中国と契約した民間軍事会社の大部隊が介入する
など、想定外の事態が発生し、彼の部隊は絶体絶命の危機に陥る。
最後は、主人公と北朝鮮の医師の2人が、命からがら窮地を脱する、
というハチャメチャな展開。
映画のセリフはほとんどが英語(ハングル字幕)で、「ヲタク」の
趣向にも全く合わないアクション映画であった。
(終わり)
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■돈의 맛 「蜜の味 ~テイスト オブ マネー~ 」 2012年 〇----
(570)
2012年に公開され、110万を超える観客を動員した成人指定映画。
△財閥家の金庫は5万ウォンの札束でいっぱい(映画より)
名門大を卒業した後、財閥企業に就職し、現在は財閥家の秘書室長と
して働く男が主人公。
△政治家への裏金をトランクにつめる主人公(映画より)
彼は、政界への裏金工作も手伝えば、屈辱に耐えつつ、財閥家の
実質的当主(前会長の娘)である老女に性的なサービスも提供する。
△老女への性的サービス(映画より)
一方で、当主の娘(バツイチの出戻り)からも好意を寄せられ、徐々に
財閥家の醜悪な家族関係の中に組み込まれていく。
△当主の娘に誘惑される主人公(映画より)
女性問題の不始末から自殺に追い込まれた会長(入り婿)の悲劇を
目の当たりにしながらも、お金と権力の「味」を知った彼に、もう
後戻りはできなかった。
中高年男の「ヲタク」としても、当主の娘の誘惑に乗り、いわゆる
「逆・玉の輿」に乗ろうとする男の気持ちもわからないではなかった。
いずれにしろ、この映画にどれほどの真実味があるのかは別として、
財閥一族の醜悪な内実がよく描かれた映画であった。
(終わり)
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■슬로우 비디오 「スロービデオ」 2014年 〇〇---
(569)
2014年に公開され、110万を超える観客を動員したメルヘンチックな
ラブコメディ。
△主人公が勤務するソウル某区の防犯カメラ統合管制センター(映画より)
防犯カメラのモニターとにらめっこをしながら、さながらバーチャルな
防犯パトロールを行っていた男が、モニターの中に、子どもの頃、
好きだった女性を偶然、発見する。
以後、彼は、モニターを通じ、彼女の日常を熱心に追い続けることに
なった。
まかり間違えばストーカーである。彼女も、ある日突然、目の前に
現れた彼のことを、最初は「変態」と誤解する。
△防犯カメラをモニタリングする係員(映画より)
しかし、やがて誤解も解け、男の一途な恋心が彼女のハートをつかむ。
そして、男の大活躍により、夜道を歩く彼女に迫った危機(連れ去り
犯罪)を未然に察知し、容疑者を現行犯逮捕することもできた。
△街のあちこちに防犯カメラ(映画より)
ところで最近、韓国では、この映画と同じように、防犯カメラ統合
管制センターを設置し、防犯カメラのモニタリング(パトロール)を
行う自治体が増えているとのこと。
プライバシーの保護にどういう配慮がなされているのか、気になる
ところだが、犯罪の予防や捜査に防犯カメラの映像を積極活用して
いくことは、もはや時代の要請なのかもしれない。
とは言え、「いつも誰かに監視されている社会」とは、ちょっと
不気味な社会ではある。
(終わり)
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■서양골동양과자점 앤티크 「アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~」
(568) 2008年 〇----
2008年に公開され、110万を超える観客を動員した異色コメディ。
原作は、同名の日本の少女(腐女子)漫画。
ケーキ店を舞台に、パティシエ(ゲイ)や店長など、4人の美男子が
繰り広げる同性愛的世界をコミカルに描いている。
△フランス人ゲイまで登場(映画より)
「ヲタク」の趣向には全く合わず、生理的な嫌悪感を催すシーンも
多々あったが、いわゆる腐女子たちの趣向について知る、という
意味では貴重な映画だった。
(終わり)
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