■여섯개의 밤 「6つの夜」 〇〇〇--
(1864)
2023年に公開されたインディーズ系のヒューマンドラマ。
ニューヨーク行きの飛行機がエンジントラブルで釜山の金海空港に
緊急着陸し、乗客たちは代替機を待つため、用意されたヘウンデの
ホテルで一夜を過ごすことに。
ホテルで出会い、相手との関係を通じ新しい人生の可能性を見つける
若い男女。ホテルでお互いの人生観に関わる深い亀裂に直面し、結婚を
取り消し、結局、男性だけがアメリカに向かうことになる婚約者の
カップル。激しい口げんかの末、お互いへの理解を深め、絆を回復する
母と娘。
3組6人の人間たちが、それぞれ相手との率直で真剣な対話を通じ、自分
らしい人生を生きるための新しい一歩を踏み出す物語だった。
映画を見終わって、あらためて、その意味をかみしめることになった
のが、映画の冒頭で紹介された
マルチン・ブーバーの言葉だった。
マルチン・ブーバーとは、「我と汝」の「対話」の哲学で知られる
ユダヤ系の宗教哲学者。
「人は人を通してのみ人となる」
「人生は出会いで決まる」
「対話とは、相手が存在することを認め合うことである」
「始めることさえ忘れなければ、人はいつまでも若くある」
「一人一人が、いまだかつて存在したことのない唯一無二の存在である。
それはつまり、あなたにしか果たせないことがこの世にはあるという
ことだ」
今回、初めて知ったことだが、彼の哲学の結晶は数々の名言となり、
自分の人生を模索する世界中の人々を励まし続けている。
この映画では、マルチン・ブーバーという1人の哲学者の存在を知った
ことが、最大の収穫だったと言えよう。
(終わり)