■터치 「タッチ」 2012年 〇〇---
(781)
2012年に公開されたインディーズ映画。
幼稚園に通う娘が一人いる30代の夫婦の物語。
夫は射撃の国家代表選手だったがアル中になり現役を退き、
現在は、女子高で射撃部の期間制コーチをしながら病気からの
回復をめざしている。
△「え?なぜ松たか子が流暢な韓国語を?」(映画より)
一方、妻は、病院で介護のパートをしながら、家計を助けている。
△妻を演じた主演女優はキム・ジヨン
その2人が、生活(お金)のため良心やプライド、羞恥心を押し殺し、
場合によっては犯罪にさえ手を染めながらも、ギリギリのところで
良心を取り戻し、小さな幸福を誠実に追い求める。
この映画では、最初から最後まで、見る角度によっては松たか子に
しか見えない女優が気になってしかたなかった。
■맹부삼천지교 「孟父三遷の教え」 2004年 〇〇---
(780)
2004年に公開されたコメディタッチの人情家族ドラマ。
主人公は、江南(富裕層の住む地区)の同じアパートに住む2組の
父子家庭。
息子をソウル大に行かせることに自分の人生の全てをかけて
きた父親は、息子の教育のため3度も引越しをした後、やっと
自分の間違いに気づき、息子の夢である音楽大学進学を応援する
ようになる。
一方、ヤクザということで、長年、娘からうとまれてきた
父親(濃い慶尚道方言を話す)は、やっと娘と気持ちを
通わせることができるようになり、初めて「お父さん」と呼んで
もらった。そして、娘のカナダ留学を機に、ヤクザの世界から
足を洗い、カナダで小さな商売を始める。
「ヲタク」の趣向には合わない映画だったが、慶尚道方言が
聞けたことをはじめ、そこそこ楽しめた。
(終わり)
■사자 「使者」 2019年 〇〇〇--
(779)
2019年7月に公開され、160万を超える観客を動員したホラー風の
アクション映画。
ある日、突然、亡くなった父親を通じ神から神秘的な力を授かった
青年が、「神の使者」として、カトリックの神父と力を合わせ、
エクソシスト(悪魔祓い)を行うようになった。
△ラスボス、「黒の司祭」を打ち倒した主人公(映画より)
そして最後に、悪魔が人に憑りつくことを助ける「黒の司祭」
(悪魔の手先)を探し出し、打ち倒す。
「ヲタク」の趣向には合わない映画だったが、物語の展開には
すっかり引き込まれてしまった。
■건달티처 「ヤンキー先生」 2019年 〇----
(778)
2019年に公開された学園ドラマ。
高校生の頃、番長だった青年が、荒れた高校に臨時教師として
赴任する。
△セグウェイに乗って登場した元番長先生(映画より)
そして、不良高校生グループの対立抗争に巻き込まれてしまうが、
体を張って決闘を阻止することで、不良たちを退学処分から守る。
しかし、その過程で自分が暴力をふるった責任を取り、潔く
学校を退職し去っていく。
そういう先生に感謝しながら、不良たちは改心し、自分の人生を
まじめに考えるようになった。
深みのない映画だったが、そこそこ楽しめた。
(終わり)
韓国語オタクの自分ではあるが、次回のロシア語能力検定試験でも
3級を受験するつもりだ。
そろそろ次回(10月)の試験の申し込みが始まっているのでは
ないかと思い、今日、ホームページを開いて見てびっくり。
何と、申し込みが始まっているどころか、締切が今週の土曜日。
あぶない、あぶない。
危うく締切日が過ぎてしまうところだった。
さっそく今日、ホームページ上から手続きをすませた。
後は、土曜日までにコンビニの端末を使い、所定の代金を払えば
申し込み完了だ。
それにしても、今日、よく気が付いたものである。
いわゆる虫の知らせと言うヤツなのだろうか。
「ヲタク」としては、ロシア語の神様がいる、と信じたいところだ。
(終わり)
■막걸즈 「マッコリガールズ」 2015年 〇〇〇〇-
(777)
2015年に公開されたコメディタッチの学園ドラマ。
全羅道の小都市を舞台に、父親の残したマッコリ醸造所を再建し、
借金を返そうと奮闘する女子高生とその仲間たちが主人公。
少しドジだけれどもテッキョン(韓国の伝統武術)の達人の生物の
先生や、プサン方言を話すアメリカ人の教頭先生など、主人公を
応援するわき役たちの個性も光っていた。
△祖母の力を借り作ったマッコリがコンテストで優勝(映画より)
次回のプサン訪問では、久しぶりに本場のマッコリが飲んで
みたくなった「ヲタク」である。
■스플릿 「スプリット」 2016年 〇〇---
(776)
2016年に公開された異色のスポーツドラマ。
地下の賭博ボーリングで活躍する2人の男とマネージャー女性が
主人公。
彼らは、マネージャー女性のボーリング場を狙う闇金業者との
闘いに勝利し、特異な投球フォームを持つ自閉症の天才ボーラーは、
表の世界で活躍する人気プロボーラーになる。
深みはないが、そこそこ楽しめる映画であった。
(終わり)
8月26日付ハンギョレ新聞の風刺漫画には、個人的に深い感慨を
抱かざるを得なかった。
フランスで開かれたG7首脳会談の場で、どこかの国の気持ちの悪い
首相が、アメリカの大統領に「韓国を때찌(テッチ)ちてちょうだい」と
泣きついている図だ。
この風刺漫画自体の感想はさておくとして、ここで使われている
「때찌」なる韓国語の幼児語が、「ヲタク」を痛く刺激したのだ。
韓国人の女性といっしょに3人の子ども(幼児)を育てた経験の
ある「ヲタク」にとって、この「때찌」なる幼児語は、もはや
「外国語」ではない。
意味的には、日本語で言う「お尻ペンペン」の「ペンペン」と、ほぼ
7割方重なる表現である。
余計なお節介にはなるが、将来、韓国人女性(あるいは男性)と
いっしょに子どもを育てる可能性が少しでもある人は、知っておいて
損はしない言葉であろう。
(終わり)
△ニュース1(8月17日)より
日韓対立が泥沼化の様相を呈する中、韓国メディアでしばしば
目にするようになった新しい用語が「토착왜구(土着倭寇)」。
意味的には「親日派」と重なる部分が大きく、過去の日本の植民地
支配を美化したり、韓国叩きを行う日本の右派・嫌韓勢力を利する
ような言動を取る者を非難する際に使われる政治的罵倒語である。
(終わり)
■여배우는 너무해 「女優はやりすぎ」 2012年 〇〇〇--
(775)
2014年に公開されたラブコメディ。
わがままでおバカな人気女優が、イケメンのインテリ舞台監督と
出会い、真の演技派女優として開眼し、監督との恋も成就させる。
△演劇関係者の使う単語が理解できない主人公(映画より)
深みはないが、そこそこ楽しめる少女漫画風映画だった。
(終わり)
■ M 「M」 2007年 〇----
(774)
2007年に公開されたサスペンス映画。
ある雨の日の夜、恋人と待ち合わせた喫茶店に向かう途中、交通
事故に遭い死んでしまった女性の魂が、昇天できないまま彼氏の
背後霊となって、この世にとどまっていた。
△背後霊の「M(ミミ)」を演じたのはイ・ヨンヒ<映画より>
その女性の霊が、ついにあの世の使者の催促を受け入れ、彼に最後の
別れを告げ、昇天する。
△「ソ〇ー損保」のCMを思い出すのは「ヲタク」だけだろうか?
何も知らない彼は、様々な怪奇現象や幻覚に襲われながらも、
彼女の存在を感じ取り、そして、彼女が自分の元を去って行った
ことを理解する。
この映画では、映画の本筋とは無関係のところで、2つのことが
印象に残った。
一つは主役の韓国人女優が、日本の女優、唐田えりかのある
時期の容姿によく似ていたこと。
そして、もう一つが、和式の宴会場。
韓国映画に和式の宴会場や日本料理店が登場することはよく
あるが、畳部屋(畳風の床)は珍しかった。
(終わり)
■쉿! 그녀에겐 비밀이에요! 「しっ!彼女には秘密だよ!」 2008年
(773) 〇〇---
2008年に公開されたラブコメディ。
アメリカのニューヨークに留学した韓国人女性が、韓国系アメリカ人で
FBIの秘密要員の青年と恋に落ちる。
△彼氏の名前は「アルバート・リー」。母親は白人。(映画より)
お見合いのため帰国した女性を追いかけ韓国にやって来た青年は、
2人の交際に反対する彼女の両親の承諾を勝ち取るとともに、韓国で
マフィアの資金を洗浄していた裏組織のボスを退治する。
△彼女の故郷は全羅南道順天の民俗村(映画より)
少女漫画を思わせるような展開ではあったが、そこそこ楽しめた。
(終わり)
21日、中国で開催された日韓外相会談の直前、日本の外相が、 日本
メーカー製のカメラを手に取材に訪れていた韓国メディアの関係者らを
小ばかにするような言動を取った。
日韓の政治的、経済的対立が激化し、韓国では日本製品の不買運動
なども起きている状況を念頭に、日本メーカー製のカメラを使わないと
報道できない韓国(のメディア関係者ら)を皮肉りたかったのだろう。
それにしても、韓国内のニコンやキャノンの関係者にしてみれば、
実にタイムリーな時期に行われた効果的な「営業妨害」である。
日本国内においては日本人の韓国への反感をあおりにあおり、韓国に
向けては、あえて韓国人の感情を逆なでするような言動をとる。
これが一国の外交の責任者のやることか?
あまりにもお粗末である。
こんな人間を外相にしている国の国民の1人として、さらにはニコン
ユーザーの1人として、実に情けなく悔しい思いで一杯になった。
<追記>
△日本外相の釈明(韓国日報より)
韓国メディアでもかなり詳しく続報が流れた日本外相の「キャノン、
ニコン発言」。
仮に、日本の外相の言う通り、関心のあるカメラについて日本の
記者陣のカメラをのぞきこみ、日本の記者陣と雑談しただけで、
他意はなかった、という話が事実だったとしよう。
△韓国の取材陣の真ん前でカメラをのぞきこむ日本外相(韓国のチャンネルAより)
しかし、その雑談が行われた真横(真ん前)に韓国の取材陣が
「混じっていた」のも事実だ。
△韓国側カメラの真ん前に立ってカメラについて雑談する日本外相(チャンネルAより)
そして、韓国の取材陣や、何より、韓国のカメラがとらえた映像と
音声を見る多くの韓国人視聴者(「ヲタク」同様、日本語がわかる
人が多い)が、日本外相の言動について様々な憶測をするのも、また
当然の話だ。
さらに、これは「ヲタク」自身の自己弁護にもなってしまうが、多くの
韓国人視聴者が日本外相のカメラ発言を「曲解」したとしても、決して
無理はないと考える。(そうした意味も含め、上記の「ヲタク」の
文章(「バカなこと」)には手を加えず、そのまま記録しておく。)
現在の日韓関係(特に外交の最前線)では、気軽に日本製カメラの
話もできない、それくらいセンシティブな状況になっているのでは
ないだろうか?
(終わり)
■명왕성 「冥王星」 2013年 〇----
(772)
2012年に公開されたインディーズ系の復讐ドラマ。
私立の名門エリート校を舞台に、1人の男子生徒が、身勝手な理由から
クラスメート(韓国系アメリカ人)を殺害した上、その罪を自分に
なすりつけようとした3人の優等生に復讐する。
「ヲタク」の趣向には合わない映画だったが、物語の展開には、
そこそこ引き込まれた。
(終わり)
■통통한 혁명 「おデブ革命」 2012年 〇〇〇--
(771)
2012年に公開された異色のラブコメディ。
徹底的な体型管理にいそしむストイックな人気女性モデルが主人公。
△主演女優はイ・ソジョン(映画より)
そんな彼女が1人のカメラマンと出会い、生まれて初めて恋をした。
ところが、その男の女性の好みは、大食いで太めの女性。
△彼女は人気モデルの地位も生活信条も捨てる(映画より)
悩んだ末、彼女は、仕事を捨て、それまでの生活信条とは180度
異なる逆ダイエットに取り組むことを決意する。
そして、逆ダイエットに成功した彼女は、見事に恋を成就させた上、
仕事の面でも太めで健康的なモデルとして復活を遂げる。
△太ったことで幸せを手に入れた主人公(映画より)
太めの女性に希望を与えるような(?)、心温まるコメディ映画
だった。
(終わり)
例によって「ヲタク」は、細々とではあるが粘り強く、陰気な
ロシア語学習を続けている。
現在、使っているテキストは、この夏、プサンで購入したロシア語の
文法学習書。
△「GO!独学ロシア語文法」(シウォンスクール・ドットコム)
もちろん、韓国人の著者による韓国人学習者を対象にしたテキストだ。
だから、当然のごとくテキストの例文や問題文の端々(はしばし)に、
韓国社会特有のメンタリティーが顔をのぞかせることもある。
例えば、ある問題の一部。
「韓国料理は日本料理よりおいしい」。
日本人の「ヲタク」とすれば、さすがに、この種の問題文には
引っ掛かりを感じざるを得ない。
なぜ、こんなところで、わざわざ「日本」を引き合いに出さなければ
ならないのか?
正直、「うざい」と思った。
しかし、すぐに切なくなってきた。
なぜなら、長年にわたる韓国語学習と韓国社会観察の経験から、
「ヲタク」には、この種の表現の行間が読めるようになっている
からである。
「ヲタク」は、上の文を次のように読んだ(解釈した)。
「日本人を除き、世界で一番、日本料理のおいしさを知っているのは
他ならぬ韓国人だ。日本料理は本当においしい。それでもやはり、
韓国人の口に一番、合うのは、何と言おうが韓国料理である」。
これは、あくまで「ヲタク」の解釈だが、それなりの根拠と自信を
持っている。
だから、切なくなったのだ。
ところで、老婆心ながら、「ヲタク」は、日本の韓国語学習者には、
こういう場合、絶対にッ、感情的になって愚かな反応はしてほしくない、
と考えている。
まかり間違っても、「日本料理の方がおいしいに決まっている」、
「そもそも韓国人は日本に対して無礼だ」とか、「韓国人の誤った
味覚を正すため、醤油やわさびなどの対韓輸出を規制すべきだッ」
などと、子どもじみた発想に陥ってはならないのである。
(終わり)
■미조 「ミジョ・迷鳥」 2014年 〇----
(770)
2014年に公開されたインディーズ系の復讐ドラマ。
韓国映像物等級委員会により、韓国で上映される映画の中で最も
規制の厳しい「제한상영가(制限上映可)」に指定された映画。
この指定を受けると、問題とされたシーンが全てカットされた上、
特定の映画館でしか上映できないという厳しい制限を受ける。
△主人公のミジョ(迷鳥)を演じた女優はイ・ヒョ
この映画の場合、生まれてすぐゴミ箱に捨てられ、養父母からも
残忍な虐待を受けながら育った女性が、長じて、自分を捨てた実の
父親を探し出し復讐するという展開だが、その復讐方法が問題視
された。
彼女の復讐の仕方とは、自分の正体を隠したまま実の父親に接近し、
肉体関係を持った上で、自分を愛するように仕向け、最後に真実を
暴露する、というものだった。
すでに、子どもを捨てた罪の意識にさいなまれ続け、廃人同様の
暮らしをしていた元刑事の父親は、彼女の復讐のワナにはまり、
強い衝撃と絶望の中、完全に壊れて行く。
「ヲタク」の趣向には全く合わない、実に陰惨な内容の映画で
あった。
(終わり)
■춘천,춘천 「春川、春川」 2018年 〇〇---
(769)
2018年に公開されたインディーズ映画。
△春川の青年とわけありの中年カップル(映画より)
ソウルで入社試験を受けた就活中の無職青年と、わけありの中年
カップルが、偶然、春川(チュンチョン)行きの列車で同席する。
青年はこれまでに何度もソウルで試験を受けたが、ことごとく失敗し、
将来への希望を失いかけている。
△ソウルに帰る朝、2人の気持ちには距離が生じていた(映画より)
一方、ネット上で知り合い、意気投合した中年カップルは、お互い
家庭を持つ身でありながら、2人でお忍びの2泊3日の春川旅行に
出かけた。
春川の宿で男性は女性に肉体関係を迫ったが、女性は思いきれずに
拒絶する。結局、2人は、もやもやした気持ちを抱えたまま、ソウルに
帰り、何事もなかったかのようにそれぞれの日常に戻っていく。
そしておそらく、2人は今後、2度と会うこともない。
何だか、見ているこちらまで、もやもやしてくるような映画だった。
■탐욕의 별 「貪欲の星」 2015年 〇〇〇--
(768)
2016年に公開された経済ドキュメント。
IMF管理下にあった韓国で、経営破たんに瀕した銀行や企業を
安値で買収し、公的支援を引きだしながらリストラを強行した後、
高値で売却し、巨額の利益を上げたとされる外国系ファンド。
実は、その外国系ファンドの韓国での活動には、韓国の政・財界人が
深く関与していた事実が明らかになった。そればかりか、詳細は闇に
包まれたままだが、外国系ファンドには、韓国内からも巨額の投資
マネーが流れ込んでいた。
国家経済の危機のさ中にあっても、外国の投資家グループと手を
組み、貪欲に自己の利益を追求した一部の特権層がいた、という
話である。
なかなか見ごたえのある作品であった。
(終わり)