福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

嘔吐女とモンゴル青年

2023年03月30日 |  〇映画・映画音楽
하루   「1日」 〇〇---
(1828)



2022年に制作された社会派の短編映画。

超スリムな体系を維持するため一度食べた物を全てトイレで吐き出す、
いわゆる「프로아나プロアナ/Pro-ana)」の女性の1日と、彼女の
元に何度もデリバリーの食べ物を運ぶ外国人労働者の1日を対比させた
ドキュメンタリータッチの物語。

最後に、自らの食事を削ってまで本国の妻子のために働く外国人青年が
過労で突然死するという悲惨な結末が待っていた。


△韓国語字幕の意味は「ああ、(娘たちは)寝てるよね?」

人間社会のいびつな矛盾を描いた短編映画だったが、この映画では、
青年が母国の妻に電話するシーンに関心を引かれた。

正確に言えば、そのシーンの字幕だ。


△Google翻訳で自動検出された言語はモンゴル語

ブログ主は、字幕に使われていたキリル文字(ロシア文字)の中から
短い一文を選び、Google翻訳にかけてみた。

その結果、映画では単に外国人労働者とされていた青年がモンゴル人で
あることが、実にあっけなく明らかになった。

映画の本筋とは全く無関係なところで、小さな自己満足を感じた
瞬間であった。


(終わり)

チャジャン麺は代弁する

2023年03月29日 |  ┣銀幕のチャジャン
어쩌면 우린 헤어졌는지 모른다 
「もしかしたら僕たち別れていたかも」 〇〇〇〇-
(1827)



2023年に公開された30代男女の恋愛ドラマ。

学生の頃から10年以上も付き合ってきた男女が一旦は別れるものの、
やがて再結合し、一生を共に過ごすパートナーとしての絆を固めて
行く物語。

この映画にも、ブログ主こだわりのチャジャン麺(韓国式ジャージャー
麺)が、しっかり登場してくれた。

しかも、その登場の仕方が実に印象的だった。


△元カノからの彼氏への電話に薄っすら気づいた若い女性

主人公の男は恋人と別れた後、一時期、彼に急接近してきた若い女性と
交際する。


△男はノートパソコンを友人に返してすぐに戻ってくると言って家を出た

年の差こそあれ、2人は気の合うお似合いのカップルに見えた。


△元カノは元カレにノートパソコンを返せと連絡したのだが、その心は・・

しかし、結局、その若い女性も、あっけなく男の元を去ることになる。


△男は若い女性からの電話を全て無視し、元カノと口論を続け、最後に友情を確認した

若い女性は、男が断ち切れないままでいた元カノの影を極度に嫌い、
男が彼女にウソをついて元カノの元にノートパソコンを返しに行って
いる間に、彼のアパートを出て行ったのだ。


△男が帰宅すると家はカラで、捨てられたチャジャン麺とチャンポンだけが残されていた

その時、彼女が去った男のアパートに残されたのが、これ見よがしに
キッチンに捨てられたチャジャン麺とチャンポンだった。

ただ単純にチャジャン麺を食べたり、チャジャン麺が背景に映り込んだり
する映画が多い中、この映画のように、捨てられたチャジャン麺が登場
人物の心情を代弁するシーンも珍しい。

チャジャン麺ウォッチャーを自任するブログ主も、このシーンには、
痛く心を揺さぶられた。

たかがチャジャン麵、されどチャジャン麵。

チャジャン麺はただ人間に食べられるばかりではなく、食べられずに
捨てられることによって、その無残な姿を通じて人の心情を雄弁に
物語ることだってできるのだ。

この映画からブログ主が学んだことである。


(終わり)

こじつけの豚塩カルビ

2023年03月29日 | 【日常の韓国】

△回転寿司のドライブスルーとは面白い(佐賀市内某所)

福岡の実家に戻っていた末っ子(大学3年生)を佐賀市のアパートまで
送り届けたついでに、佐賀市内で末っ子といっしょに回転寿司を食べた。


△注文用タブレットの画面

その際、ブログ用の韓国ネタを作るため、あえて「豚塩カルビおろし盛り」
なるお寿司も賞味した。

よく知られている通り、「カルビ」(バラ肉)の語源は韓国語の「갈비」。
「あばら骨」を意味する言葉だ。


△豚塩カルビおろし盛り

全く期待せずに食べたのだが、これが、なかなかの美味だった。

大好物のハマチ(醤油は甘くて濃い九州刺身醤油でなくてはならない)に
ありつけた上に、ブログネタまで入手できたブログ主は、満ち足りた
気持ちで帰途につくことができた。


(終わり)

自動通訳は大人の玩具

2023年03月28日 | 【情報通信関連】
当ブログでは、久しぶりのITネタになる。

ブログ主は、つい最近、アンドロイドスマホの音声アシスタント
OK Google」(iPhoneの場合はSiri)に、自動音声通訳機能がある
ことを初めて知った。

例えば「韓国語の通訳」と話しかければ、日本語を韓国語に通訳して
くれる。実用性はかなり高い。

何とも便利な世の中になったものである。

そして、意外と面白いのが、「韓国語を日本語に通訳」と話しかければ、
韓国語を日本語に通訳してくれることだ(英語や中国語、ロシア語など
他の多くの外国語にも対応)。

一体、機械は、ネイティブではない自分の韓国語をどう認識してくれる
のか?



ブログ主の話す韓国語の場合、パッチムの子音を意識的に正確に発音する
努力をすることで、機械に認識してもらいやすくなることがわかった。
当然と言えば当然のことではあるが・・。



いずれにしろ、スマホを使ったこの音声自動通訳は、ちょっとした
(知的な意味での)「大人のオモチャ」である。

今後、1人っきりで時間を持て余した時など、この機能を使い、外国語
学習を兼ねた暇つぶしをしたいと考えている。

ブログ主に、また一つ、陰気な趣味が加わった瞬間である。


(終わり)

犬と人に優しい韓映画

2023年03月27日 |  〇映画・映画音楽
멍뭉이  「ワンちゃん」 〇〇〇〇〇
(1826)



2023年に公開された癒し系のドラマ映画。人間と犬が織りなす、心温まる
物語だ。

結婚を前に、それまで家族同様に過ごしてきた愛犬と犬唾液アレルギーを
持つ恋人との板挟みで苦しむ青年が、親戚の兄の助けも得ながら、皆に
とってベストの解決策を見出すまでの物語。


△主人公犬はゴールデンレトリバーのルニ

見ごたえのある、なかなかいい映画だった。

犬好きの韓国語学習者、必見の作品だ。


(終わり)

食べ放題のビビンバ

2023年03月27日 | 【日常の韓国】

△福岡県新宮町所在の某焼肉店

先週末の夕方、ブログ主家族は全員で、福岡市東区に隣接する新宮町の
焼肉食べ放題の店を訪れた。

正直、ブログ主は食べ放題系の焼肉が嫌いなのだが、家族の和を保つ
ためには、時には我慢も必要だ。

と言うより、5人家族のうち約2名から口をそろえて「文句を言うんなら
来なさんな」と言われれば、黙るしかないのである。


△ナムルと白菜キムチ

ブログ主は、せめてもの自己満足を追求するため、食べ放題のメニューの
中にあった韓国料理を、いろいろと賞味した。


△麺が固すぎた冷麺

冷麺とビビンバは、他の家族と分けて食べた。


△石焼ビビンバ

結果的に、お肉も含め、そこそこの満足感を得て、店を後にしたブログ主
であった。


(終わり)

取り放題のニラキムチ

2023年03月27日 | 【日常の韓国】
先週末の午後、ブログ主家族は、長女の暮らす福岡市香椎の地に全員
(5人+1匹)が、集合した。



JR香椎駅前に集合した後、即、駅前の町中華(関連記事)で昼食を
とった。

ブログ主は大好物の皿うどん(固めん)を賞味した。



その際、サービスの付け合わせ(取り放題)で、ニラキムチもいっしょに
賞味した。

これがけっこうな美味だった。印象に残るくらいに美味なニラキムチを
食べるのは、これが初めての体験だった。


(終わり)

父の愛とチャジャン麺

2023年03月26日 |  ┣銀幕のチャジャン
원탁의 천사  「ウォンタクの天使」 〇〇〇〇〇
(1825)



2006年に公開されたファンタジックなヒューマンコメディ。家族を思う
父親の愛情と息子の自立への道程を描いた、心の温まるいい映画だった。

父親が死後、高校生の1人息子、ウォンタクをそばで見守るため、天使の
力を借り期限付きで高校生に転生するのだが、その高校生を演じた男優、
ハハが実にいい味を出していた。


△父親を演じた助演男優はハハ

見る者を笑わせ、悲しませ、そしてじんわり心を温めてくれた。

なお、うれしいことに、この映画にもブログ主こだわりのチャジャン麺
(韓国式ジャージャー麺)が、しっかり登場してくれた。


△ビリヤード場の隅っこで1人、チャジャン麺を食べるちんぴらの男

主人公らが遊びに行ったビリヤード場の隅っこで、ちんぴらの1人が
美味しそうにチャジャン麺を食べていた。

たかがチャジャン麺、されどチャジャン麺。

やはり、韓国のヒューマンコメディにはチャジャン麺がよく似合う。


(終わり)

韓映画と旧日本人墓地

2023年03月24日 |  〇映画・映画音楽
마루이 미디오 「マルイビデオ」 〇〇〇〇-
(1824)



2023年に公開されたインディーズ系のホラーサスペンス。


△釜山市西区アミ洞の一部は旧日本人共同墓地

プサンの旧日本人墓地地区(アミ洞、グーグル画像)の廃屋を主要な
舞台に繰り広げられるドキュメンタリー風の作品である。


△街中の階段の一部には墓石も使われている

この町で起きた残忍な一家惨殺事件の被害者でありながら犯人の
汚名まで着せられた青年の霊が昇天できないまま悪霊と化し、新たな
悲劇が生まれていく。


△主人公はドキュメンタリーを制作するメディア記者の男性

ブログ主の趣向には合わない映画だったが、物語の展開にはけっこう
引き込まれてしまった。


△女性記者に乗り移った青年の悪霊から怨念を聞き出そうとするムダン

特に、韓国のムダン(霊能者)信仰にまつわる精神文化の一端については、
非常に興味深く鑑賞させてもらった。



やはり、外国語を学習するにあたって、映画は貴重な教材である。

(終わり)

告発型の韓国映画

2023年03月22日 |  ┗注目女優
다음 소희  「次のソヒ」 〇〇〇--
(1823)



2023年に公開された告発型の社会派映画。社会的な反響の大きな
作品で、インディーズ系の映画としては珍しく、観客動員数が10万を
超えた。

全羅北道のある貯水池で若い女性の死体が見つかる。女性の身元は、
地元の実業系高校に通う高校3年生の女子生徒、ソヒだった。

彼女は、インターン(現場実習)先の職場で、実習とは名ばかりの
過酷で理不尽な労働環境に追い詰められたあげく、極端な選択に走った
のだった。


△女子高生の自死について調査する女性警部

調査を担当した女性警部は、彼女の自死の背景に高校生インターン制度
という美名の裏で横行している、低賃金長時間労働を始め、企業側の
慢性的労働法規違反の実態があることに気づいていく。

一方、本来なら生徒を守らなければならないはずの学校や行政も、自らの
数字的実績を上げることに汲々とするばかりで、実習先の職場で生徒が
置かれた状況には全く無頓着であるばかりか、一旦、問題が生じた場合は、
企業側の論理から一方的に生徒を懲戒し、追い詰める。ソヒの場合が
そうだった。

「インセンティブ制度」なる耳障りの良い新しい教育政策のもと、学校側も
また、学校自体の生き残りをかけた無限競争を強いられ、次年度の運営
資金を獲得するための数字的実績作りが至上課題となっているのだ。

女性警部は、一警官の力ではどうしようもできない、こうした社会や
政治の壁を前に、途方に暮れるしかなく、苦悩を深める。

そして、見る者に問題を投げかけたまま映画は終わる。

この映画では、女性警部を演じた個性派女優、ペ・ドゥナの熱演が印象に
残った。


(終わり)

軍事政権と大物ヤクザ

2023年03月20日 |  〇映画・映画音楽
하류인생  「下流人生」 〇〇〇--
(1822)



2004年に公開された社会派のアクション映画。

4月革命軍事クーデター、そして軍事独裁政権へと続く現代韓国の
激動の歴史を背景に、裏社会に生きる1人の義賊的な男が、ナイト
クラブや在韓米軍関連の事業家として大成功を収める。しかし、彼は、
米軍関連事業をめぐる、ある政府高官の汚い不正を新聞に暴露したことで、
権力から命を狙われるハメに陥る。追い詰められた彼は、自らの生き方を
見直し、真に人の役に立つ健全な実業家として再出発していく。


△若い頃、義理を重んじるヤクザとして裏社会でのし上がって行った主人公

広く浅く、ではあったが、映画を見ながら韓国現代史の流れを復習させて
もらった。

(終わり)

不良とチャジャン麺

2023年03月19日 |  ┣銀幕のチャジャン
그 놈은 멋있었다  「あいつは素敵だった」 〇〇---
(1821)



2004年に公開された、笑いありアクションありの学園ラブコメディ。


△ヒロインの女子高生を演じたのはチョン・ダビン

女優チョン・ダビンの可憐な魅力が際立つ映画だった。


△微笑むチョン・ダビン

ところで、この映画にもブログ主こだわりのチャジャン麺(韓国式
ジャージャー麺)が、2度ほど登場した。


△なぜかチャジャン麺を食べている生徒は1人だけ

1度目は、卑劣でドジな不良高校生たちが、ヒロインら女子高生を
監禁したシーンだった。


△チャジャン麺をすすり上げる不良

そして2度目が、主人公の先輩たち(高校3年生)が中華料理店で
「サークル」(不良グループ)の宴会を開いていたシーン。


△とても高校生には見えない男たちの団結式にもチャジャン麺

ブログ主は、画面の隅っこに写り込んだチャジャン麺を見逃さなかった。

たかがチャジャン麺、されどチャジャン麺。

やはり、韓国の学園ドラマにはチャジャン麺がよく似合う



(終わり)

金属バットで復讐する男

2023年03月18日 |  〇映画・映画音楽
누구나 제 명에 죽고 싶다  「誰もが天寿を全うしたい」 〇〇---
(1820)



2013年に公開されたノワール風の復讐劇。

ごく普通のサラリーマンだった男が、親代わりとなって面倒を見てきた
弟の死を境に壊れて行く。

大学生の弟は闇金業者の男と突発的ないさかい事を起こし、命を失う
ハメになったのだった。


△金属バットを手にした主人公

理性の歯止めを失った兄は金属バットで闇金業者を襲撃し、自らの
命を投げ出す形で、報復を成し遂げる。

何とも虚無的な復讐劇であった。

(終わり)

香椎のプルコギ・タワー

2023年03月17日 | 【日常の韓国】

△福岡市香椎駅前の韓国料理店。店名「ソットゥコン/솥뚜껑」は「釜のふた」の意味。

3月中旬、金曜日の夜。


△パンチャンのチャプチェは、ブログ主好みの香ばしい中華風味

労組の会議で福岡市を訪れた帰り道、香椎(かしい)に暮らす長女と駅前で
落ち合い、2人で韓国料理を食べた。


△パンチャンのチヂミも絶品。衣はカリカリでサクサク、中身はジューシー。

昨今、海運業界は景気が良く、主に日韓航路を担当している長女の会社でも
夏冬に加え3月にもボーナスが支給されたとのこと。


△大根の浅漬け(ピクルス?)もブログ主好みの味

そうした事情もあり、今回の食事は遠慮なく長女にごちそうしてもらった。


△石焼ビビンバは別途、注文

今回の食事の目玉は、何と言ってもプルコギ・タワー。


△「솥뚜껑」風の丸いプレートの上で焼かれるプルコギ・タワー

新しい趣向の楽しい料理だった。


△豚バラ肉は社長さんの好意によるサービス

この店の社長さんが仕事を通じての長女の知り合いということで、
ブログ主親子のために豚バラ肉を一皿、サービスで出してくれた。

何ともありがたい心づかいである。


△チシャと胡麻の葉はパンチャン同様、無料

柔らかい物腰の社長さんは、今回、ブログ主親子が訪ねた香椎店を始め、
博多港国際ターミナル内の店舗など福岡市内で3、4軒の韓国料理店を
経営している、やり手の中年男性。

聞くと、江原道のご出身とのこと。


△久しぶりにお肉を野菜で包んで食べた

今後、ちょくちょく社長さんの店に足を運ぶことになりそうだ。



(終わり)

映画と解雇撤回闘争

2023年03月16日 |  〇映画・映画音楽
 휴가   「休暇」 〇〇〇--
(1819)



2021年に公開された社会派の家族ドラマ。

新しく結成された労働組合の組合員を狙い撃ちしたリストラ(不当解雇)
撤回を求め、5年間にわたり仲間とともにテントを張り籠城を続けながら
裁判を続けてきた1人の中年男が主人公。


△通行人にビラを配る主人公

この映画は、会社側勝訴の判決が下った後、一旦、解雇撤回闘争が休暇
状態に入ったことを転機に、1人親の彼が家庭に戻り、大学進学を控えた
長女や中学生の二女との生活を優先させるため再就職し、静かに闘争の
現場から身を引いていく様子を描いている。

労働者の権利保障という観点から見れば、韓国社会のブラックな現実が
随所に反映された寒々しい内容の映画ではあったが、物語の展開には
そこそこ引き込まれた。

映画の中の話とは言え、主人公家族の前途に幸多からんことを願いながら、
鑑賞を終えた。


(終わり)